1400人の中途解雇は違法/一緒にたたかってくれた
「まるで小池さん自身がいすゞの工場で働く労働者のような追及。会社と政府に言ってほしいことを言ってくれた。感謝しています」
JMIU(全日本金属情報機器労組)いすゞ自動車支部の松本浩利委員長(47)は、同社の解雇通告の撤回を求めた小池さんの国会質問についてこう語ります。
松本さんは2005年6月にいすゞ自動車栃木工場(栃木市)で派遣社員として働き始め、06年10月に期間工となりました。
労組を結成
しかし同社は08年11月、同年12月26日付で期間・派遣社員1400人を解雇すると発表。松本さんを含め、ほとんどの人が翌年3月末までの契約途中の解雇。「やむを得ない事由」がなければ契約期間の満了まで労働者を解雇できないとする労働契約法に違反する行為でした。
松本さんは12月3日、同僚と労働組合を結成。委員長となり、直ちに宇都宮地裁に解雇予告の効力停止と賃金の仮払いを求める仮処分を申し立てました。
松本さんが「本当に励まされた」と振り返るのが、いすゞの偽装請負が発覚した06年当時から労働者の声をもとに同社の違法行為を追及してきた小池さんの活動です。
いすゞは06年10月、請負労働者1500人を直接雇用しましたが、3カ月の短期契約とし、労働者が本来受け取れる「満期慰労金」も大幅カットしていました。小池さんは同年12月の参院厚生労働委員会で「直接雇用されても短期間でほうり出され、別の会社に派遣されるしかなくなる」と批判。安定した雇用へ政府の指導を求めました。
07年2月の同委員会では、1年を超えて働く労働者に対する企業の直接雇用申し込み義務について、厚労相が「必ず長期雇用を申し込まなければならない義務がある」と述べたことを指摘し、政府の指導を再度求めました。
08年11月の解雇計画発表の際は、直ちに日本共産党の志位和夫委員長とともに同本社を訪問。多額の経常利益を見込みながらの大量中途解雇は労働契約法違反だとして、計画撤回を求めました。
同年12月2日の厚生労働委員会では、「雇用契約を破り捨てて年の暮れにほうり出すやり方が許されるか」と政府の指導を要求。舛添要一厚労相(当時)は「調査し、必要な改善策をとりたい」と答弁しました。
「うやむやな回答ですませようとする会社や政府にくってかかる質問。他党が頼りにならないなか、共産党は一緒にたたかってくれた」。松本さんは、志位委員長や小池さんの奮闘を喜びます。
新しい通達
労働者のたたかいが続くなか、厚労省は12月9日、労働基準法などに違反しない場合でも厚労省が労働契約法などを踏まえて積極的な監督や指導を行うとする新しい通達を出しました。
いすゞは同月24日、直接雇用の期間社員550人の解雇を撤回しましたが、一方で新たに希望退職を募集。宇都宮地裁はいすゞの違法行為を認定し、労働者側の訴えを全面的に認める決定を出したものの、会社側が抗告したため、松本さんらは再雇用を求めてたたかっています。
松本さんは「まじめに働く人が働き続けられる労働者派遣法にしてほしい。小池さんにはこれからも期待します」と語ります。
(2010年04月28日・しんぶん赤旗)