年金記録 国が「消した」
小池議員 国民の受給権奪うな
「消えた年金」だけでなく、国がみずから「消した年金」をつくっていた―日本共産党の小池晃参院議員は七日の厚生労働委員会で、年金記録の訂正を申し出た加入者に対して、国に非があるのに、時効を理由に五年間分しか払っていなかった問題を取り上げ、国民の年金受給権を踏みつけにするやり方は許されないとただしました。
小池氏が示したのは、六十歳で厚生年金を受給するとき、社保庁側に記録がないとして却下された関西地方の男性のケース。七十五歳になって被保険証が見つかり、再裁定を申請しましたが、六十歳からの十五年分のうち十年分は時効とされ、受け取れませんでした。
しかも社会保険事務所は、申請が遅れた理由を書かせたうえ、支給は時効によって五年に限ることを了承させる「申立書」を提出させていました。
青柳親房運営部長は、「同意を得るため実施している」とのべ各地でこうした書類を書かせていた事実を認めました。
「記録をなくしたのは社会保険事務所の責任だ。被害者には何の責任もないのに許しがたい」。小池氏がこう批判したのに対して、青柳運営部長は「保険証を六十歳のとき出せば円滑にすすんでいた」と責任転嫁の答弁。小池氏は「とんでもない発言だ。国民の不信感が高まるだけだ」と批判しました。
小池氏は、国に非があれば時効を適用しないと社会保険審査会が裁決した先例があることをあげて、「このとき行政を転換していれば被害者は出なかった。政府が国民の権利を奪った『消した年金』だ。『消えた年金』とともに政府の責任は重大だ」とただしました。
柳沢伯夫厚生労働相は「年金の権利を侵害することはまったく不適切だ」と答え、「反省の上にたって時効特例の法案が提出されている」とのべました。
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