間接差別禁止に実効性を
均等法「改正」案 限定列挙に批判次々
参考人質疑
参院厚生労働委員会は二十六日、男女雇用機会均等法(均等法)「改正」法案の参考人質疑を行いました。傍聴席は「均等法を働く女性の差別是正に役立つ実効ある法律に」と労働者や女性団体代表で埋まりました。
法案審議の焦点となっている「間接差別」の限定列挙について、「三つの限定は、結果的に、裁判や労使関係での差別限定につながっていく」(龍井葉二日本労働組合総連合会総合人権・男女平等局総合局長)、「指針で例示列挙するべきだ。それが社会的構造的差別を是正する『間接差別』禁止に妥当である」(山田省三中央大学法科大学院教授)など批判が続きました。
坂本福子弁護士は、四十六年間、女性差別を問う裁判に携わってきた体験を交え、(1)仕事と家庭の両立の明記(2)間接差別の限定列挙をやめる(3)ポジティブアクション(積極的格差是正措置)を義務規定に(4)賃金差別禁止の明記を要求しました。
とくに間接差別の限定列挙について、「均等法に限定されているから行政は間接差別として指導できないとなれば、裁判所は公序良俗違反とは判断しない。限定列挙は、はずすべきだ」と強調しました。
日本共産党の小池晃議員は、参考人の西村かつみ住友電工情報システム株式会社総務部チーフマネジャーに対し、「今度の均等法改正法案は、(間接差別禁止を定義した法律制定を求める)国連女性差別撤廃委員会の勧告にこたえるものになっているのか」と質問。西村氏は「間接差別禁止にこたえるものになっていない」と答えました。
また小池氏は、坂本氏に対し、男女同一賃金の原則を定めた労働基準法四条で、正規雇用の女性労働者と非正規雇用の女性労働者の賃金格差に対応できるのかどうかを質問。「労基法四条は使えない。だから均等法に、賃金における男女の差別禁止の条項をきちんと明記するべきだ」と答えました。
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