是非これは全力を挙げてやっていただきたいというふうに思います。
駐留軍関係離職者等臨時措置法等については、これは、駐留軍については今後も在日米軍の再編に伴う基地の縮小や移転が考えられ、離職者発生します。私ども日本共産党は、これは日米安保条約反対ですし、思いやり予算ももちろん反対という立場ですが、離職者の再就職対策としての制度の延長は必要だというふうに思います。それから、漁業についても、今後の漁業を取り巻く環境を考えると離職者の発生予想されるわけで、引き続き対策を取る必要があり、延長に賛成であります。
その上で、今日は最後にちょっと一つ取り上げたいのが、シベリア抑留者の問題なんですね。
今日、私これ持ってまいりました。これは、シベリア抑留死亡者名簿ということで、村山常雄さんという方が昨年出版をされた本なんです。昨日お聞きしたら、厚生労働省でもこれ持っていると聞きました。これ実に千ページを超える、「シベリアに逝きし人々を刻す ソ連抑留中死亡者名簿」。これ、シベリアなど旧ソ連とその支配地域に抑留され苦役を強いられた人は六十万人と言われていて、六万人以上が亡くなったと。これはスターリンによる国際法を無視した強制抑留でありますし、これはもう国家的犯罪、旧ソ連による国家的犯罪だということを我々はかねてから糾弾してまいりました。
この本には、この犠牲者の中で四万六千三百人の方の名前が、これは個人で仕事をされてこういう名簿を作られたんですね。この中にもどういう苦労をされたか書かれているんですけれども、一念発起、一九九六年二月、七十歳の誕生日を期して、パソコンを求めて、過去十年間に報道されたシベリア抑留及び抑留中死亡者に関するあらゆる情報を全国紙のデータベースとかなどに接続して取り組む作業から始めたんだと。一人でも多くの名前を掘り起こそうということで、公式な名簿だけじゃなくて、あらゆる手だてで名簿を入手をする。それから、抑留者がひそかに持ち帰った名簿とか、あるいはロシアの地方機関などからも入手した名簿で整理していった。
これ大変だったそうなんですね。要するに、抑留された方をソ連側が名前を聞き取ると。ロシア語で書き取るわけですよ。そのロシア語で書き取ったロシア語の名前を片仮名に戻すと。そういう形でやってきたものだから、ほとんど読み取れないわけですね。
例えば、こんなふうになっているというのが出ているんですが、ヴォダ・エシモという名前で書いてあると、これいろいろ調べていったら和田義美さんという名前だったというふうに、あるいはトーイヨタキ・ホンデゼロという、とても日本人の名前とは思えないんですが、これは富高平十郎さんという方だったと。そういう一つ一つロシア語で間違えやすいことを変換していって、片仮名にたどり着いて、いろんな資料から漢字まで、そういう作業したのが今日お配りした、一ページちょっとコピーしておりますけれども、左側がその村山常雄さんが作った名簿なんです。それから右側が、今私が言ったようにそのままロシア側、ソ連側が提供した名簿を片仮名で記載している、今厚生労働省が発表している、ホームページ上で出している名簿なんですね。これ、比べていただくだけで、最初の一ページだけなんですけれども、いかにちょっとロシア、ソ連側の提供した名簿というのが不十分であるかというのが分かると思うんです。
こういう本当に気の遠くなるような努力をしながら四万六千三百人分名簿を整理していく。この村山さんはこんな、とてもちょっと本人の名前とは思えないようなもので放置されていたら忍びないと、だからやっぱり自分が努力してつくろうということで一念発起して個人でやられたというんですね。個人でこういうことをやられたというのは本当に私頭下がる思いがするし、本来こういう仕事というのは私は国がやるべきことだったのではないんだろうかなというふうに思うんですよ。
大臣、事前にこれもう見ていただくようにお話もしてありますけれども、この村山さんの仕事に対してどういう御感想をお持ちか。やっぱり今からでも遅くないからこういう仕事を支援するようなことが私はできないものだろうかというふうに思うんですが、大臣の率直な御感想をお聞かせ願いたいと思います。