世直しドクター奮戦記
小池晃さん激戦の東京選挙区ルポ/希望とどける全力疾走/「話わかりやすい」「元気もらった」

TV出演直後街角へ/対話演説回答明快に

 「おっ、小池さんだ」「テレビ討論でみたよ」。演説が始まると立ち止まる人の輪が広がります。菅直人新首相が指名されて最初の日曜日となった6日、激戦の参院東京選挙区(定数5)で必勝をめざす日本共産党の小池晃政策委員長・選挙区候補は「国民の願いをさらに前にすすめる新しい政治の実現へ日本共産党の前進を」と、都内各地を寸刻惜しんで走りました。

 午前7時30分からの報道番組に生出演、各党の政策担当者と討論した小池さんが直後にかけつけたのは、買い物客や若者たちでにぎわう新宿駅東口。日本共産党の看護師後援会「ナースファンクラブ」の白衣をまとった看護師ら約50人が、政策リーフレットを配布し、「ゆき届いた看護がしたい」「国民の命と健康を守る共産党の出番です」とリレートークします。

 内科医の経歴から「世直しドクター」と紹介された小池さん。「アメリカにも、財界・大企業にも、国民の目線に立って、きっぱりモノが言える日本共産党の躍進がどうしても必要です」「〝永田町国会病院〟での根治療法をやめるわけにはいかない。国民の命を守る政治を実現します」と力を込めます。演説を聴いたトラック運転手の男性(38)が「共産党が一番、まともなことを言っている」といい、「昨年の総選挙では民主党に投票したが期待外れだった。友人と共産党が一番だと話になっている」と語ります。

 午後は、聴衆から出された質問や要望に答えることで評判の対話演説「まちかどトーク」を2カ所の大きな団地で開催。練馬区光が丘団地のショッピング施設前では、消費税増税問題や普天間基地問題など11の質問が出されました。買い物にきた人や散歩途中の人たちが立ち止まり、聴衆が膨らみました。
 「雇用問題や平和で共産党の主張はいいと思うが、ちょっと力が弱い。政治を変えられるのか」―。小池さんは明快に答えます。「年齢による差別医療と負担増を押し付ける後期高齢者医療制度や、非正規労働を広げた労働者派遣法を決める時に反対したのは共産党だけ。少数であっても、共産党が国会で筋を通してモノを言ってきたことがきっかけになり、世論と運動が大きく広がり事態を動かしました。国民の声が政治を動かします」
 民主党政権で後期高齢者医療制度の廃止は先送り、派遣法改定案は抜け穴だらけ。演説を聴いていた女性(44)は「ここで共産党がでなきゃ、だめよ」とエールを送ります。
 通りがかりの教育関係の仕事を退職したという男性(65)は「小池さんは率直で、国民の疑問にとてもわかりやすく答えていますね。共産党に頑張ってほしい」。話が終わると小池さんは聴衆のなかに飛び込み一人ひとりと握手。都民の願いを受け止めます。

「頑張ってほしい」

 「まちかどトーク」2カ所目の北区の豊島五丁目団地(約5000世帯)でも、団地内広場に聴衆が集まりました。

 車いすの妻と一緒に参加した障害者の男性(58)が「民主党は、障害者に負担を強いる障害者自立支援法を廃止すると言ったのに、自民・公明の改定案に賛成した。廃止へ、共産党に頑張ってほしい」と要望。小池さんは、「障害者のことは障害者抜きで決めないという約束だったはずです。短時間の審議で、存続が前提の法案を委員会で通したのは絶対に許せません」と、廃止への決意を語ります。

 4月の事業仕分けで民主党政権がUR(都市再生機構)の賃貸住宅を民営化する方向を決めたことについて「年金生活者が多いので、民営化は困る」との意見が出されました。

 小池氏は、「住まいは人権です。国の責任で、UR住宅など公共住宅を増やすのがあたりまえ。『市場家賃だ』といって家賃をあげ、UR住宅を縮小することに反対です。真っ先に仕分けするのは、アメリカ軍のための再編経費や、憲法違反の政党助成金じゃないでしょうか」と語りかけると、遠くで聞いていた人たちからも拍手が起こりました。

「いいと思います」

 買い物袋を両手にした女性(56)は「公団住宅の民営化という仕分けはおかしい。前回の選挙では自民党でしたが、共産党の意見はいま、基本的にはいいと思っています」といいます。

 「まちかどトーク」の合間をぬって、小池さんは、板橋区文化会館で開かれた演説会に。会場をいっぱいに埋めた参加者から「頑張れ」と声援が起こり、「本当に元気もらいました」と握手する人もいました。終日ダッシュした小池さんの奮闘ぶりは、移動中の車内の様子も含めてインターネットを通じて生中継されました。


( 2010年06月08日・しんぶん赤旗)

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