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消えた年金問題
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来年三月までに終わらせるといいながら公約が実現できないことが判明した、五千万件に上る年金未統合問題。日本共産党の小池晃参院議員は十一日の厚生労働委員会で、「国民に対する約束違反だ」と追及し、日本共産党は当初から、年金記録をただちにすべての加入・受給者に送り、国民の協力をえて記録修正作業を進めるべきだと主張してきたが、それをやらなかった結果、今日の事態が生まれたと批判しました。舛添要一厚労相は答弁に窮し、開き直るのが精いっぱいでした。
政府は十一日、未統合記録のうち四割近くの千九百七十五万件がコンピューター上の照合作業で本人の特定が困難だと発表しました。
年金記録の未統合は、政府が基礎年金番号導入の際に必要な対策を怠ったために起きたもので、国民の年金受給権が保障されなくなる重大問題。世論の高まりに押されて政府は今年七月、来年三月をめどに未統合の年金記録の名寄せ作業を行い、国民の不安を一掃すると発表しました。
小池議員は、安倍晋三首相(当時)も六月の委員会で「一年以内に五千万件すべて突合する。最後の一人に至るまで徹底的にチェックし、すべてお支払いすることをお約束したい」とのべていたことを示し、それができなければ政府の公約違反になるとただしました。
小池 五千万件すべて年金受給に結びつけると約束したのに、特定できない記録が残るということじゃないですか。この答弁は実現できなくなったということですね。
舛添厚労相 そういうことも予想されるということです。
公約の実現不可能を認めた舛添厚労相。ところが、政府は五千万件の記録すべてを特定すると約束したわけではないと居直っています。
七月の政府・与党の年金問題に関する連絡協議会が決めた方針は、「来年三月までに約束したのは、コンピューター上での五千万件の名寄せの結果、記録が結びつくと思われる方にお知らせする」ものだというのです。
小池議員は、「例えば一件しか名寄せできなかったとしても約束を果たしたことになる。こんなでたらめは通用しない」とのべ、国民にこんな説明をしたことがあるのかとただしました。
厚労相 名寄せをしてできた方に(通知を)お送りするというのは、うそでも何でもなくて、七月五日に決定したのはこのこと。
小池 そんな説明は一度も聞いていない。国民は、五千万件みんなやるんだと思っている。
開き直るのがやっとの舛添厚労相。しかし、こんな説明は、自身の過去の答弁をもほごにするものです。厚労相は、十一月一日の委員会で小池議員の質問に、コンピューターで照合できなかった記録の二次名寄せを進めて「最後に残るのは一割くらい。5%、3%かもしれない」と答えていました。
小池 今、四割残っている。二次名寄せをやればこれが一割になるのか。
厚労相 私の勘ではこれくらいだということをいった。
小池 あまりに無責任だ。与党は「消えた年金」ではなく「宙に浮いた年金」だといってきたが、消える可能性が出てきたということだ。
小池議員は、「舛添大臣の責任も含めて重大だ」と批判。年金を受け取れずに亡くなった方やその遺族の年金給付の問題も徹底的に精査することを求めました。
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