今の御質問ですが、読売新聞の保険料の報道を前提として質問されているというふうにお聞きしました。
この報道については、これは読売新聞の調査というより、厚生労働省が行っている調査を一部の市区町村、百八十三について集計したものというふうに思われます。この厚生労働省の調査内容ですが、極めて問題が大きいというふうに私ども考えております。
といいますのは、国保加入世帯について、高齢者単身、それから高齢者夫婦、それから片方が高齢者だけの夫婦、それから高齢者一人と子供夫婦という四種の世帯構成について、三段階の世帯収入について国保の保険料と後期高齢者保険料を比較しております。この調査のモデルというのは、低所得者のようにほとんど資産を持っていない世帯まですべて、資産割を算定している自治体については資産割を払っていることを前提にする。あるいは世帯構成についても、例えば老夫婦と子供夫婦で構成される世帯のように比較的負担増になりやすい世帯構成を除外しております。その点で現実に即したものと考えておりません。
私どもの推計では、調査モデルのモデル世帯では高齢者世帯の三分の二程度の世帯数しかカバーしていないというふうに思われます。しかも、厚生労働省の調査ではモデルごとの被保険者数を調査をしておりません。このように、この調査結果によれば実態をきちんと把握できず、負担増が低い結果となるのではないかというふうに私どもは見ております。
読売新聞の調査結果は、七割が国保の保険料より軽減されたということですが、これは厚生労働省の調査モデルで自治体数の七割ということであって全保険者の七割、全被保険者の七割ということではございません。
このように、この調査モデルは、実態を把握するどころか、七割から八割の世帯が負担減であるという当初の厚生労働大臣の発言に合わせて結論を誘導するようなものになっているのではないかというふうに思わざるを得ません。こうした調査結果に基づいて負担が増える世帯が多くなるという前提に対してはちょっとお答えすることができないと。
ですから、私どもとしては、現実の問題が出たときに、それに対してどう対応するかということを考えていくというふうにしか答えようがないというふうに思っております。