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論戦ハイライト
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厚労省の調査では、十月から来年三月までに非正規雇用の解雇・雇い止めが三万人を超えることが明らかになっています。しかし、同調査では、東京都での派遣雇い止めは三人、大阪府ではゼロとなっています。
小池 (厚労省調査は)明らかに不十分。実際にはもっと大量ではないか。
太田俊明職業安定局長 全数調査ではないので、実態はこれより多いことはありうる。
小池氏の追及に厚労省は、引き続き状況把握に努めることを約束しました。
そのうえで、小池氏が政府の認識をただしたのが、「やむを得ない事由」がある場合を除き、有期契約労働者の中途解雇を禁ずる労働契約法一七条の趣旨です。
金子順一労働基準局長は「有期の契約期間は(労使)両方の当事者が、その前提で合意したものなので無期契約(正社員)の解雇権乱用法理よりも狭くなる」と答弁しました。
小池 正社員の場合よりも、厳しい条件を課しているのだから、要件を満たしていなければ(契約期間の中途解除は)法違反になるのか。
金子局長 委員ご指摘の(法違反という)こともありうる。
金子局長の答弁を受け小池氏は、大量の解雇・雇い止めについて厳正な指導をするよう要求。舛添要一厚労相は「法の精神に基づいて指導する」と答えました。
さらに、小池氏は、今年末で千四百人の期間・派遣社員の全員解雇を打ち出した、いすゞ自動車の解雇計画を具体的にあげ、その撤回を求めました。
小池氏は、いすゞで五年以上働いている労働者から届いたメールを紹介。わずか数行の文字が書かれた「解雇予告通知書」を示して、「最後は紙切れ一枚。死人が出ないとわかってくれないのか」という労働者の悲痛な叫びを読みあげました。
小池 千人を超える雇用契約を破り捨てて、年の暮れに放り出す。こんなひどいことが許されると思うか。
舛添厚労相 個別の企業の事情についてはコメントできないが、法の精神に基づいて対応する。
「個別の企業の事情」をたてに、明確な答弁を避ける舛添厚労相。
小池氏は日本共産党の申し入れに対し、いすゞ側は、会社の都合でいつでも解雇できることを定めた「臨時従業員規則」をたてに解雇通告を出し、「役所からは何も言われていない」と説明していることを明らかにして、さらに迫りました。
小池 こんなことをいわせたままでいいのか。
舛添厚労相 どういう状況か調査し、必要な改善策があればとる。
ついに「調査」を約束した厚労相に小池氏は、いすゞ会長が十一月の社内報で「再建以降の五年間、増収増益で毎年過去最高実績を更新」と誇っていることを指摘。いすゞの来年三月期の経常利益予想は六百億円で、今期十七億円も配当を増やしていることもあげ、「労働者の首を切りながら、株主への配当は増やす。これで『やむを得ない事由』があるなどといえるわけがない」と力を込めました。
「経済団体全体が法の精神に基づいて対応するよう要請する」と繰り返す舛添厚労相に対し、小池氏は大量解雇を中止し、大企業に社会的責任を果たさせるよう重ねて求め、「再就職のあっせんと再就職までの住居、生活の保障をさせるべきだ」と強調しました。
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