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質問第七四号

歯科の診療報酬に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

 平成十九年十二月五日

小池 晃

 参議院議長 江田 五月 殿

歯科の診療報酬に関する質問主意書

  • 歯科の診療報酬73項目/20年間据え置き/小池議員に政府答弁書(関連記事

 近年の診療報酬のマイナス改定は、患者窓口負担の相次ぐ引上げによる受診抑制とあいまって、医療機関の経営悪化をもたらし、医療従事者の労働強化や医療の質と安全性を低下させるとともに、地域における医療提供体制の崩壊に拍車をかけている。特に歯科診療については、長期間にわたって診療報酬点数が引き上げられない項目が多く一層問題は深刻である。そもそも歯の健康状態を保持することは、全身の健康にも大きな寄与をもたらし、結果的に医療費を低く抑える効果をもたらすことは東北大学の渡邉誠教授や兵庫県保険医協会や香川県などの研究でも明らかになっており、全身の健康保持のためにも、低く抑えられてきた歯科の診療報酬を適切に評価することが求められている。

 よって、以下質問する。

 歯科の診療報酬のうち二十年前と比較して点数が変わっていない項目について明らかにされたい。また、二十年間もの間にわたって引上げが行われていないことは、この間の物価・人件費の伸びなどと比べても、明らかに均衡を欠くのではないかと思われるが、政府の見解を明らかにされたい。
 長期にわたって改定が据え置かれた項目を始めとして、歯科の診療報酬について適切な診療を確保するための十分な評価が行われるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。


答弁書第七四号

内閣参質一六八第七四号

 平成十九年十二月十四日

内閣総理大臣 福田 康夫

 参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員小池晃君提出歯科の診療報酬に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員小池晃君提出歯科の診療報酬に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 現在の歯科診療報酬点数表において、評価される診療行為及び点数の双方が、昭和六十一年四月時点の歯科診療報酬点数表と同じである項目は、検査の部に掲げられているスタディモデル、平行測定(支台歯とポンティック(ダミー)の数の合計が5歯以下の場合に限る。)、下顎運動描記法(MMG)、チェックバイト検査、ゴシックアーチ描記法及びパントグラフ描記法、画像診断の部に掲げられている写真診断(単純撮影における歯科エックス線撮影のうち、全顎撮影以外の場合に限る。)及び歯牙、歯周組織、顎骨、口腔軟組織(単純撮影における歯科エックス線撮影のうち、全顎撮影以外の場合に限る。)、処置の部に掲げられている知覚過敏処置、乳幼児齲蝕薬物塗布処置、歯髄切断、根管充填における加圧根管充填の加算、外科後処置、歯周疾患処置、暫間固定(著しく困難なものを除く。)、暫間固定装置修理(簡単なものに限る。)、口唇プロテクター、線副子、床副子(著しく困難なものに限る。)、歯周治療用装置、歯冠修復物又は補綴物の除去(根管内ポストを有する鋳造体の除去を除く。)、暫間固定装置の除去、根管内異物除去、有床義歯床下粘膜調整処置及びラバー加算、手術の部に掲げられている抜歯手術(乳歯及び難抜歯並びに上顎洞へ陥入した歯牙の除去術に限る。)、ヘミセクション(分割抜歯)、抜歯窩再掻爬手術、歯根嚢胞摘出手術、歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術、外歯瘻手術及び歯肉歯槽粘膜形成手術(歯肉弁側方移動術に限る。)、歯冠修復及び欠損補綴の部に掲げられている印象採得(欠損補綴の単純印象及び副子に限る。)、装着(歯冠修復におけるその他、欠損補綴における口蓋補綴、顎補綴及び副子の装着の場合に限る。)、咬合採得(歯冠修復及び欠損補綴におけるブリッジ(支台歯とポンティック(ダミー)の数の合計が6歯以上の場合を除く。)に限る。)、鋳造歯冠修復(4分の3冠及び5分の4冠に限る。)、ジャケット冠、硬質レジンジャケット冠、乳歯金属冠、臼歯金属歯、補綴隙、充填物の研磨、有床義歯床裏装(局部義歯における9歯から11歯までに限る。)、帯冠金属冠修理、金合金鉤修理及び歯冠継続歯修理並びに歯科矯正の部に掲げられている歯科矯正診断料、歯科矯正管理料、模型調製、動的処置、印象採得(マルチブラケット装置に限る。)、咬合採得、装着、撤去、セパレイティング、結紮、床装置、リトラクター、プロトラクター、拡大装置、アクチバトール(FKO)、リンガルアーチ、マルチブラケット装置、保定装置、鉤、帯環、ダイレクトボンドブラケット、フック、弾線、トルキングアーチ、附加装置、矯正用ろう着及び床装置修理である。

 厚生労働省としては、歯科診療報酬については、物価、賃金等の動向、歯科医療機関の経営状況、医療保険財政の状況等を総合的に勘案し、中央社会保険医療協議会における議論を踏まえ、必要な項目については重点的に評価するなど、適切に設定しているところであり、今後とも、適切な歯科診療の確保を図るため、中央社会保険医療協議会における議論を踏まえ、適切に設定してまいりたい。

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