宝の議席必ず
小池晃さん東京選挙区/宝の議席必ず/高額な治療用ミルクが必要な患者の親 塚田功さん、藤原和子さん

難病患者の治療用ミルク/国に値上げ撤回させた

 発症する人が少数で、根本的な治療方法も確立されていない―。小池さんは、そうした難病の患者やその家族の力になりたいと奔走してきました。

 フェニルケトン尿症(PKU)。この8万人に1人といわれる先天性の病気と診断された娘を持つ塚田功さん(69)も小池さんを知る一人です。「なんとかならないかと政治に働きかけていたとき、小池さんの励ましが元気の源になった」と語ります。

生涯不可欠

 PKUは食べ物に含まれるアミノ酸の一種(フェニルアラニン)を分解する酵素の量が生まれつき少ない病気です。このアミノ酸が分解されず体内に蓄積されると知能障害やけいれんを起こす難病です。発症を防ぐには、低タンパク食と毎日一定量のアミノ酸除去ミルクの摂取を生涯続けなければいけません。

 この治療用ミルクが2008年4月の薬価改定で大幅に引き上げられたのです。PKUの治療用ミルクは1缶1万1040円から1万7640円と1・6倍に。PKUと同様の症状を持つメープルシロップ尿症(MUSD)の治療用ミルクは1缶9600円から6万2160円と6・5倍にされました。

 治療で1カ月に飲むミルクの量は成人で5~6缶。20歳未満は小児慢性特定疾患の対象になり大幅に軽減されますが、20歳以上は3割負担となり、高額療養費制度も慢性疾患には利用しづらいため年間40万~50万円もの負担となります。

 娘が、全国に約70人しかいなく悪化すると死に至ることもあるメープルシロップ尿症の藤原和子さん(49)は、ミルク代の値上げを塚田さんから知らされ驚きました。「厚生労働省の人は私たちにミルク代が払えないなら死んでくれと言ってるんだね」といって涙を流す娘。藤原さんは舛添要一厚労相(当時)にあてた手紙で「見殺しにしないで」と訴えました。

迷わず連絡

 小池さんが小児慢性特定疾患事業について国会質問していたことを思い出した塚田さんは「この人なら患者や当事者の立場に立ってくれるのでは」と迷わず連絡を取りました。

 「病気で苦しんでいる患者に経済的な負担まで押し付けるやり方は間違っている」。小池さんは直ちに厚労省に値上げの理由を厳しくただしました。08年6月、厚労省はミルク代を4月にさかのぼって引き下げることを決定。ほとんど前例のない措置でした。

 それでも厚労省の難病指定に入っていないため3割負担は続きます。藤原さんは「ミルク代は半年で7、8万円。加えて特別な治療食代や定期的に受ける検査代もかかる。いまは私も夫も働きなんとかなりますが、雇用環境も厳しいなか、私たちが退職したらどうなるのか」と不安を隠しません。

 PKUの患者会事務局次長の塚田さん。会の立場は不偏不党と断った上で、小池さんへの期待を語ります。

 「ミルク代の極端な値上げは撤回されましたが、問題は解決していません。むしろ小泉『構造改革』で難病対策は片隅においやられてきました。患者負担を軽くし、医療制度を立て直すためにも小池さんには引き続き国会で頑張ってほしい」

 小池さんは1日、塚田さん、藤原さんと再会。「難病患者にとっての治療は空気を吸うのと同じように欠かせないこと。生きるために不可欠な治療は負担なしで受けられるようにしなければいけない。そのために力を尽くしたい」と語りました。

(2010年05月19日・しんぶん赤旗)

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