廣瀬です。
特例納付というのは、昭和四十年代に二回それから五十年代に一回、合計三回ほど行われてきたわけですが、いろいろ私調べるうちに、これは従来、そのときは市町村役場が窓口になって保険料等を集めておったんですが、この特例納付というのは、過去にさかのぼって全部一括して払って、払ってない部分をうずめるという非常に特殊な制度、今、それ以降は現在もう行われていないんですが、非常に熱心に勧誘したような形跡がうかがえます。
といいますのは、ある町とか市では、保険料を払うのに一遍に払うのが苦しい人には保険料の貸付けを行っているんですよ。私、古い市報というかそういうのを見て、ああ、そんなことがあったのかということでちょっと驚きだったんですけれども。ところが、この特例納付というのは、市とか町じゃなくて国が直接やった制度なんですね、実は。それにもかかわらず、市がそういう、これはどういういきさつか分かりませんけれども、非常に強く関与して集めたと。
つまり、保険料集めということではかなり熱心にやったような感じを受けていまして、やはり当時も非常に納付率は悪かったようでございます。非常に国民の関心がなくて、それでそういう制度もつくって、まず保険料をとにかく集めるという頭が非常に強かったんじゃないかなと。ただ、今こうなったのは、やはり管理が全然できてないんじゃないかなと、ひどいもので。
市の職員というのは、これは国からの委任であります。委任されてやっているんで、かつ市の職員は二年程度で大体持ち場が変わりまして、例えば異動でいきなり今まで全然知らないことをやる。これは今でも役所というのはそういうものなんですけれども、特に、この特殊なことを扱うのに全然知らない人がいきなりそれをやってみたというようなこともあったんじゃないかなと。それで、そういういろんな複雑な要素が絡み合ってこんなおかしなトラブルになっていると、私はそのように考えております。