C型肝炎 公費で検査できます
厚労省の概算要求 3月に小池議員求める
(2001年8月30日(木)「しんぶん赤旗」報道)
輸血などで百万人から二百万人もの国民が感染しているとみられるC型肝炎について、厚生労働省は二十八日、地域の健康診断などで肝炎ウイルスの検査が受けられるようにすることを決め、来年度予算の概算要求に関係経費四十九億円を盛り込みました。これまで個人負担が基本だった肝炎ウイルス検査が公費で受けられることになります。
検査は、地域住民を対象に行われている基本健康診査(老人保健法にもとづくもの)を受ける四十歳?七十歳の人が対象。五年間で全員に肝炎ウイルス検査を実施します。また、中小企業に勤める人などの政府管掌健康保険が実施する生活習慣病予防健診でも実施することにしています。
C型肝炎は主に血液で感染し、感染率は四十歳以上で高くなりますが、多くの場合、感染してもすぐには症状があらわれません。慢性肝炎となり肝硬変や肝臓がんに進行するケースがあるため、早期に発見し、適切な治療が必要となっています。しかし、保健所で検査する場合の費用は本人負担が基本のため、公費負担による検査体制の充実が課題となっていました。
日本共産党の小池晃参院議員が三月の国会質問で「老人保健法に基づく基本健診で肝炎ウイルスの検査をすべきだ」と要求し、厚生労働省の堤修三老健局長が検討を約束していました。(>>【議事録】)
運動続けた成果(日本肝臓病患者団体協議会・事務局長の高畠譲二さんの話)肝がん予防対策を最優先に実施してほしいと、患者・国民が長年、運動してきた成果です。潜在している自覚症状のない感染者を調査することが課題でしたが、老健法にもとづく検査の実施で事実上の調査ができます。あとは、検診で発見された患者を適切に治療できる医療体制を整備することです
C型肝炎の相談体制強化へ――保健所を積極活用
厚生労働省は4月24日、輸血などにより200万人以上の国民が感染していると見られるC型肝炎の対策強化を目指す通知を明らかにしました。相談を広く受け入れるため保健所の積極的活用をうちだしています。
小池晃議員は、3月22日の厚生労働委員会で、「保健所に検査や相談の窓口設置を」と求め、厚生労働省健康局長が検討を約束していました。(>>【議事録】)
<公費検査の対象拡大を>
厚生労働省は、血友病治療に使われる血液凝固因子製剤(第VIII・第IX因子製剤)の投与を受けた人について、公費負担で検査を行う方針です。
小池晃議員は、フィブリノーゲンを含む全ての血液製剤の投与を受けた人と92年までに輸血を受けた人も対象に公費負担で検査すべきと3月22日、5月24日(>>【議事録】)の厚生労働委員会で主張しました。
「かなりな人数に上り・・全部はなかなか難しい」と答える坂口厚労相に、小池議員は「数が多いからこそ深刻。行政としての責任を果たせ」「費用の問題をいうが、早期にキャリアを見つければ、そして早期に治療すれば、肝臓がんや肝硬変になるよりもずっと医療費が安く済む」と指摘しました。
<実態に合った障害年金の認定を>
小池議員は、「肝炎患者の障害年金の認定基準が古すぎる、検査項目や検査方法が現在のやり方にあっていない」と指摘し見直しを要求。富岡社会保険庁運営部長は「医学技術の進歩を踏まえ適時適切に見直していくことが必要。今後も努力を続ける」と答えました。
また、「治療により一時的に検査の数値が改善した場合に障害年金の支給をうちきることはやめるべき」との小池議員の指摘に、同部長は「一時的な数値だけで認定するのでなく、一定期間の検査成績の推移、障害の状態、日常生活全般の状態を総合的に把握して認定している」と答えました。(3月27日、参院厚生労働委員会)
>>【議事録】
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