昨年は薬害C型肝炎のたたかいで幕を開けました。そして春には「後期高齢者医療制度廃止」の運動が全国に広がり、参議院では「廃止法案」がついに 可決されました。私も国会議員活動10年目にして初めて「答弁席」にたち、与党の「追及」を受けるという経験ができました(たいした追及もありませんでし たが)。
年末には大手企業のリストラを許さないと、次々と労働者が組合を結成。テレビでアナウンサーが「労働者が立ち上がりました」とニュースを読み始めたとき には「どこの国の話か」とびっくり。社会保障費の2200億円削減路線も「風前の灯」というところまで追いつめています。
経済ゆがめた小泉「改革」
「100年に1度の経済危機」から脱出するためにも社会保障の立て直しは重要です。これまで日本政府は、一貫して輸出大企業を応援する経済政策をとり続けてきましたが、ついに家計は温まりませんでした。
小泉「改革」をすすめた竹中平蔵氏は、日本経済をジャンボジェット機にたとえて「いまは大企業という前輪が上がった。これに続いて後輪(家計)が上がって離陸する」と語っていましたが、後輪が上がる前に前輪が着地をしてしまったのです。なぜこんなことになったのか。
正社員は非正規雇用に置き換えられ、賃金は下がり続けました。賃金が減った労働者に税や社会保障の負担増を押しつける一方で、「国際競争力の強化」の掛け声で、輸出大企業には減税がくり返しおこなわれました。
その結果、家計は冷え込んだまま、輸出依存のゆがんだ経済構造がつくりあげられたのです。そしていまアメリカの経済危機で、日本はアメリカ以上に揺さぶられています。
内部留保は230兆円も
ゆがんだ、ひ弱な日本経済の体質を改善するためにも、安定した雇用の実現とともに、社会保障を抜本的に拡充して家計を直接温め、将来不安を取り除くことがどうしても必要です。
社会保障財源というとすぐに「消費税」という議論になりがちですが、「能力に応じて負担する」原則からいっても、大企業や大資産家の社会的責任に応じた 負担を求めるのがスジです。「経営悪化」といいますが、これまでバブル期を上回る巨大な収益をあげてきました。資本金10億円以上の大企業だけで内部留保 は230兆円もあるのですから、負担能力は十分にあるはずです。
ラテンアメリカに続こう
いま中南米で左翼政権が次々に誕生していますが、その背景にも、「ワシントンコンセンサス」として押しつけられた「新自由主義政策」があります。3本柱 は「例外なき民営化」「消費税導入、増税」「労働市場の流動化」。日本とそっくりなのに驚かされますが、ならば、これに対抗するたたかいでもラテンアメリ カに続こうではありませんか!
「たたかいの年」だった2008年から、「勝利の年」の2009年に。力をあわせましょう。
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