もうマスコミみんな出ているのに、これ言えないわけでしょう。だから、こういう問題なんですよ。こういう受け入れた側の企業に対しては物も言えない、腰が引けている、これが今の労働行政なんですよ。これでいいのかということが本当に私、真剣に問われていると思うんですよ。
キヤノンの問題も昨年七月に大々的にマスコミに出た。しかし、キヤノンの現場では実は法律違反だということを認識しながら偽装請負をやっていた。
これは私ども入手したマル秘扱いの文書なんですが、これタイトルは外部要員適正管理の手引と書いてある。発行は〇六年の二月なんです。中に何て書いてあるかというと、現在、キヤノンで働く総要員の三分の一は派遣労働者と請負労働者ですと、派遣労働者、請負労働者の活用の機会は今後更に増してくると思われますと。さらに、この中には、偽装請負は違法であり職業安定法によって罰せられる、派遣先が一年を超えて派遣を受け入れる場合は直接雇用の申込みを行わなければなりませんとちゃんと書いてあるんですね。これを〇六年の二月にキヤノンはちゃんと出しているんですよ。
法令遵守だといいながら、実態としては、ようやく昨年八月に厚生労働省の指導で偽装請負から派遣に切り替えると。分かっていながらずっとやっているわけですよ。これが今の大企業の実態です。しかも、キヤノンの会長は日本経団連の会長である御手洗氏だと。経済財政諮問会議で、請負法制に無理があるんだと、これを是非見直してほしいと、いけしゃあしゃあと要求しているわけですね。自分の会社では違法をはっきり、もうこれ動かぬ証拠ではっきり把握していながら、承知で偽装請負を行いながら法律が悪いと。余りにも身勝手過ぎないかと。
そもそも、先ほど言ったように、偽装請負の是正指導では受入先への指導は極めて甘い。だって、実態聞いても答えもしない。これが今の現状なわけですね。
先ほど、重ねてになりますが、最近ようやく限度期間を超えた場合は派遣に転換を認めないということで、三月一日に、この派遣期間の制限に抵触している労働者派遣は特に厳正に指導するという通達出した。これはこれで当然しっかりやってもらわなければいけないというふうに思いますが、しかしこれは派遣先への直接雇用というふうになっていないんです。適正な請負でもいいよと、その他の雇用確保措置でもいいよと。これで本当に偽装請負解決するか。
大臣、やっぱり受入れ企業に対する社会的制裁をどう加えていくかということも考える必要あるし、同時に、法違反した企業にはきちっと雇用責任取らせると。つまり、私どもは、やっぱり制限期間を超えたかどうかにかかわらずに、違法をやっていたんだから、違法であれば、それは違反企業に対しては直接雇用義務を課すと、こういう措置をするしかないと思うんですが、大臣、いかがですか。