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164通常国会 参議院厚生労働委員会(職業能力開発促進法改正案質疑・ 採決)

  • 外国人研修制度の違反企業/指導できる機関を/小池氏要求(関連記事
2006年5月11日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今回の法案については、実習併用型の職業訓練制度を創設して法的根拠を与えるということで賛成であります。

 最初に伺いたいのはディーセントワークのことなんですが、若者の雇用の問題、日本でも深刻ですが、世界的にも大変問題になっていて、ILOが昨年六月の総会で若年雇用に関する決議というのを上げております。その冒頭で、若年者のディーセントワークの達成は、すべての者に対する貧困撲滅と持続可能な発達、成長及び福祉において不可欠な要素であるというふうにしております。この報告書では、目標は単に雇用を創出することではなくて良質の仕事をつくり出すことだというふうに述べておりまして、前提として雇用機会を保障した上で、まず第一に十分な所得を保障すること、第二に労働者としての権利と代表権を保障すること、第三に適切な社会保障と、こういう三つの保障が必要だというふうにしているんですね。

 大臣にお伺いしたいんですが、日本政府はこのILO決議のディーセントワークの達成という提起をどう受け止めていらっしゃるのか、日本においては若年者のディーセントワークというのはどの程度達成されているとお考えなのか、お答えください。

国務大臣(川崎二郎君)

 また横文字が出てきたものですから、ディーセントワークって質問があるということで勉強させてもらいました。

 ディーセントワークとは、人間らしい仕事のことであり、まず仕事があることが基本であるが、その仕事は、権利、社会保護、社会対話が確保され、自由と平等、働く人々の生活の安全保障のある仕事であるとされております。

 昨年六月のILO総会における若年雇用者に関する決議においては、若者についての雇用の創出や職場の安全、賃金、労働時間政策などとともに、ディーセントワークを達成するための職業能力開発の重要性等が盛り込まれております。この決議は、参加した政労使の総意により採択されており、我が国はこの決議を尊重すべきものと考えております。

 厚生労働省としては、従来から労働関係法令の整備や各種施策の推進により、労働条件、その他労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを努めてきたところであり、この決議の趣旨を踏まえ、今般提出の法案も含め、若者ディーセントワークの達成に向けて努力をしてまいりたいと思います。

 何%できているのかとなると、これなかなかお答え申し上げにくうございますので、お許しを賜りたいと思います。

小池晃君

 これ、元ILO事務局長補佐の堀内光子さんによれば、日本は世界で十五位だという、そんな分析もあります。やはり実態を見ると、雇用の流動化の名の下に非正規雇用が拡大しているわけで、やっぱりディーセントワークということでいうと、特に若者の今の雇用の状況はほど遠いところにあるのではないか。それをやはりつくっているのは、規制緩和、労働法制の改定によるものが非常に大きいのではないかと思います。もちろん、職業能力開発、これは非常に大事なことだし、力強めなければいけないと思いますが、私どもとしては、やはり労働基準法や労働者派遣法などを見直して、きちっと労働者としての権利が保護されるように、本当の意味での人間らしいディーセントワークが特に若者の中で達成できるようなルールを確立していくことが必要だというふうに思っております。

 その点で今度の制度についてお伺いしたいんですが、今回、六か月から二年間の間、受入れ企業に有期雇用されてOJT及び座学を行うと。これ、その企業への就職を望んだ場合に訓練を終えても自動的に正規雇用につながるということにはならない、保証はないわけですね。しかし、そのOJTや座学を終えた訓練生に対する評価というのがやっぱり公正、公平に行われなければいけないというふうに思いますし、訓練修了時に不当に排除されるようなことは絶対あってはいけない。先ほどこれは労働者だというふうに明確におっしゃりましたし、やはりきちっとその辺の仕組み担保することが必要ではないかと思うんですが、そこはどうお考えなんでしょうか。

政府参考人(上村隆史君)

 御指摘の実習併用職業訓練につきましては、若者を対象として、その実践的な職業能力の開発それから向上を通じて、安定した就職に結び付くことが重要なものでございまして、きちんとしたその内容、きちんとした質が担保された形での実施を促進することが必要であるというふうに考えております。

 今回の改正法案におきましても、事業主からの申請によります実習併用職業訓練の実施計画、これを大臣が認定することとしております。その認定に当たっては、訓練の期間や時間数、それと併せまして、修了後の職業能力の評価の方法が適切に定められていることについても確認するということとしております。あわせて、事業主と訓練生との間の評価をめぐるトラブルの未然防止を徹底するため、法案を成立させていただきました暁には事業主と訓練生の雇用契約のモデル様式を定めることとしておりまして、その中に能力評価に係る項目も設けることなどについても検討していきたいというふうに思っております。

 なお、具体的な評価項目についてでございますが、職業能力開発大学校において現在やっております日本版デュアルシステムに向けた評価項目例等がございますが、そういった事例やノウハウ等を十分活用しながら適切な評価が普及定着するように努めてまいりたいというふうに思います。

小池晃君

 労働者の権利、しっかり守ることを求めたいというふうに思います。

 続いて、認定職業訓練校や自治体立の職業訓練校についても聞きたいんですが、これは実態として既に自治体立の学校や認定訓練校があって、認定訓練校だと全国で千三百六十五校、訓練生も二十万人を超すという到達にある。

 今回の新しい仕組みは民間の専門校のほかにこれらの施設も対象となると聞いているんですが、実際にその認定訓練校から上がっている声を聞きますと、もう既にそのOJTと座学を並行する事実上のデュアルシステムやっているんだと、それで成果上がっているんだと。で、もし今回法的に位置付けるというんであれば、もっと認定校に対してもしっかり応援してほしいという声を聞いております。

 実態としてどうかと見ると、これ認定訓練校への助成というのは自治体の財政状況に応じて行われていまして、三分の一上限、その同額を国が補助する。実際はこの五年間で三割も減っていて、二十四億円から十七億円へ七億円以上削減されているんですね。自治体立の訓練校も、まあ今自治体の財政状況厳しい中で規模の縮小とか閉校なんかも続いているんですね。

 で、局長にお伺いしたいんですが、わざわざ新しい制度をつくる一方で、既に実績が上がっているこういう訓練校に対する国の支援が、これは自治体が決めていることだって言われればそれで終わっちゃう話なんですが、そうではなくて、やっぱり国の支援というのは事実としてはこれ後退しているわけで、私、これ納得できないんですね。やっぱりせめてその入校希望者が、もう実態を見るとその二倍ぐらいの希望者が殺到しているような学校もあるわけで、きちんとやっぱり入校を希望するような人がみんな入れるような仕組みにするためのやはり国としての応援という仕組みを何らかの形で考えるべきではないだろうかと思うんですが、いかがですか。

政府参考人(上村隆史君)

 都道府県が設置しております職業能力開発校、それと民間事業主等が行う認定職業訓練に関する事務、これは都道府県の自治事務として位置付けられているものでございまして、国におきましては都道府県職業能力開発校の設置運営に関する交付金、補助金、それから認定職業訓練に係る補助金の交付等により都道府県に対する支援を行ってきているところでございます。

 国の財政、引き続き厳しい状況にありますけれども、都道府県に対する財政支援を強化することはそういった厳しい状況からいきますと困難ではございますが、これらの制度につきまして、制度の改善を図るとともに職業訓練の内容の質的向上や効率化のための支援等、そういったソフトの充実をさせることによって、都道府県の職業能力開発施策が一層適切に実施されるように支援してまいりたいというふうに思います。

小池晃君

 やっぱり団塊の世代の退職で日本の産業の将来そのものが危ぶまれているんですから、私はやれることは何でもやるという姿勢で臨むべきだと思うし、この点でやはり自治体やあるいは省を超えて取組というのを是非求めたいというふうに思っております。

 引き続いて、外国人青年への技能技術研修、技術移転を通じてその国の経済発展を担う人材育成を目的とする外国人研修・技能実習制度について取り上げたいと思います。これは国際協力の一翼を担うとされているんですが、実態を見ますと非常に悲惨な実態があって、違法行為が横行しているようにお聞きをしています。

 基準局長おいでいただいているんですが、外国人技能実習生を受け入れている昨年度の事業場への立入検査の結果、これをお示しください。

政府参考人(青木豊君)

 平成十七年におきまして、事業場に立入調査、臨検監督をいたしました。その中におきましては、九百六事業場が技能実習生を受け入れている事業場でございました。このうち七百三十一事業場において労働基準関係法令違反が認められました。違反率八〇・七%ということでございました。

 この違反が認められたものにつきましては、労働基準監督官といたしまして是正勧告を行いまして、その是正を図っているところでございます。

小池晃君

 ありがとうございました。八割、賃金不払、割増賃金不払とか、最賃法違反などの違反があると。

 資料をお配りしておりますが、年々そうした指導監督数も違反事業所数も増えているというのが実態なんですね。

 実例をお聞きすると、これは印刷会社で働いていた中国人実習生の男性の例ですが、毎月三百時間から四百時間の労働にもかかわらず残業代ゼロ、給与は十二万四千円、しかし宿舎、光熱費二万九千円、仲介者への仲介料一万五千円が天引きされて、実際に支払われるのはわずかに八万円。仲介者に二十万円、送り出し機関に六十万円支払って、それはすべて借金になっていると。話が違うと思ったんだけれども、途中で帰ろうとするとこの借金を返すことができなくなるので我慢してきたというお話。

 同じく、これは徳島県の縫製会社の例なんですが、普通に仕事をしていると突然仕事が遅いんだというふうに怒られてしまった、そのために本人、中国人の方ですが、昼休みを削って、さらに残業もしたけれども、残業代請求もしなかったと。一生懸命働いて多くの仕事をこなしたけれども、あなたなんか要らないんだというふうに言われて、結局帰国させられた。

 なぜそんな嫌がらせをやるかというと、最初の一年間は研修生だから労基法の対象にならないんだけれども、一年たつと技能実習生になるので労基法の適用となって、コストも高く掛かるしあるいは労基署の監督対象になるということで、嫌がらせをして出してしまうと。正に、ちょっと言い過ぎじゃないと思うんですが、現代の奴隷労働みたいなことがいろいろ起こっている実態がある。

 これ、こういう制度をつくったときには、与野党を問わず、こういった形では本当に人権は守れるのかということは国会で何度も問題になってまいりまして、その都度、解決する解決するというふうにおっしゃったんですが、先ほど示したようにどんどんどんどん違反事例は増えているという実態なんです。

 大臣にお伺いしたいんですが、政府はこの制度の点検というのを何度も指示していますね。制度改善、検討を何年も前から言っていますが、こういうふうに違法事態が続いているという実態をどうお考えでしょうか。

国務大臣(川崎二郎君)

 今御指摘いただきました研修・技能実習制度、我が国で取得した技術等を母国において生かすことにより母国の経済発展や技術の進歩に寄与すること、この趣旨に沿った制度の適正な運用ということがなければならない。しかし、今、九百六事業場を調査した結果、七百三十一の事業場、違反率八〇・七%と、こういう結果になっております。

 制度趣旨の理解不足を背景に一部の、一部のというより多くの受入れ機関において、研修生、技能実習生に対する研修手当、賃金の一部不払、パスポートの不適切な管理、こうした問題が出てきております。

 厚生労働省としては、国際研修協力機構、JITCOを通じて、受入れ団体・企業に対する制度趣旨や関係法令の周知徹底のためのセミナーの開催、計画に基づく研修、技能実習の適正な推進等に進めてまいりましたけれども、一方で、労働基準監督署の方でチェックをさせているところでございます。

 いずれにいたしましても、こうした実態に照らし合わせながら、法務省を始めとした関係省庁と連携を取りながら、制度の適正な運営に努めてまいりたいと、このように考えております。

 特に、研修生の法的保護の在り方や研修生、技能実習生に対する受入れ機関の管理体制の強化等についてしっかりもう一度検討を行い、研修・技能実習制度の本来の趣旨に戻るようにしっかりやっていかなければならないという認識をいたしております。

小池晃君

 今日、今お話ありました財団法人国際研修協力機構、JITCOの専務理事にも参考人でおいでいただいております。

 お聞きしたいと思うんですが、このように毎年毎年、入管法令、労働関係法令違反の事例が増えている。しかも、例えば最近の例ですが、二〇〇四年十一月に徳島で、研修生、実習生を不法に働かせたとして入管法の不法就労助長容疑で受入れ団体の徳島県研修協同組合と、そこから溶接の技能実習を行うはずの研修生を受け入れて違法に働かせていたボロニヤ四国などが摘発されているんですね。

 これ、極めて悪質な事案なんですが、JITCOは事件発覚前の二〇〇四年六月に協同組合に立入調査を行って、九月に自主点検も行っていたのに問題を発見できなかった。こういうふうにずっと一貫して問題になって指摘もされながら、問題を発見できない、改善されない。この事態についてJITCOとしてはどうお考えですか。

参考人(佐田通明君)

 おっしゃいましたように、JITCOでは、法令違反等がないようにということで巡回指導をやっておりました。そして、関係法令あるいは技能実習のガイドライン等を説明しているわけでありまして、大臣がおっしゃったような賃金の未払とか実習場所の無断変更というのがあった場合は、文書の改善を指導する。

 それから、入管法関係につきましては、入管局から依頼を受けて調査をして、その結果を報告していると、入管局に報告しているということでございます。特に悪質な場合には、関係当局に情報提供して、その措置をお願いしております。

 それから、具体的な例で……

小池晃君

 それはいいです。

参考人(佐田通明君)

 よろしゅうございますか。

小池晃君

 結局、通報して、入管当局あるいは労基署に通報してということで、JITCOそのものに権限がないということが非常に問題だと思うんですね。

 しかも、その体制面にも問題があって、今、四国の例を挙げましたが、一万人が四国では外国人研修生、技能実習生いるんですが、この四月に松山に事務所できるまでは高松にしかなかった、わずか三人だった。各県に相談員というのはいるそうなんですが、わずか一名ということで、非常に貧弱な体制になっている。

 JITCOのホームページを見ますと、使命としては、研修生、技能実習生の悩み相談にこたえて法的権利を保障すると掲げていますけど、こんな貧弱、貧弱と言っては失礼ですけれども、体制で権利保障ができるんですか。

参考人(佐田通明君)

 駐在事務所を設けて実施しているわけでありますが、おっしゃいましたように、私ども、今まで十八ございましたけれども、関東地方のを統合いたしまして、問題の起こりました四国あるいは中国地方に新しくつくるということで対応いたしております。

 制度は、確かに人数は少ないんでありますけれども、今日も職員を呼んで研修をしておりまして、職員の能力のアップを図りながら対応させていただきたいと考えております。

小池晃君

 私は、構造的な問題がやっぱりあるんじゃないかと思うんですね。

 先ほど言ったように、JITCO自体は、外国人研修生、実習生に対する権利保障に対して権限を持っていない、その上に体制も非常に、少ないと率直におっしゃったけれども、不十分だと。

 しかし、ここで指摘したいのは財政構造なんですね。これ、賛助会費を受け入れているわけです。団体、企業からの資金が全収入の約半分を占めているわけです。言わばお客さんである受入れ団体や企業に対して厳しい指導ができるんだろうかという問題なんです。これ、十万円、年間十万円の会費なんですね。

 先ほど指摘したボロニヤ四国の事件に関しては、地元の徳島新聞というのはこう書いているんですね。JITCOの運営が賛助金で成り立っていることを考えれば、賛助金を納める事業所や協同組合に対して厳しい調査ができるはずがないという関係者の声を紹介しているんです。

 JITCOとしてこういう指摘をどういうふうに考えておられますか。

参考人(佐田通明君)

 私どもは、会員に限らず、幅広く事業計画を作って書類の点検、あるいは入管局からの依頼等の調査をやっておるわけでございます。

 そして、会費のところでございますけれども、会費は、第一次受入れ団体というところがございまして、私どもが直接行く各企業の、個々の企業から会費をいただいているという仕組みにはなっておりません。したがって、今後とも会費について、会費をもらっているから手を抜いているということは今までもないというふうに私どもも思っておりますし、御指摘のことのないように努めたいと考えております。

小池晃君

 いや、ないように努めたいと言いながら、実態としてはチェックできていないわけですよ。

 受入れ団体通じて会費や賛助会費を集めると。で、なぜ年間十万円も払うかというと、理念に賛同してというのもあるとは思うんですが、先ほどお話あったように、これは賛助会員になればJITCOが申請代行をしてくれる、その結果、入管の許可が早く下りるという実利があるわけですね。JITCO自身もパンフレットでこう言っているんです。申請書類の提出とその許可をもらうための時間、労力を節約することができますので是非御利用くださいと、こう言って賛助会員を集めているわけですよ。

 しかも、問題なのは集めた資金がどう使われているかということなんですが、ちょっとお伺いしたいんですが、JITCOの理事長の年間役員報酬額、それから常勤役員に対する役員報酬額というのは年間で幾らになるんでしょうか。

参考人(佐田通明君)

 それぞれ申し上げますと、年俸のベースで申し上げますと、理事長が千七百三十万円、それ以下、千六百四十万円が専務理事、常務理事が千五百五十万円、理事が千四百六十万円という状況でございます。

小池晃君

 役員報酬総額。

参考人(佐田通明君)

 役員報酬総額、ちょっと計算して、申し訳ございませんが、ありませんですが。

小池晃君

 一応通告してあったんですけど、役員報酬、役員は七人、常勤役員ですね。ですから総額で一億九百六十三万何がしということになるんではないかというふうに思うんですが。

 この七人の常勤役員というのは、これは一人を除くとすべて天下りですね。間違いございませんか。

参考人(佐田通明君)

 おっしゃるように、公務員の経験の方がおられますが、各省から来られております。

 それから、役員といっても、全部……

小池晃君

 常勤役員。

参考人(佐田通明君)

 はい、常勤役員も全部部長を兼ねております。私も専務ですけれども事務局長をやっておりますので、そういうそれぞれラインの中で仕事をしているということは御理解を賜りたいと思います。

小池晃君

 いや、仕事していないとは言ってないわけで、天下りかどうかという確認だったんですけれども、七人のうち、一人を除いてすべて天下りなんです。

 この役員報酬というのは財団収入の五%を占めるんですね。これ、わずか七人の常勤役員報酬のために費やしていて、しかも役員以外でも法務省から四名、厚生労働省から四十六名天下りをしている。

 JITCOの役員、これは常勤役員でない役員のメンバーは、奥田さん、日本経団連会長、それから澤田陽太郎元厚生労働事務次官などが、そうそうたるメンバーが官界、財界から名前を連ねて、そういう威光を背景にして受入れ団体、企業から資金を集めて天下りの受皿をつくっていると言われても仕方ないんじゃないか。しかも、ここに補助金、委託金で年間六億円の国費が投入されているわけであります。

 私、大臣、お伺いしたいんですが、こういう今のJITCOの実態、非常に問題が解決されない、むしろ違反事例なんかどんどんどんどん増えている中で、権限もなく体制も不十分で、しかも受入れ企業に対してきちんと物が言えないようなこういう団体を中核に据えて制度の推進を図っていくのでいいのか。私は、体制、権限ともに受入れ企業に強力に指導ができる機関を中枢に据えて、制度の理念と実態が懸け離れているわけですから、しっかりそれ一致させるような方向に根本的にこの仕組み見直す必要があるんじゃないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 当然、権限あるなしは別として、JITCOが期待される役割を果たし得ないということになれば、今御指摘いただいたような議論が当然出てくることになるであろうと。

 そういった意味では、今日お見えになっていますから、やはり期待される権限、仕事というのはしっかりしてもらわなきゃならないということは今日は申し上げておきたいと思います。

小池晃君

 これは、もう本当に十年来指摘をされ続けながら一向に改善していない、しかも状況は悪化を続けているわけですから、私、真剣にこれは在り方を見直す必要があるということを申し上げておきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

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