都合の悪いことは記録が残っていない、都合のいいことだけはやけに詳しく今日も今も説明があるわけですね。やっぱりおかしいですよ。これは私は分かっていたと思うんです。
こういう経過で、実はミドリ十字はフィブリノーゲンの添付文書をどんどんどんどん安全だ安全だという方向に、六四年に認可されてからどんどん書き換えていくんですね。ところが、この七五年の時点からはもう一回戻るんですよ。これは一五%から二〇%肝炎の危険があると。
こういう指摘をしたからには、私は背景にアメリカが指摘を、この危険性を言い始めたことがやっぱりあったから、厚生省もそういうふうに持っていくということを、働き掛けをやったんではないかというふうに私にはどうしてもこの全体の流れからすると思えてならない。その上で七七年にFDAの承認取消しがあったわけですから、私はこれ知らなかったということで済まない話だと思うんですね。
しかも、厚生省自身の文書でもそれが証明されるものがありまして、今お配りしましたが、七三年の厚生省薬務局の監修の「生物学的製剤基準解説」、この本があります。
この本には、WHOによる血清肝炎の頻度についての報告が出ているんですが、これ二ページ目に「注解」というところがあって、そこにフィブリノーゲン、これは全血の肝炎発生頻度が通常一%以内に対して、フィブリノーゲンは七%以内ということで肝炎発生が高いということが書かれております。その後、英語で記載がありますが、要するに、簡単に言うと、多人数の人の血漿がプールされた製剤は一人の全血よりこの感染の危険が高いんだということが指摘されているわけですね。
こういうことを、薬務局が監修の本でフィブリノーゲン危険だということを書いていて、さっき言ったように七三年にはアメリカ医師会の指摘もあって、そういう中でFDAの承認取消しを、これを知らなかったと、これを見過ごしたということになれば、私は極めて責任重大ではないかと思うんですが、局長、いかがですか。