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均等法「改正」案
転勤条件に昇進差別
政府 対象として検討せず

2006年4月26日(水)「しんぶん赤旗」より転載

小池質問で明らかに

写真

(写真)質問する小池晃議員=25日、参院厚生労働委

 日本共産党の小池晃議員は二十五日、男女雇用機会均等法(均等法)「改正」法案について審議している参院厚生労働委員会で、全国転勤を昇進の条件にしているなどさまざまな要件を課して間接的に女性差別をしている例をとりあげ、法案の不備をただしました。

 小池議員がとりあげたのは、全国社会保険診療報酬支払基金の例です。「支払基金」では、係長から課長への昇進の際の条件として「全国転勤要件」が課せられ、女性の課長への昇進が阻まれています。四十五―六十歳平均で一人当たり千三百万円の賃金差となり、退職金や年金の格差にもつながっています。

 小池議員は、「昇進にあたって、転勤経験を要件としている企業がどれだけあるのか」と質問。北井久美子雇用均等・児童家庭局長は、調査をしたことがないことを明らかにしました。

 審議されている均等法案は、こうした「間接差別」について省令で、(1)募集・採用における身長・体重・体力(2)総合職の募集・採用における全国転勤(3)昇進における転勤経験の三つに限定して禁止するとしています。

 小池議員は、募集・採用時の全国転勤要件と、支払い基金がとっている昇進との際の全国転勤要件の違いはどこにあるのかをただしました。北井雇用均等・児童家庭局長は「法案は募集・採用時の要件で、全国転勤が昇進の要件である支払い基金の場合とは異なる」と答弁しました。

 小池議員は「募集・採用という雇用の入り口か、昇進時かの違いだけで、どちらも明確な『間接差別』ではないか」と批判。北井雇用均等・児童家庭局長は「昇進時の全国転勤要件は、労働政策審議会において、議論がなく、そのため対象としなかった。今後の省令の検討見直しにおいて、この件を、検証の対象としていきたい」と答弁しました。また、北井局長は、支払い基金の調査を約束しました。

 小池議員は、「こんな大事な問題を議論がなかったですませるのか。重大問題だ」と至急に検討することを要求しました。さらに「限定列挙ではなく、例示列挙にすべきだ。間接差別をできるだけなくすという法の趣旨からも、法案の重大な問題点として修正を求める」と要求しました。


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