厚労省
負担増の実態隠す
井上議員 全国調査を批判
日本共産党の井上哲士議員は、三日の参院厚生労働委員会で行われた後期高齢者医療制度廃止法案への質疑で、厚労省が行っている保険料の調査方法について、「負担増の実態を隠すものだ」と批判しました。
厚労省の全国調査は、国民健康保険料と新制度の保険料を比較するにあたり、国保料を高く描く仕組みになっています。井上氏は、厚労省調査では、すべての高齢者世帯が土地や家屋などの「資産」があると仮定して国保料を計算していることなどを指摘。厚労省の基準で京都府宮津市について試算した場合、モデル世帯の約八割が保険料の負担減になるが、厚労省の調査の対象となっていない「資産」を持たない世帯は逆に八割が負担増になっているとして、「これで正確な調査といえるのか」とただしました。
舛添要一厚労相は、「正確な実態を出すには(後期高齢者の)一人ひとり全員に聞かなければ分からない。それには、ばく大な事務料がかかる」などと答弁しました。
井上氏は、厚労省の全国調査では負担増になる「後期高齢者夫婦と子ども夫婦の四人世帯」なども除外して計算していることなどを指摘しました。廃止法案の発議者である日本共産党の小池晃議員も答弁に立ち、厚労省の調査方法の不備を指摘。同調査の発表の仕方次第では「国民の世論をミスリードしかねない」と述べました。
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