ありがとうございました。八割、賃金不払、割増賃金不払とか、最賃法違反などの違反があると。
資料をお配りしておりますが、年々そうした指導監督数も違反事業所数も増えているというのが実態なんですね。
実例をお聞きすると、これは印刷会社で働いていた中国人実習生の男性の例ですが、毎月三百時間から四百時間の労働にもかかわらず残業代ゼロ、給与は十二万四千円、しかし宿舎、光熱費二万九千円、仲介者への仲介料一万五千円が天引きされて、実際に支払われるのはわずかに八万円。仲介者に二十万円、送り出し機関に六十万円支払って、それはすべて借金になっていると。話が違うと思ったんだけれども、途中で帰ろうとするとこの借金を返すことができなくなるので我慢してきたというお話。
同じく、これは徳島県の縫製会社の例なんですが、普通に仕事をしていると突然仕事が遅いんだというふうに怒られてしまった、そのために本人、中国人の方ですが、昼休みを削って、さらに残業もしたけれども、残業代請求もしなかったと。一生懸命働いて多くの仕事をこなしたけれども、あなたなんか要らないんだというふうに言われて、結局帰国させられた。
なぜそんな嫌がらせをやるかというと、最初の一年間は研修生だから労基法の対象にならないんだけれども、一年たつと技能実習生になるので労基法の適用となって、コストも高く掛かるしあるいは労基署の監督対象になるということで、嫌がらせをして出してしまうと。正に、ちょっと言い過ぎじゃないと思うんですが、現代の奴隷労働みたいなことがいろいろ起こっている実態がある。
これ、こういう制度をつくったときには、与野党を問わず、こういった形では本当に人権は守れるのかということは国会で何度も問題になってまいりまして、その都度、解決する解決するというふうにおっしゃったんですが、先ほど示したようにどんどんどんどん違反事例は増えているという実態なんです。
大臣にお伺いしたいんですが、政府はこの制度の点検というのを何度も指示していますね。制度改善、検討を何年も前から言っていますが、こういうふうに違法事態が続いているという実態をどうお考えでしょうか。