労働契約法案 撤回せよ
参院委で小池議員 就業規則で労働条件改悪
日本共産党の小池晃参院議員は二十日の厚生労働委員会で、雇用のルールを定める労働契約法案について質問し、使用者が就業規則の変更によって一方的に労働条件を改悪できるものだと追及しました。
労働契約法案では、使用者と労働者が合意して結ぶべき雇用契約にもかかわらず、労働者の合意がなくても、変更の程度などから合理的であれば就業規則によって変更できるとしています。
厚労省側が「労使の合意が原則」としていることについて小池氏は、労働政策研究・研修機構の調査で、七割の企業が就業規則で労働条件を変更しており、このうち二割は労組との協議も行われておらず、就業規則を見ることもできない職場も多いとのべ、「合意といっても絵に描いたもちになる」と指摘しました。
就業規則の変更だけで期限の定めのない雇用契約から有期雇用への変更が認められるのかと小池氏が質問したのに対して青木豊労働基準局長は「そのような場合は合理的と判断するのは難しい」と答えました。
小池氏は、労働条件の不利益変更をめぐって争われている東武スポーツ事件を例にあげて質問。同事件では、ゴルフ場のキャディー業務に就く労働者に「給料が下がらないから」といって雇用契約を有期契約に変更させる契約に同意させ、大幅に賃下げしました。裁判で東武側は、合意がなくても経営上の理由性があれば有期雇用への変更と賃金ダウンは有効だと主張しています。
小池氏は「これが使用者側の理解だ。就業規則による変更の立法化は、使用者の横暴をますますはびこらせる。これで労働者保護がすすむのか」とただしました。
舛添要一厚労相は「法制化で企業の社会的責任を周知させ、合理的行動を求める意義がある」と正当化したのに対して小池氏は、労働者保護に反する法案は撤回すべきだと強調しました。
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