私、そういう姿勢ではこの問題を解決することにならないし、むしろそういう労働者を非常に苦境に追い込むことになるんだというふうに思うんです。
実態をちょっとお話ししたいんですが、寮のある会社なら、じゃ何でもいいのかというと、すごい実態があるんですよ。
例えば、紹介すると、あの羽田空港、成田空港にあるリムジンバスがやられています。ここで働く労働者というのは、これホームページなんかで寮が付いているからということで、全国から若者が集まってきているそうなんです。これは日航とか全日空、京成電鉄などが主要株主になっている東京空港交通というのが運行しているんですが、これ外部委託をしています。その請負会社というのが大変問題だと。
そこで働く労働者の話を聞くと、早朝から夜十一時、十二時まで働く。そのまま空港に寝泊まりして、翌朝五時半からという働き方もある。月平均の労働時間、三百数十時間。休日は月二日もあればいい。二日、三日。一日実働で十五から十七時間の勤務が続くが、残業代なし。雇用保険、社会保険は未加入だと。彼らが首都圏青年ユニオンに加入して交渉して、割増し賃金の未払は是正することの回答がありましたが、労基法違反の働かせ方は続いています。
問題は今度、寮なんですよ。これ民間アパートを借り上げた寮が光熱費も含めて一括して会社が管理している。二DK、三Kなど、三人で同居しながら、寮費が月五万円取られる。しかし、各部屋にはかぎが掛からないようなところに、顔も知らない、名前も分からないような人が一緒に住んでいる。交代の仕事だから、隣にだれがいるか分からない。いつの間にか隣に違う人がいるということもあるんだと。物がすぐになくなると、そんな状況もある。
寝るところがあればよいといっても、こんな労働時間のひどい状況でありながら、プライバシー全く守れないような、これを寮だと言って押し付けるような、こういう実態が今広がっているんですよ。
基準局長にお聞きしますが、労基法では寄宿舎として守るべき基準というのは定められていると思いますが、こうした法律はきちっと守られているのか。そもそも、届出されている寄宿舎というのは幾つあるのか、全国で。実態調査、やっているんですか。