Dr.小池の世直し奮戦記
主人公は国民だ
「いつでも元気 2011.1 No.231」より

Dr. 小池の世直し奮戦記/主人公は国民だ

 読者のみなさん。お久しぶりです。参議院選挙後、連載を中断していましたが、多くのご要望をいただき、新連載として再開することになりました。ありがとうございます。今号からまたお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

民主党を事業仕分けせよ

伊波・沖縄県知事候補を応援する『白衣パレード』にて(米軍住宅地跡の那覇新都心で民医連の仲間と)
伊波・沖縄県知事候補を応援する『白衣パレード』にて(米軍住宅地跡の那覇新都心で民医連の仲間と)

 政権交代から一年以上が過ぎましたが、民主党政権の行き詰まりは目を覆うばかりです。閣僚からは、連日のように信じられないような問題発言が続いています。
 鳴り物入りでおこなわれた「事業仕分け」も、回を追うごとに低調となり、民主党政権になってからつくられた予算に対して民主党議員がかみつく姿に"しらけムード"も漂うようになりました。これでは「民主党そのものを事業仕分けせよ!」と言いたくもなります。そして公約違反のオンパレード...。
 菅直人首相は「石にかじりついてでもがんばる」と言いましたが、これは国民みんなが応援しているときに使うセリフです。今のような状態で使われても、権力のイスにしがみつきたいだけにしか見えません。「石にかじりついてでも」やってもらわねばならないのは、後期高齢者医療制度の即時廃止、普天間基地の無条件撤去といった課題のはずです。

なぜ「ぶれ」る?

 いろんな方から「なぜ民主党は、国民の期待をこれほどアッサリと裏切るのか」というご質問を受けます。
 もともと民主党という政党には、よってたつ根本理念がありません。どの政党も持っている「綱領」がいまだに決まっていないのです。「ふらついている」「ぶれている」と言われても、そもそも根っこがないのですから、波にただよう浮き草のごとし。主張がクルクル変わるのは、当然かもしれません。
 〇八年の国会で民主党は、当時の野党共同提案で「後期高齢者医療制度廃止法案」を提出し、参議院では可決させました。しかし、その「後期」制度の走りになった「高齢者の独立した医療制度創設」という二〇〇〇年の国会決議を提案し、賛成したのも同じ民主党です(ちなみにそのときの提案者は、あの柳田稔前法務大臣でした)。
 国民健康保険証取り上げを急増させた九七年の国保法改悪にも、使い捨て労働を広げた九八年の労働者派遣法の改悪にも民主党は賛成しています。こうした"前科"を見ていくと、民主党は「権利としての社会保障の確立」「労働者を守るルールをつくる」などの理念に基づいて行動する政党ではなく、その時々の世論にあわせて主張や態度を変えていく政党だということがよくわかります。

新しい政治めざして

 理念なき政党は、圧力や懐柔には容易に屈します。とりわけ、相手が財界やアメリカとなると、とたんによれよれです。財界からは「社会保障の拡充よりも法人税の減税を。財源は消費税で」と言われて方向転換。「普天間基地は国外、最低でも県外」と言っていたのに、アメリカから一喝されたら「日米合意を守ります」という。だらしないかぎりです。
 それならば、私たちの方が、財界やアメリカよりももっと強い"圧力"をかけようではありませんか。政治の主人公は国民です。国民の世論と運動こそ、政治の流れを"チェンジ"する力。自公政権を退場させたエネルギーをさらにパワーアップしましょう。
 新しい政治を願う国民の探求にこたえることができるのはどこか。大いにアピールするためにも、"いつでも元気"でがんばります。

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