日本共産党の小池晃です。
この法案に我が党は賛成の立場ですので、その立場で問題点や疑問点をただしていきたいと思います。
最初に、感染症に対する行政の基本姿勢にかかわる問題で、これは国民の生命、健康を守るということと同時に、患者の人権の尊重ということが極めて重要であると思います。その原点とも言えるのがハンセン病に対する厚生行政への深い反省だと思います。それについて一問、最近起きたことにかかわってお聞きしたい。
十一月の七日に群馬県の栗生楽泉園で慰霊祭が行われました。これは強制堕胎が行われてその後胎児標本として放置されてきたハンセン病元患者さんの死児の慰霊祭であります。
しかし、この慰霊祭は療養所自治会の意向に反して、慰霊祭の名称に堕胎という文字を使わずに胎児という名前にさせられました。強制堕胎という事実を隠そうとし、あるいは話合いといいながら自治会の皆さんにそれを押し付ける厚生労働省のやり方に元患者さんの皆さんが怒っていらっしゃいます。慰霊祭というのは、私は何よりも当事者の意向というのが大切にされなければいけないというふうに思いますし、今回のようなことがあってはならないと思うんですね。
大臣は、公務でこれ出席されなかったというふうにお聞きをしておりますが、現地の皆さんは大臣の出席を心待ちにしていたともお聞きをしています。この場で、元患者の皆さんに対する大臣の思い、とりわけ強制堕胎という事実に対して政府の責任をどうお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。