これで“家庭にやさしい企業”?
毎日残業なのに表彰
小池議員指摘
「ファミリーフレンドリー(家庭にやさしい)企業」として表彰した企業について、子育て支援の実情は公表できない―厚生労働省のおかしな対応が三月三十日の参院厚生労働委員会で失笑を買いました。日本共産党の小池晃議員がとりあげたものです。
厚生労働省は毎年、仕事と育児・介護が両立できるような制度を設けて効果を上げている企業を「ファミリーフレンドリー企業」として表彰しています。昨年はソニー、東芝、松下電器産業が厚生労働大臣優良賞をうけ、ヤマハが努力賞になりました。
小池氏 表彰企業の男性の育児休業取得の実績はどれだけか。
北井久美子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 公表は表彰企業との関係で差し控えたい。
表彰基準では数万人の従業員のなかで一人の取得でもいいとなっています。
小池氏が「小さすぎて公表できないのではないか」と重ねてただしたのに対し北井局長はやはり公表を拒否。自民党議員からも「何で出さないんだ」「おかしいじゃないか」と声が飛び、北井局長は「男性の育児休業取得者は優良賞の企業には複数いる」と答えるのがやっとでした。
小池議員は表彰された東芝の事業所では年間九百時間まで残業できる特別協定があるとして「毎日四時間残業、帰宅は深夜だ。これでファミリーフレンドリー企業なのか」と追及。千人以上が働く川崎の同社事業所が昨年十二月に労働基準監督署からサービス残業の摘発を受けたことも指摘しました。
小池氏が「日本の正社員の長時間労働は悪化している。一方で膨大な非正規雇用がいる。異常な職場環境を変えない限り、少子化に歯止めをかけることはできないのではないか」と問うたのにたいし、川崎二郎厚労相は「非正規雇用、フリーターを正規雇用に変えていく努力が社会として求められている。労働時間は法に照らしてきちんと対応しなければならない」と答えました。
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