児童虐待防止法
安全確保へ立ち入りも
参院委 改正案を全会一致可決
参院厚生労働委員会は二十四日、児童虐待防止法の改正案を全会一致で可決しました。改正案は、虐待の疑いが濃い保護者に対し、裁判所の許可を得た上で強制的な立ち入り調査ができるようにすることなどが柱。超党派の勉強会を踏まえ、衆院で議員立法として提出、可決されていたものです。
採決に先立つ質疑で、日本共産党の小池晃議員は、改正により、児童の安全確保がより図られるようになることを評価しました。
一方で、「法案に懸念の声も寄せられている」と指摘。不登校の息子をもつ母親から、「不登校=ネグレクト(育児放棄)とみなされ、児童相談所の保護の対象になる可能性があるのではないか」と不安の声があがっていることを紹介し、運用面での考え方をたずねました。
提出者の一人、日本共産党の石井郁子衆院議員は、「家庭内で不登校の子の状態をみながら適切な看護が行われている例は、ネグレクトにはあたらない」とのべました。
小池氏はまた、日本子ども虐待防止学会が、虐待問題の対応には、社会のしくみまで踏み込んだ検討が必要だと提言していることを指摘。「多くの家庭では、母親に育児が集中する一方で、父親は長時間労働でいない。こういう働き方が底辺にあって、虐待の問題が起こっている。これを変えていく社会づくりが求められているのではないか」とたずねました。
石井議員は「虐待を生み出すような(社会的)基盤に目を向けていかないといけない」と答弁。労働時間短縮など育児の困難に対する社会的支援の意義を強調しました。
|