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170臨時国会 参議院予算委員会 2008年度補正予算案に対する総括質疑

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  • 後期医療 廃止しかない/止めよ“うば捨てバス”/「保険料減」に根拠なし/小池議員が追及 参院予算委(関連記事)
2008年10月15日(水)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 本日、四回目の天引きが行われました後期高齢者医療制度についてお伺いします。

 最初に、この制度に対する不服審査請求ですが、今まで何件になっているでしょう。

国務大臣(舛添要一君)

 これ、不服がある場合には後期高齢者医療審査会に審査請求をすることになっております。

 お尋ねの件数は、九月五日現在、全国で八千四十件でございますが、団体で取りまとめて提出されている例が多いと聞いております。

小池晃君

 これは単なる怒りではなくて、総理、これは行動に起こされている方がこれだけいるというのは、私は大変なことだと思うんです。総理はこうした声をどのように受け止めていらっしゃいますか。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 極めて深刻な問題になっているんだと思いますんで、この問題につきましては、いろいろな対策、対応というんで、七十五歳とかいろんな話を厚生大臣のところでいろいろやっておられるんだと理解をしておりますし、これは、いわゆる怒りとかいう話とか、いろんな表現がありますけれども、極めて納得されておられないんだという具合に理解しております。

小池晃君

 まさに納得していないんだと思うんですね、多くの方は。

 そういう中で、舛添大臣が七日の高齢者医療制度に関する検討会に提出された資料がこれであります。(資料提示)これは大臣が作ったものですね。作ったものだと。

 これ、よく見ていただきたい。これ、七十五歳以上専用バスに乗せられた高齢者の皆さんが何と言っているか。行き先はうば捨て山かな、早く死ねというのかと。残されたバスに乗っているお孫さんたちは、おじいちゃんはどこ、おばあちゃんはどこ、こういう声を上げている。これ、大臣が作られたんでしょう。まさにうば捨て山行きのバスだというふうに認めているわけですよ。これ、本当にはっきりこの制度の本質が私、分かりやすく出ていると思うんですね。

 私、こういうものを作りながら、総理、担当大臣がこういう制度だと言っているんですよ。こんなうば捨て山行きのバスをこのまま走らせていいんですか。私は、こんな思いを高齢者の皆さんにさせるようなバスは一日だって走らせちゃいけない、直ちに止めるべきだと、そう思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 私は、自公の合意で、自公両党の合意で高齢者の心情に配慮してより良きものに見直すということがあって、じゃ、私は全国の高齢者に、担当大臣ですから、一生懸命やってこんなに、下に四つぐらいありますね、これは国保のバスだと破綻する、したがって一つの案として後期高齢者というのをつくりました。分かりやすく言えばそうなんですけれども、御不満が何かありますかって言ったら、今のような声が聞こえてきたから、それを率直に書いて、そして違う制度、ある意味で今言ったような不満にこたえるような制度をつくるということですから、私は国民に対する説明としては決して間違ったものではないと思っております。

小池晃君

 この絵は分かりやすいけれども、今の説明は分かりにくいですよ。これだけ問題点がはっきり認めているのであれば、私はこのバスは直ちに停車をさせる。それをこれから先何年も走らせるというのは私間違っていると思う。

 総理、これ私、この説明というのはかなり本質的な説明になっていると思いますよ。こういうバスを走らせていいのかという怒りが今広がっているんですよ。どうですか。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 国民の不満を厚生労働大臣として率直に拾い上げられたものを正直にそこに書かれたんだと、私はそれなりに、それを率直に書いた勇気は認めると思っております。

 この問題につきましては、良い面もあります、確かに。しかし、年金の天引きなど、高齢者の心情にそぐわないという点もあったことは事実だと思います。しかし、今直ちにやめればいいというお話もありますが、それで問題の多い従来のものに戻ってしまうというのはいかがなものかと思っております。したがって、廃止するのではなくて、高齢者に納得していただけるように改めるということが必要であると考えておりまして、何年もと申し上げているわけではない、一年をめどに幅広い検討を進めてまいりたいというように理解をいたしております。

小池晃君

 良い点も多いと言うけど、良い点一つも書いてないじゃないですか、この説明には。私、こんなものを本当に一日も走らせてはいけないと思いますよ。

 それから、良い点があるということで、今おっしゃらなかったけれども、いろいろ説明しているのは七割が保険料減ったという話です。

 舛添大臣、この七割という数字には、まさに今日から保険料を新たに取られる二百万人の扶養家族、それから三十五万人の健保本人、入ってませんね、確認します。

国務大臣(舛添要一君)

 午前中にたしか福山委員の御質問にお答えしたと思いますけれども、それは入っておりません。

 そして、これは世帯数、それで比較できるものを比較しないといけないですから、国保とこれを比較したということですから、被用者、二百万人というのはこの中には入ってございません。

小池晃君

 それから、七割という数字も、これ実態調査から出たものじゃないわけですよ。モデルを作って、十二パターンの厚労省にとって都合のいいモデルを当てはめただけなんですね。普通こういうことをやるときは、無作為でサンプル抽出をして実態調査やるのが普通だと思います。サンプル調査やったんですか。

国務大臣(舛添要一君)

 年金額でいうと、七十九万円、二百一万円、四百万円の三つのケースについて調査をしており、それを所得分布を推計として使っておおむねの傾向を出したと、そういうことでございますから、そういう意味でのサンプル調査ということであります。

  〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕

小池晃君

 違います。それ、サンプル調査って言わないんです。それ、モデル調査って言うんです。サンプル調査っていうのは無作為に抽出して実態調査をやる、比較をする。

 やったんですか、やっていないんですか、答えてください。

国務大臣(舛添要一君)

 モデル世帯を今申し上げたように取ってやりましたから、今委員がおっしゃるようなサンプル調査ということではございません。

小池晃君

 そういうことやっていないわけですよ。

 総理は、衆議院の予算委員会でも、今の案で約七割から七五%の方々は今までの掛金より安くなっていると。今の答弁でそれは事実と違うということは認められますね。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 基本的に、今、舛添大臣の方から申し上げたように、七割の世帯の方々が安くなった。これ、比較する対象を今、舛添大臣の話聞いておられたと思いますんで、そういった前提からいったら七割の世帯が安くなったということを否定するものではないと思いますが。

小池晃君

 何でですか。だって、国保だけなんですよ、それは。健保は一切入っていないんですよ。七割じゃないじゃないですか。どうですか。

国務大臣(舛添要一君)

 市町村国保と今比較をしてきているわけですから、今、県単位では広域連合が後期高齢者、長寿医療についてはやっております。

 したがって、今委員がおっしゃったようなサンプル調査をやるというのは市町村、広域連合に対して大変なコストと負担になります。したがって、どういう形で一般的な傾向が出るかということをモデルを取ってやったところでございまして、大体の大きな方向としては間違っていないというふうに思っていますから、七割世帯でそういう意味では減少していると。

 そして、何度も申し上げますけれども、被扶養家族なんかについては元々払っていなかったわけでしょう、息子の被扶養者になっていたわけですから。それを今まで自分で国保を払っていて、今度後期高齢者になって幾らという、そういう比較とは単純に比較できませんよということを申し上げているんで、大体の傾向を知ることについては私は間違いないと思っております。

  〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕

小池晃君

 全くゼロだった人が入っていない調査なんですよ、七割というのは。だから、七割という数字はもう崩れているんです。こういうものははっきり認めた方がいい。

 足下の数字だけじゃない。保険料これから自動的に上がっていくわけですね。後期高齢者の比率に応じて、今一〇%ですが、これ若年層の人口減少率に応じて二年ごとに上がっていく。それに一人当たりの医療給付費が上乗せされていく。

 厚労省は今後の保険料の推計やったんですか。

国務大臣(舛添要一君)

 保険料の見通しですけれども、十八年の改正時の試算、試みの算出では、平成二十七年度には医療給付費を賄うために必要な分として加入者一人当たり年額約八万五千円と推計しておりました。この推計におきましては、保険料の伸びに大きな影響を及ぼす一人当たり医療費の伸び率を、平成七年から十一年度の実績を基に高齢者で三・二%、若人で二・一%と設定している。でありますけれども、これは近年、例えば高齢者の伸びについて言うと若干低くなっていると、これは今七年から十一年の実績ですから、近年はまた変わってきています。

 今後の見通しにつきましては、この平成二十年度の新しい制度の下での実績、それから今後の見直しの内容、さらにその他の要素を踏まえる必要がありますんで、今後引き続きこれは検討してまいりたいというふうに思っております。

小池晃君

 こういう大事な数字、これから保険料がどうなっていくのか、これ調べていないわけですよ。今、足下で上がったのか下がったのかの実態調査もやっていないわけですよ。私、本当に無責任だと思うんです。

 政府が示さないから、こちらで計算してみました。(資料提示)これは、人口の将来推計と厚労省の示している医療給付費の伸びを基に計算していくと、今後こんなふうに保険料がどんどんどんどん上がっていく仕組みなんですね。厚労省の担当官も、医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにしたと公言している。

 これからどんどん保険料は上がっていく仕組みじゃないですか。そもそもそういう仕組みをつくっておきながら、新制度では保険料が下がりますとか、これをやめたら上がりますというのは、私、どう考えたって無責任な説明だと思いますが、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 そういう医療費とか保険料というのは、自動的に算術の計算ですっと上がったり下がったりするものではなくて、例えば国民がしっかりと自分の健康について治療よりも予防という観点でしっかりやってもらう、それから様々な無駄を省いていく、そういうことによって変わっていくのであって、それから、例えば今、生活習慣病なんかありますよ。そういう中で、特効薬が発明されるというようなことがあればそれはまた変わってくる可能性はある。

 ですから、そういうことを考えながらやっていて、最初からこれだけ高くなるからどうってことではない。しかし、今の現状を考えると、これだけ医療水準が上がりました。それは医療費も医療機器も非常に高くなっていますよ。そういう面もあります。

 しかし、これから例えば生活習慣病の予防を含めて、みんなでこれは努力して抑えていこうという方向にあるわけですから、医療費、ただ単なる推計を今からやるよりも、私はそういうきちんとした政策の中でやっていく。あくまで一つの目安にしかすぎないんで、私は、委員が御心配のように、医療費が上がるんだから、ただ抑制すればいいという、そういう観点から医療政策をやっているつもりではございません。

小池晃君

 いろいろと言うけれども、結局保険料上がっていくということは否定できないわけですよ。だから、これが何か下がる仕組みであるかのようなそういう宣伝は私はやめるべきだと申し上げている。

 それから、怒りの火に油を注いだのが年金からの天引きです。今日新たに天引き対象を拡大しましたが、どういう方々が対象になるのか説明してください。

国務大臣(舛添要一君)

 この十月十五日から、後期高齢者、いわゆる長寿医療制度につきましては六百六十九万人の方からいわゆる天引き特別徴収が行われるところでございます。このうち、大体十月から特別徴収の対象となるのは約三百万人前後と見ております。

 次に、国民健康保険につきましては、八月には約五十二万人の方から特別徴収が行われましたが、十月には約百八十八万人の方から特別徴収が行われます。したがって、新たに特別徴収の対象となる方は、ごく粗い推計で約百三十万人程度ではないかと見込まれております。

 先ほどちょっと六百六十九万人のところに前提の数字を申し上げませんでしたので、そこを繰り返させていただきますと、後期高齢者の医療制度につきましては、八月に約八百十万人の方から特別徴収が行われて、十月には六百六十九万人ということでございます。

 したがいまして、三百万人と百三十万人で、本日からの天引きが四百三十万人という形になります。

小池晃君

 これ一か月前には六百二十五万人と答弁したんですね。天引きは心情にそぐわないとか言いながら、まともに調べもしないで、批判が高まると慌てて数字変わる。二か月に一度の年金で、今日引き出して、ああ減っている、これからどうやって暮らしていくかって本当に皆さん怒りを感じていらっしゃるんですよ。私、こういうやり方、本当に怒りも痛みも分かっていないというふうに思います。

 しかも、来年十月からは住民税まで天引きですよね。これ対象者何人ですか。何でこんなことするんですか。

国務大臣(鳩山邦夫君)

 これは所得税では既にやっていることでございますし、これは徴収の、納税の手間を省くというのが最大の意味でございまして、大体六十五歳以上の方が、年金受給者が二千七百五十万人おられまして、そのうち年金収入について課税されている方、すなわち住民税でいいますと、均等割の非課税限度額が夫婦で二百十一・〇万、それから所得割の方は二百二十二万と、こうなっておりますけれども、そういう方が推計で六百五十五万。二千七百五十万人分の六百五十五万というと、二三・八%、二割強というところでございます。

小池晃君

 この天引きも衆議院の三分の二の再議決で強行したものなんですね。

 総理、役所の手間だけの話ですよ。心情にそぐわないというふうに総理は衆議院本会議でこの年金天引き、おっしゃいました。

 来年四月には介護保険料も引き上げられる。これだけ物価が上がっているのに、来年は年金の物価スライドも行われない可能性が強い。そして、十月には住民税まで天引きです。これ、まさに高齢者の心情を逆なですることになるんじゃないか。制度を見直す見直すと言いながら、私は、見直すと言うのであれば拡大することをやめるって当然だと思うんですよ。それが、見直すと言いながら、一方で決めたからといってどんどんどんどん進めていく。言っていることとやっていることが違うじゃないですか。

 私は、見直すと言うのであれば、直ちにこの天引きの拡大はストップする、政治の責任でやるべきだと。どうですか。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 今の個人住民税の方の鳩山大臣の答弁の話ですけれども、これはいわゆる御存じのように対象者が課税されている者ということになっておりますんで、約二三%という話、二千二百五十万のうちの約二三%というお話があっておりましたが、これは既に所得税につきましては源泉徴収になっておりますのはもう御存じのとおりですので、既に実施されていることなどを考えますと、これは都道府県や市町村で主体となってこれは丁寧に説明することによって理解を得られるのではないかなと、そちらの方はちょっとそう思っております。

小池晃君

 ちゃんと答えてくださいよ。

 見直すと言いながら、後期高齢者だって天引きを拡大すると。こういうやり方が許されるのかと、私は総理に聞いているんです。見直すとおっしゃったのは総理ですから、総理、答えてください。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 天引きにつきましては、申出によって既に口座の振替などによる納付ができるようにしたというように私自身は理解をいたしております。

 したがいまして、天引きというのを既に強制するというようなイメージから随分変わってきておるのではないかということだと理解をしておりますが。

小池晃君

 何か天引きやめたかのように言うけれども、今日の厚労省の発表では十九万人でしょう。これ、わずか二、三%ですよ。もうハードル設けて天引きやめられない仕組みになっているんです。そういうことを分かっていない。

 見直す見直すと言いながら、拡大していくというのは、私、余りに無責任だと。

 それから、先ほど医療費をどんどん削減していくつもりがないというふうに舛添大臣おっしゃったが、九月八日に医療費適正化計画が公表されました。この概要を簡単に、それに基づく医療費、どれだけ削減するのか、説明してください。

国務大臣(舛添要一君)

 先ほど既に申し上げましたように、国民皆保険を維持するために、まず生活習慣病の予防、それから医療提供体制の効率化と、こういうことで五年を一期とする医療費適正化計画を国と各都道府県で定めました。

 これ、医療費の見通しをすべての都道府県じゃなくて四十二道府県が出しておりますので、出してないところもありますが、それを合計しますと平成二十四年度に三十二・六兆円となるところでありますが、様々な取組がなされた場合に三十一・九兆円になる。つまり、医療適正化の効果が〇・七兆円、つまり七千億円になるということでありますけれども、今申し上げたようにすべての都道府県が入っておりませんが、一つの見通しとしてその数字は申し上げられるというふうに思います。

小池晃君

 どんどん医療費削減するつもりはないと言いながら、五年間で七千五百億円を超える削減でしょう。これ、こういう入院日数三十二日から二十九日にする目標で算出させている。こういう数値目標を決めた削減って初めてだと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 その点も入っていますが、私が申し上げたように、生活習慣病、これが非常に大きいわけですから、これの予防を含めてきちんとやる、そういうようなことも含めて様々な効率化をやる、そして総合的に七千億円のこの適正化の効果が出ると、そういうことでございます。

小池晃君

 大臣、うそ言っちゃいけない。医療費、健康づくりの効果は五年間は出ませんというのが厚労省の見解です。違いますか。

国務大臣(舛添要一君)

 ですから、申し上げましたように、平均在院日数の短縮というのを前提に置いておりますけれども、これは、今申し上げましたように、五年を一期とするというのはそういう意味で申し上げているわけです、生活習慣病についてですよ。

小池晃君

 だから、要するに三十二日から二十九日に減らすと、それで七千五百億円。

 今でも入院したらすぐに退院の日取りの相談になるんだ、行く当てがないので本当に途方に暮れる、嘆きの声があふれているときに、更に入院日数減らせという数字の目標まで掛けて都道府県に号令掛けて競わせる。介護の受入れ体制ができているんならともかく、できていない中でこんな計画で進める。大変なことになるんじゃないですか。いかがですか。

国務大臣(舛添要一君)

 いわゆる社会的入院というものを減らしましょうと。これは、諸外国のこの入院日数を見てみると、日本が非常に日数が多いですよ。それは、いわゆる社会的入院というものがあって、その中には様々な要因があると、今委員が御指摘の介護の受入れ体制が十分でないと、これもあると思います。したがって、療養病床を含めていろんな意味での手を打っております。

 しかしながら、やはりこれは国民みんなの負担となるわけですから、何もその医療関係者だけの努力ではなくて、国民全体で医療費を抑えていく努力はやはりやらないといけないと思います。そうしないと、限られた資源を本当に有効に必要な人に医療費を使うということのためには、やはり無駄があれば無駄を排さないといけない。

 そういうときに、それは社会的入院ということでやっている分があればそれは是正するという方策は私は間違ってないと思っておりますので、総合的にどうすれば国民の生命を一番そのコストの掛からない形で守っていけるのかと、そういう観点もまた必要だと思っております。

小池晃君

 日本の医療費に無駄があるんですか。大臣、現場回っているように言うけど、もう入院日数なんてみんなぎりぎりにやっていますよ。大変な努力で患者さんたちはやっているじゃないですか。それを更に減らせという大号令を機械的に掛けて、こういう削減目標を掛けて進める。私、本当にとんでもない話だというふうに思いますよ。

 総理、後期高齢者医療制度というのは、単に後期高齢者医療制度だけじゃなくて、こういう全体の医療制度改革の中で出されてきたものであります。見直す見直すというふうに言うけれども、一方で天引きは拡大する。そして、この背景にある医療費削減計画については、これはもう計画どおり着々と進めていく。そして、先ほど示したように、問題だらけのバスだと、うば捨て山行きのバスだというふうに認めていながら、これを走らせる。余りにも無責任だと私思う。

 総理は一年掛けて見直すと言うけれども、これは制度始まる前も見直すって言っていたんです。始まってからも見直したんです。今度また見直し。国民はこんなやり方を絶対私は納得しない。中途半端な見直し、取り繕いじゃなくて、これはきっぱりやめるということを結論を出すべきだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。総理、総理。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 やめるということは、元の案に戻る、一回は戻るということになる。そこの案は、元々その元の案が問題だったから新しい案を、その新しい案がいろいろ問題がある、それはいろいろな形で改善をされていくという意味であって、私は、今回のもやってみたけれども、七十五のところ、天引きのところ、多くの問題があったからその分を改善するという方向に進んでいるんだと、私はそう理解しております。

小池晃君

 日本の医療制度に私全く問題がないとは言いません。これはやっぱり国庫負担どんどんどんどん削ってきて、国保なんか保険料どんどん上がっていると、こういう問題ありますよ。しかし、三月まで老人保健制度やっていて、国民から困るって声ありましたか。ないじゃないですか。ここにいったん戻す、そしてそこから新しい制度に向かっていく、私は何の支障もないはずだというふうに思います。

 今回の補正予算というのは、この後期高齢者医療制度の存続を前提として小手先の手直しをする、私どもこういう予算認めるわけにいきません。

 昨年六、七月に行われた国民生活基礎調査で、生活が苦しいと答えた人は五七・二%、過去最高なんですよ。総理は世界的な金融危機受けて内需拡大に手を打つことが必要だと述べましたが、だったらば、内需を冷え込ませているこういう社会保障をどんどんどんどん切り捨てる、こういうやり方を転換しなきゃいけない。その第一歩として、後期高齢者医療制度は私は国民の声にこたえてきっぱり廃止をするべきだと、そのことを、四回目の年金の天引きの日、国民の怒りを代弁する思いでここで申し上げたいというふうに思います。

 よろしくお願いします。

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