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均等法改正案を可決
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採決に先立つ質疑で、日本共産党の小池晃議員は、男性を総合職、女性を一般職とするなど、「雇用管理区分」を用いた間接差別が温存・拡大されていると、具体的な事例をあげて指摘しました。
小池氏が示したのは、名古屋銀行で二十七年間、パートとして働く坂喜代子さんのケースです。
坂さんは、二十七年間で時給アップはわずか三百七十円。勤務時間は、朝九時から夕方五時までと、ほとんど正社員と変わりません。職務内容も同一です。
小池氏は「同年齢の男性正社員の月収が五十六万六千円なのに、勤務時間が一時間十五分短いだけの坂さんは八万三千円。賞与は八十九万円に対して一万八千円。パートのなかには男性は一人もいない。さらにフルタイムパート制度まで導入された」と指摘。実態の背景には、均等法の指針に「雇用管理区分」の考え方を明記していることがあるとのべ、指針からの削除を迫りました。
川崎二郎厚生労働大臣は、「パートでも正規職員と変わらない形で働いていながら、大きな差がついてる問題は、大きな課題だ。考え方がまとまれば、国会で方針を示したい」と答弁。フルタイムパートの募集が女性限定で行われていれば、均等法違反だとの認識も示しながら「チェックしていかなければいけない」と述べました。
日本共産党と社民党は二十七日、参院厚生労働委員会で男女雇用機会均等法改正案の修正案を共同提案しました。
修正案は、性別による間接差別を原則禁止とした上で、禁止する差別の対象に「賃金」を明記。全国転勤が可能か否かなど、女性が実際には満たしにくい条件を課すことで実質的に行われる差別を禁止し、それに伴う賃金格差を是正できるようにしています。
このほか、▽基本理念に仕事と生活の調和を加える▽労働者の婚姻を理由とする不利益取り扱いの禁止▽賞与、退職手当の支給を行う場合、産前産後休業期間を出勤扱いにする―などを盛り込んでいます。
日本共産党の小池晃議員は賛成討論で、「現に問題となっている事例のほとんどは、間接差別に伴う賃金格差の是正が課題となっており、その解決のためには間接差別の禁止の対象に賃金を加えることは不可欠」と主張しました。
修正案は、自民党、公明党、民主党の反対で否決されました。
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