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障害者雇用促進法改正案に対する質疑・採決、国民健康保険法改正案(無保険の子ども対策)の趣旨説明・採決、野党三党(民主党、社会民主党、国民新党)提出の雇用対策関連4法案の質疑・採決

  • 雇用促進住宅/「失業者の入居検討」/小池議員に厚労相答弁(関連記事)
2008年12月18日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 本法案は、遅れている障害者雇用の促進を図るものでありまして、賛成です。

 障害者雇用率制度、五十六人を超える企業を対象としておりますし、その中でも給付金の対象は今まで三百人以上。しかし、障害者雇用を全体として進めるためには、やはりすべての企業の実態を、これを把握しなければいけないはずなんですね。ところが、全体の調査は五年置きだと。

 最初に聞きますが、直近の平成十五年調査で、五十五人以下の企業で障害を持つ雇用者は何人で、それは全体の何%に当たるのか、お答えください。

政府参考人(岡崎淳一君)

 平成十五年の障害者雇用実態調査におきます五人以上の事業所におきます障害者数は四十九・六万人でございます。同年の六月におきます五十六人以上の企業におきます雇用障害者数、十八・一万人、これはダブルカウントを除いた実数で十八・一万人でございます。したがいまして、これから推計しますと、五十五人以下の企業におきます雇用されている障害者の数は三十一・五万人、割合としては六三・五%というふうに認識しております。

小池晃君

 要するに、全体の六割以上が五十五人以下の企業である。しかし、そこは障害者雇用率の対象にすらなっていないという実態がある。しかも、中小企業の障害者雇用率は減り続けているわけですが、その理由を簡単に御説明ください。

政府参考人(岡崎淳一君)

 中小企業等で減っている理由としては二つあるんではないかと。一つは、どちらかというと製造業等で従来障害者の雇用が進んでいたわけでございますが、中小企業に占める製造業の割合が低下してきている、こういう構造要因、産業構造の要因が一つあると。それからもう一つは、製造業だけを取ってみてもやはり実雇用率が下がっている面がございます。したがって、その相乗効果の中で中小企業におきます雇用率が減ってきているのではないかというふうに分析しております。

小池晃君

 障害者雇用計画というのは、これは大体六十四万人、平成二十五年までにと。今のお話では、平成十五年、四十九・六万人ですから、まだまだ先は長い。しかも、その中でやっぱり半分以上は中小企業であれば、そこで本当に本格的に増やさなければこの達成はできないわけでありますが、実際は減っている。

 減っている理由は、今大臣、私お聞きをしても、やっぱり全体の産業構造の大きな問題の中で減っているということがあるわけですね。中小下請いじめで町工場そのものが減っているし、そういったところで、やっぱり障害者が働く条件が厳しい経済環境の中で本当に狭まっているという中でどうするのかと。

 だから、やっぱり障害者雇用を前進させていくということであれば、抜本的な中小企業支援とか、あるいは労働条件を改善する、それから雇用、教育、福祉といったものを一体として障害者雇用を進めるという点で、権利保障という点で見直していくという総体の対策が必要で、やっぱり雇用率と納付金というだけのやり方ではこれは限界があるというふうに思うんですが、大臣の見解を。

国務大臣(舛添要一君)

 それはもう小池委員のおっしゃるとおりだと思いますし、やっぱり全体の産業の活性化がなければ、特に中小企業は非常に厳しい状況にあると思います。

 そういう意味で、一次補正予算におきましても助成制度を拡大する、そして生活対策においても、今まで障害者雇っていない企業が初めてやった場合に例えば百万円の助成をする、こういう手は打っていますけれども、やはり全体の経済活性化する、そしてゆとりが生まれる、そういうことでなければ、ただ単に納付金制度や調整金だけではいかないというのはもう全く委員の御指摘のとおりだと思います。

小池晃君

 権利条約の批准、差別禁止法の制定ということも含めて、やはりきちっとやっていく必要があると。

 そういう中で、ちょっと御紹介したいのは、中小企業同友会全国協議会という団体がありまして、創立五十周年で四万一千社が加入しているんですね。これは二年に一回、障害者問題全国交流会というのをやっていまして、この十一月で十四回目になると。

 この交流会の報告などを見ると、例えば、パートを含めて二百三名のうち四十八人が障害者という福岡の衣服リフォーム業者の社長の発言なんかがありまして、この方、自己破産したと。障害を持つ方と一緒に企業を再建をして、それがきっかけで百名障害者雇用を目指しているという、そんな発言もありまして、障害者の人が一生懸命仕事をすると、そのほかの社員も、ああ頑張らなきゃということで、全体としてやっぱりみんな頑張る雰囲気になっている。社長はこう言っているんです、そういう雰囲気の会社をつくれたことを誇りに思う、障害のある方に助けられてできた再起だったと。障害者雇用というのが会社の負担になるんじゃなくて、それが新しい可能性を開いているということなんですね。

 私、この取組などを見て、この中同協の取組なんかは非常に学ぶべきじゃないか。やっぱりこういうところでいろんな実態調査とかアンケートなんかもやっているので、是非厚労省としてこういう中小企業団体の取組、経験に学んで、率直にやっぱり要求にも耳傾けていただきたいというふうに思うんですが、それで支援も是非検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 今の本当にすばらしい例が引用なされたわけですけれども、そういう中小企業同士の交流、情報交換、情報収集、非常に大切だと思いますので、この中小企業団体を活用した形でのセミナーなどについても予算措置を今行っているところでありますので、積極的にこういう活動は支援していきたいと思っております。

小池晃君

 是非よろしくお願いします。

 それから関連して、関連してというか直接関係あるんですが、障害者の労災基準について聞きたいんです。

 ちょっと実例ですが、これは名古屋のマツヤデンキの豊川店というところに勤めていた小池勝則さんという、当時三十七歳の方です。心房細動、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症等の心臓機能障害で三級の障害者手帳を持っていた。過労死をされているんです、二〇〇〇年の十二月末に。遺族である夫人が労災認定で裁判に訴えております。御本人は就職一か月半後で、ちょうど家電製品がピークになるクリスマスの時期はもう残業がずっと続いて、体調不良で立っているのも大変だということで訴えていた中、自宅で亡くなられた。直前一か月間の残業は四十四時間三十分なんですね。これ、結果として不認定になったんですが、不認定の理由というのは、時間外労働が四十五時間を下回って、労働の質も慢性心不全を増悪させるほど過重とは言えないということなんですが、月四十五時間というのは、これは一般の脳心事故の過労死基準なんですよ。やっぱりそれを基に判断するということでいいんだろうかと。心疾患で障害を持っている、障害者手帳まで持っている人の労働と、通常の労働者の労働というのは、これはやはり同じ物差しでは測れないというふうに思うんですね。

 そこで、ちょっと厚労省に確認したいんですが、現在、労災認定について障害者に対する独自の基準というのはあるんでしょうか。特に内部障害ということで。

政府参考人(石井淳子君)

 脳・心臓疾患に係る労災認定につきまして、心臓機能障害などの障害者に着目した特別の認定基準というのは設けておりませんで、これは平成十三年十二月十二日付けで策定をいたしました脳・心臓疾患及び虚血性心疾患等の認定基準に基づき、業務上外の判断を行っておるところでございます。

 業務上と判断するのは、その業務による明らかな負荷が加わることによって血管病変等の基礎疾患が自然経過を超えて著しく増悪をし発症したと認められる場合でございまして、この判断を行うに当たりましては、その脳・心臓疾患について業務が相対的に有力な原因となって発症したか否かと、こういった観点から、労働者の有する血管病変等の基礎疾患の状況等に即して個別具体的に判断を行っているところでございます。これは障害者であるか否かを問わず、基礎疾患の状況等の個別の実情に基づいて総合的に判断をしているところでございます。

小池晃君

 しかし、今のをお聞きする限りでは個別判断で、やっぱり基準はないわけですね、独自の。厚労省の障害者の雇用対策の基本方針では、事業主に対して「障害の特性に配慮した労働時間の管理等、障害の種類及び程度に応じた健康管理の実施を図る。」というふうに一応その片方では言いながら、労災基準については、これは既往症との因果関係ということは検討するとはいうものの、平均的な労働者の基準しか基準としてはないわけです。個々に判断する。これではやっぱり安心して障害者が働くことできないと私は思うんです。

 アメリカなんかでは、例えばEEOC、雇用機会均等委員会のガイドライン、裁判例で、定期的に治療が必要なものに対しては労働時間の変更、休暇の付与が必要とされている。それから、この基準でもし実施されてなかったら事業主にかなり強力な権限を持って調整、説得をする、場合によっては自ら原告となって訴訟を起こすというふうな仕組みがあるそうです。

 大臣、私これやっぱり問題ではないかと。障害を持っている方について、やはり労災認定基準についてはこれは独自のものがないというのは、やっぱりこれは様々な障害に応じた労災の基準、考え方というのを、物差しというのをやっぱり示していくべきではないかなというふうに思うんですが、今後の検討課題として是非これはやっていただきたいと思うんですが、大臣いかがでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 これは、労災だけではなくて、障害者権利条約にあるようなどこまでの合理的配意かというそれがまずあって、それに瑕疵があれば、じゃ労災というふうなつながり方になると思うんで、今これ、先ほど申し上げましたように検討を進めておりまして、合理的配意を超える場合は国がやるというようなフランスのような制度も考えられると思いますので、今後の検討課題としたいと思います。

小池晃君

 この合理的配慮を検討する厚労省の検討会の資料の中にこのアメリカの例とかいろいろと出されているわけだから、検討されているわけだから、やっぱり是非そういったことをしっかり検討していただきたいというふうに思います。

 それから、関連して、障害者自立支援法の問題についてお聞きをしたい。

 これは、十六日付けで社会保障審議会障害者部会の報告書出ました。大臣、私、我が党八月にアンケートやりまして、実態としてやっぱり、自治体と事業者に聞いたんですけれども、非常に深刻だという声が依然として出ていますよ。大臣、御覧いただいたと思うんで、是非やっぱり、現状をどう見ておられるか。あのアンケート調査も見て、障害者自立支援法が現在も障害者に与え続けている、やっぱり深刻な影響あると思うんですが、調査結果を見て大臣の受け止めを是非お聞かせいただきたい。

国務大臣(舛添要一君)

 共産党の皆さんがああいうきちんとした調査をおやりになったというのは敬意を表しますとともに、いただきましたアンケート結果も拝見させていただきした。やはりいろいろ事業者の方も利用者の方も困難な状況にあるというのが見て取れますが、そういう中で様々な対策を取っておりまして、利用者負担を大幅に軽減する、それから事業者にはこれは経営安定化のための策を講じるということで今努力をしているところでありますし、今引用なさいました十六日のこの社会保障審議会の障害者部会の報告書もまとまりましたので、こういうことも踏まえまして来年四月の報酬改定、こういうことに反映させるように全力を挙げたいと思っております。

小池晃君

 しかし、いろんな負担軽減やったと言うけれども、その結果でああいう声が出てきているわけですよね。やっぱりそこはしっかり受け止めていただきたい。

 ところが、引き続き深刻なのに部会の報告書にはこういうふうに書いてあるんですよ。費用を分かち合うという趣旨を踏まえて、軽減措置が講じられていることにより、既に実質的に障害者の負担能力に応じて負担する仕組みになっており、このことについて国民に明確になるようにしていくことが必要と考えられるというふうに報告書に書いてあるんですね。これは私、とんでもないんじゃないかなと。要するに、負担軽減やっていろいろと手やったんだけれども、それが知られていないのが問題だというそういう書き方で、理解しない障害者や国民が悪いんだと言わんばかりじゃないですか、この書きぶりは。私、大臣ね、これは、応益負担制度これだけやっていますと言うけれども、まだこれだけ声が上がっているときに、こんな形で国民が分かっていないんだというようなことを書くというのは、私は、障害者の声をこれちゃんと聞いてやっているのかと、この報告書の書きぶりには大変憤りを持っているんですが、大臣いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 文章の問題は、今委員が御指摘のような意見もあると思いましたけれども、例えば通所サービス、これ一万五千円というのを千五百まで上限を下げているんで、そういうことはきちんと知らせなさいということだろうと思いますし、そもそもがこの自立支援ということの考え方は、きちんとやっぱり能力に応じて負担できる限りはするんだよと、それが自立への道だということがあるんで、そういう理想の中で、しかし現場で困っているときには細かい気配りをする、そして手を打つということだと思いますので、報告書よりも実質的にそういう政策をやっていきたいというふうに思っております。

小池晃君

 自立をやっぱり求めているんじゃなくて、自己責任を押し付けているんですよ。だからみんな怒っているんですよ。

 この部会の報告書には、この間負担軽減やったから相当程度応能的な性格なものに変わってきているんだというふうに厚生労働省は説明したと書いてある。ここまで言うんだったら、応能的なものに変わったと言うんだったらもう応益負担やめるべきじゃないですか。そして、いったん元の応能制度に戻して、そして憲法や障害者権利条約に基づく制度としてもう根本的に見直していくと。自民党の部会だって応益負担やめるという報告書を出したと聞いている。大臣ね、やっぱりそういう根本的なやっぱり応益負担やめるという見直しをやるべきだと思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 自民党の部会の報告は報道ベースでしか知りませんので、現物見ていないので分かりません。しかしながら、今言ったような御意見も配慮しながら、今後どうするか具体的に検討を進めたいと思います。

小池晃君

 抜本的、根本的な見直しをやっていただかないと、今の障害者の、この間、日比谷のあの公園には六千五百人、本当に毎年毎年、もう数千人という単位で怒りが広がっているんですよ。最初は、私たち抜きに私たちのことを決めないでというスローガンだった。今年のスローガンは、もうやめようよ、自立支援法。私は、やっぱり自立支援法を廃止して、やっぱり根本的に制度を見直すべきだと、そういう議論を進めるべきだということを改めて主張いたします。

 以上で質問を終わります。

【以下・野党三党提出の雇用対策関連4法案に対する質疑】

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今、国会に求められているのは、本当に仕事を奪われ、明日から住む場所がない、そういう人たちの今の不安、実態にどうこたえるかと。そのために、やっぱり立場の違いを超えて、政府はもちろんですが、与野党ともに知恵を出し合って合意したところを実現していくと、実らせていくということが今求められている、それが国会の、私、責任だと思います。そういう立場で質問をしたいと。

 まず、雇用保険法の改定について聞きますが、これ昨年法改定されたわけです。これ一般の離職者は加入期間が六か月から一年となって、短期雇用の非正規労働者がセーフティーネットから外されて大変苦しんでいる。私どもはこの法改悪に国会では反対をいたしました。十二月九日に決定された政府の新たな雇用対策では、これ非正規労働者のうち一年未満で期間満了で雇い止めになった人を暫定的に特定受給者として扱うと。これはやっぱりあの改悪が失敗だったと、セーフティーネットとしての役割が果たせなくなったということをまさに証明することに私はなると思うんです。ところが、政府の案では被保険者全員を加入期間六月から受給対象とはしていないわけですね。

 そこで、法案提出者にお伺いをしたいんですが、今回提出された雇用保険法の改正案では、失業給付の受給資格を被保険者期間六月以上の者すべて対象にして、雇い止めによる離職も非自発ということが盛り込まれております。これは政府が示した対策に比べて私は対象が広がるというふうに思うんですが、このことによって生じる法的な効果、どのようなことを期待されているのか、お答えいただきたいと思います。

津田弥太郎君

 お答えを申し上げたいというふうに思います。

 アメリカの金融危機に端を発する景気後退により、我が国の雇用失業情勢は急速に悪化しているわけであります。そうした中で、セーフティーネットとして第一に役割を担うべきものは言うまでもなく雇用保険制度であります。

 今回提出をさせていただいた法案は、制度の抜本改革を提起しているものでありまして、小池委員御指摘のように、政府が示した新たな雇用政策に比べ対象となる労働者の範囲が大きく広がっております。特に本法案では三十一日以上の雇用期間があるすべての労働者に雇用保険を適用することとしておりまして、これによってこれまで雇用のセーフティーネットから外されてきた非正規労働者を中心とした人たちをすっぽりと雇用の安心網で覆うことが可能になるわけでございます。

 もう一点どうしても申し上げたいことがございます。それは、今回の法案には失業等給付に関する国庫負担の暫定措置の廃止が盛り込まれたことであります。昨年の通常国会の雇用保険法の改正で、四月十日の本委員会で民主党を代表して反対討論を行ったのが私、共産党を代表して反対討論をしたのが小池委員でございました。

 政府・与党内ではしばしば国庫負担の廃止というような暴論が起こるわけでありますが、雇用保険の果たす役割が一層重要になる中で国の雇用に対する責任を重くするのが私ども提出者の立場であります。

小池晃君

 分かりました。

 雇用保険法には全国延長給付という制度もありまして、これは厚生労働大臣が政令で定める基準に該当すれば最大九十日を上限に給付期間延長できるというものもあります。これは今基準が非常に厳しいのでなかなか当てはめられないんですね。私は、こういうことも法改正しなくてもできるわけだから、是非政府の決断でこれ今すぐにでもやるべきだということは、これは主張として申し上げておきたい。

 それから、先ほども住居のことが問題になりましたが、雇用促進住宅への入居の促進なんですが、これは緊急対策として重要だと。先日の委員会での質問に対して大臣は、入居可能戸数が一万三千戸あるというふうに報告されました。先ほどからやっているんだというふうに御報告があったんですが、これ雇用促進住宅全部じゃないわけですね。廃止決定されていないものだけです。

 お聞きしたいのは、局長、廃止決定がされている戸数は何戸で、そのうち空き室は現在何戸ですか。数字だけ簡単に。

政府参考人(太田俊明君)

 平成二十年十月末現時点におきまして、廃止決定した雇用促進住宅の空き戸数につきましては三万一千三百二十六戸でございます。

小池晃君

 六万七千戸のうち三万戸残っているわけですよ。

 大分キヤノンの派遣切りが問題になっていますけれども、例えば大分県では廃止決定されていない空き室は現在何戸で、廃止決定された空き室は何戸ありますか。

政府参考人(太田俊明君)

 お答え申し上げます。

 同じく十月末時点でございますけれども、まず、廃止決定していない雇用促進住宅の空き戸数が十九戸でございます。廃止決定した雇用促進住宅の空き戸数が二百十五戸というふうに聞いているところでございます。

小池晃君

 十九戸すべて現時点で埋まっているというふうに私、厚生労働省から聞いております。

 やっぱり、今回の入居というのは臨時的なものなんですから、私はそもそもこの廃止に反対です。しかし、大臣、これだけ廃止決定した雇用促進住宅あるわけだから、そこを対象にしないというのは私はおかしいと思うんですよ。ここはやっぱりきちっと廃止の方針決めたとしても、まさに未曾有の事態なわけだから、これは活用しない手はないだろうと。しかも、いろいろと実態をお聞きすると、廃止決定をした方の方がむしろ、これ売却のことも考えたんでしょう、便利がいい、場所もいいところが多いそうです。

 だから、やっぱりここはしっかり活用するということも私は、一万三千戸に加えて三万戸ですから四万四千戸になるわけで、大臣ここはひとつ決断をして、雇用促進住宅全部対象にすべきじゃないですか、どうでしょう。

国務大臣(舛添要一君)

 先ほど、自民党の塩崎、茂木、世耕議員ら、速やかな政策実現を求める有志議員の会が同様の要望を持ってまいりました。私は、この件につきまして現場をも見てまいりましたので、行革推進の大きな閣議決定があって、今それを法律的にどうクリアするかということで、今委員がおっしゃったこと、それから自民党の有志議員の申入れ、このことも含めて検討を進めております。

 とともに、既に先に全閣僚に対して、それぞれの閣僚の傘下にある公的な住宅、空いているものは放出しろと、それから総務大臣に二度にわたり、町営住宅、村営住宅、市営住宅、総務省、つまり自治体管轄下の住宅について同様の措置をとれということを指示をし要求をしております。また、先ほど財務大臣に対しても、公務員住宅について同様の措置をとってくれということをやっておりますので、全力を挙げて、この年末年始おうちがないという人がないように努力をしてまいりたいと思います。

小池晃君

 それは是非やるべきだと、やっていただきたいと。

 それから、就職安定資金貸付け、十五日からこれも始まったんです。しかし、これ、私、問題だと思うのは返済方法なんですよ。これ実は六か月後の時点で雇用保険の被保険者になっておれば敷金を除く入居初期費用を全額返す、全額免除する、生活・就職活動費の五割免除すると。つまり、六か月以内に安定した仕事に就ければ免除がされる、仕事に就けなければ返さなきゃいけない、しかも利子が付く。

 あのね、これ仕事就けない方が大変なわけですよ。しかも、今の経済・雇用情勢の中で六か月以内で雇用保険の被保険者となれるような仕事に就けるかというと、私はそういう実態では今ないんじゃないかと。いろんなことやっていらっしゃるというのは、それは私も理解している部分あるんですが、こういうところはやっぱり見直さないと、実態に即して本当に問題じゃないかと思うんですが、大臣、ここはやっぱり見直す必要があるんじゃないですか。

委員長(岩本司君)

 局長でよろしいですか。太田局長。

政府参考人(太田俊明君)

 今お話しの制度でございますけれども、貸付け後六か月後に就職した場合に一部返済免除ということでございますけれども、これは、対象者の大半を占めると考えられます例えば派遣労働者の方々、保険の所定給付日数が九十日間である場合が多いと、今回それを延長というのはまた検討したわけでございますけれども、そういうことを踏まえて、今お話のございました現下の雇用失業情勢における再就職の困難度も勘案して六か月ということで設定をさせていただいたものでございます。

小池晃君

 大臣、大臣。

国務大臣(舛添要一君)

 片一方では、再就職のインセンティブをどうして与えるかということもあります。そういうことも勘案して、現状をよく見ながら検討したいと思っていますけれども、いわゆる六か月ごとに循環的に職を変えるという人とかいろんな様々な問題がありますので、今の委員の御意見も配慮しながら、できるだけ様々な手を打ちたいと思います。

小池晃君

 再就職のインセンティブって、要するに借金でそれを追い立てるというやり方でしょう。これは間違いですよ。だって、就職したくたってできない実態あるわけだから、やっぱりそこはしっかり考慮した対応が必要だと思います。

 それから、内定取消しの問題で様々な議論がありますが、提出者にお伺いします。ちょっと端的にお願いしたいんですが、この内定取消しを規制する改正案については、これは解約権の濫用禁止の明文化とともに取消し理由の文書による明示義務が入っているわけで、私は、こうした法文化というのは現在の事態に少なからぬ影響、効果があると思うんですが、その点についてどうお考えか、端的にお答えください。

委員以外の議員(吉川沙織君)

 端的にお答えさせていただくよう努力いたします。

  〔委員長退席、理事家西悟君着席〕

 先ほどから、十六条の中で解雇の条項は含まれているからそれでいいという、そういうお話ございましたけれども、十年前、千七十七人の内定取消しが出て、それと決定的な違いがございます。当時は、経営破綻による内定取消しが八五%で、悪化、経営悪化による内定取消しは一五%、これは平成十年の三月十三日の労働委員会で、これ政府参考人の答弁がございます。現在は厚生労働省の統計で三百三十一人ですが、三百三十一人中二百十二人もが企業の経営悪化による、どちらかといえば、経営破綻そのものではなく経営悪化によって内定を取り消されている。それはつまり十六条が余り分かられていないこと。

 ですから、内定取消しを別に取り出して法文化する意味は、もし内定取消しになってしまえば三つしか選択肢がありません。留年をするか、先ほど亀井議員もお答えになられましたが、留年をするか、若しくは非正規として社会に出るか、それぐらいしかありません。そして、残された期間で就職先を見付ければいいじゃないか、そういうお話もありましたけれども、実際、今の時期にまとまった求人はないという、そういう意見を表明している大学の就職進路センターもたくさんあります。

 ですから、その効果というのは抑止力、余り広く知られていないという意味で抑止力にもなること、そして取消し事由の明示義務は、内定取消し事由をあらかじめ労働者に明示させることにより、一定の事由がある場合には内定が取り消されることがあり得ることを知らせるためのものです。一定の事由がある場合には内定が取り消されることがあり得ることを知らせるためのものではなく、そのような事由に該当したからといって当然に内定取消しが法的に有効となるような趣旨のものではありません。

 以上でございます。

小池晃君

 今日、議論をしてきたんですが、今回の法案の中身に、先ほどから意見も出ていますけれども、政府の政策と重なり合う部分も少なくないというふうに私思うし、同時に、政府の対策は万全だ、万全だと言うけど、そんなことはなくて、まだまだ改善の余地はたくさん私はあるというふうに思うんですよ。そこは率直にやっぱり政府も受け止めていただきたいと。河村官房長官も、この野党の法案の提出に対して、野党案の良いところは取り入れてやっていくというふうにおっしゃったんですね。

 舛添大臣、私ね、大臣に政治家としてお伺いしたいのは、やっぱり今、合意形成の努力こそ必要なんじゃないか。もう政府やっているんだから聞く耳持たないというんじゃなくて、やっぱり、野党の提案でも良いところはしっかり取り入れて、より良いものにしていくということが今、国会では求められているというふうに思うんですが、大臣の見解どうですか。

国務大臣(舛添要一君)

 常に私がやってきたことはそういうことでございまして、共産党さんの御提案も相当入れまして、先般小池委員より褒められたこともございますので、そういうきちんとした合意形成の努力はしたいと思います。

  〔理事家西悟君退席、委員長着席〕

小池晃君

 この合意形成のやり方について提案者にもお聞きしたいんです。

 私は、今まさにねじれ国会という中で、本当に政治の知恵が求められているというふうに思いますし、今やっぱり国民が期待しているのは、この国会の場で単なる議論で終わらせるんじゃなくて、きちっと合意を形成して、そして政策を実現するということだというふうに思うんです。そのことを本当に国民は期待しているというふうに思うんですが、提案者として、その国民の期待、今国民がこの国会に対して求めていることについて、どうお考えか、お答えいただきたい。

委員以外の議員(福山哲郎君)

 小池委員のおっしゃるとおりだと思います。

 是非、合意形成の努力をしていただいて、この法案に御賛同をいただきたいというふうに思いますし、先ほどから、先ほどから議論がありますように、いろんな課題を持っています。政府の今の取組について、先ほど国会で御紹介があったことについても、私は実は大変評価をしています。それはそれでいいことではないですか。そして、与党側もおっしゃっているように、政府のやられていることとこの法案の中身は重複することが多いと。それならば、逆に言うと、今の政府のやっている施策を加速するような形でこの法案を御賛同いただくことも私は問題はないと思いますし、もっと申し上げれば、我々は今回、政府と根本的に違うのは、派遣労働者の方も短期間の労働者の方も、とにかく雇用保険の被保険者として雇用調整助成金の対象にしたいという思いがあります。それは、失業をまず予防をすることが重要です。失業して、切られてからでは遅いです。

 先ほどから法案提出を準備をしていると与党側がおっしゃいますが、この法案提出を待てば、間違いなくその法案提出は三月以降になります。現実の問題として法案に、(発言する者あり)だって閣法で提出をするんでしょう。閣法で……

小池晃君

 ちょっと、僕が質問しているんだから。

委員以外の議員(福山哲郎君)

 閣法で、あ、ごめんなさい。

 閣法で提出をするとなれば、三月以降の提出で成立はまだいつか分かりません。現実の問題として年末から来年度の決算に向けて非常に雇用が悪化する中で緊急的に対応したいというふうに思いますので、小池先生御指摘のとおり、是非合意形成に向けて与野党共に御努力をいただき、御賛同いただきたいというふうに思っているところでございます。

小池晃君

 議論の進め方について、やっぱり国会最終盤なわけですよ、今。緊急を要するというのは私はあると思うんです。それはもう確かなことだと。しかし、やっぱり実現しなきゃいけないわけですよ。知恵出し合わなきゃいけないんです。(発言する者あり)そうだ、そうだって与党から言われるのもね。だって、私、さっきの質問、議論聞いていても、政府はこういうふうにやっているということは言うけれども、問題点あげつらうだけで、やっぱり質問をしてお互いどこが問題なのか引き出すという議論になっていないじゃないですか。私、これじゃ駄目だと思うんですよ。こんな議論でいいんだろうかと。

 民主党にも私言いたいのは、やっぱり今日このまま採決するということを決めて突っ込むというのは私、間違いですよ、これ。やっぱり、(発言する者あり)いや、ちょっと拍手やめてください。本当にやっぱり合意をつくらなきゃいけないじゃないですか。だって、本当にあした、あしたから仕事を失うという労働者から見たら、国会何やっているのかということになりますよ、こういうことやっていたら。私は、私は是非ちょっと考えていただきたいと。

 こういう形でやっぱり、だって先ほどから議論していたってそんなに、全く違う正反対の話しているわけじゃないでしょう。いろんなすり合わせできるような話じゃないですか。そういうときにこんな形でぶつかり合って採決強行するなんてことをやったら、私は本当に国会の信頼を失うことになっちゃうと思うんです。

 私、委員長に申し上げたいんですけれども、是非これで、質問終わったところで採決というふうに先ほど仕切ってやられたけれども、それはやめていただいて、やっぱり質疑が終わったところでもう一回理事懇談会開いていただいて、今日の議論も踏まえてやっぱり議論、やっぱりやりましょうよ。合意形成しましょうよ。国会がやっぱり責任を果たすということを私はやるべきだと思いますが、委員長、いかがですか。

委員長(岩本司君)

 質問をお続けください。

小池晃君

 いや、委員長、是非やっぱり、ここでやっぱりいったんやめていただいて理事懇をやっていただきたいということのお願いなんです。お答えいただきたい。

委員長(岩本司君)

 この件に関してはお答えできません。

小池晃君

 私は、本当、こういうやり方はいけない。

 ある新聞の社説で、今日出ているんですが、百年に一度という危機感が本当にあるなら、雇用や中小企業対策で与野党協議を進めて一致点を探り、スピード審議の上、具体化できることもあるはずだ、与野党は一日でも早く一つでも多く対策を具体化すべきだと。与党も、そうだと言うんだったら、もっとまじめな議論をしてやっぱり一致点探る努力を私はしていただきたいというふうに思うんですよ。

 是非やっぱりこういった形で質疑終局の段階で採決を強行するということはやめていただいて、きちっとそこで理事会をもう一回開いていただいて協議をしていただきたいということを私、重ねて委員長に要請します。

 多数を占める民主党の皆さんにも是非それ考えていただきたいということを、(発言する者あり)ここでもう一回改めて申し上げたいというふうに思いますので、以上で……

委員長(岩本司君)

 あの、委員外の方はちょっと退席いただいていいですか。特に、あの、やじがさっきから飛ばされてちょっと会議になりませんので。(発言する者あり)何だよじゃないですよ。ちょっと出ていってもらっていいですか。退席していただいていいですか。委員会の邪魔しないでください、後ろから。

 小池君、どうぞ。

小池晃君

 もう改めて質問いたしませんが、やはり是非合意形成するという努力を最後まで国会は尽くしたと、本当にあしたから、あしたから家がないという労働者は、国会は頑張って対策を考えてくれているということを示すことは、やっぱり私は国会の責任として、これは党派を超えて与党の皆さんにも訴えたいし、野党の皆さんにも訴えたいということで、終わります。

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