私は、日本共産党を代表して、内閣提出の国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
政府案は、三位一体改革の名の下で国庫補助金を削減し、その一部を税源移譲とするものです。昨日の参考人質疑でも、削減額と比較して移譲額が少ないという問題が指摘されていました。財政難と相まって住民サービスへの影響が懸念され、地方自治体から厳しい批判の声が上がっています。自治体間の格差の一層の拡大は避けられません。
質疑の中で、特別養護老人ホームの待機者数は昨年から更に増えていることも明らかになりました。にもかかわらず、政府は特養の整備が進んでいるとして、特別養護老人ホームなどを対象とした都道府県交付金を廃止しようとしています。廃止する補助金額の五〇%しか税源移譲は行われず、深刻な特養の待機状況は悪化することは明らかであります。
また、公立施設整備費補助金の廃止は、身体障害や知的障害の施設整備について国の責任を後退させ、財政的に大変な地方に更なる負担を押し付けるもので容認できません。身体障害や知的障害の施設整備が更に遅れることが懸念されます。
児童手当の受給年齢や所得制限の緩和は、私どもも繰り返し求めてきたことであり、一層の拡充が必要です。しかし、児童手当、児童扶養手当については、地方には一切の裁量がなく、国庫負担率を引き下げ、財政負担だけを地方に押し付けることは容認できません。
合計特殊出生率が過去最低になる中、子育て対策の重要な柱の一つである児童手当については、国が財政責任を維持するべきであります。基礎年金の国庫負担率を引き上げることは当然の措置ですが、その財源を定率減税の廃止という庶民増税に求めることは容認できません。
以上を申し上げまして、反対討論とします。