石綿新法
新たな救済格差生む
小池議員 “柔軟運用で解消を”
アスベスト(石綿)健康被害救済新法では、救済されない人が新たに生まれる―。二十八日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員は、労災の時効救済の対象者が一九四七年九月一日から二〇〇一年三月二十六日の期間に限定されている問題をとりあげ、救済に新たな「格差」がもちこまれないよう「経過措置」などの柔軟な運用を要求しました。
二十七日に施行された健康被害救済新法は、労災保険法の特例で、遺族補償給付の時効(死後五年)となった場合も救済対象としました。しかし、五年の時効はそのままとされました。このため、〇一年三月二十七日以降に亡くなった労働者は、五年以内に申請しないと時効となり、労災保険で補償されません。
時効救済が認められて労災となる場合、遺族は特別遺族年金二百四十万円(遺族一人の場合)、特別遺族一時金千二百万円の給付が受けられます。
一方、時効救済にならず、周辺住民と同じ新法による救済となった場合は、毎年の特別遺族年金はなく、特別遺族弔慰金二百八十万円と特別葬祭料二十万円だけ。
小池議員は、アスベストが原因で〇一年三月二十七日以降に死亡した労働者の遺族が「五年の時効後に請求しても労災補償が認められず、(補償額は)周辺住民の救済と同じ水準になってしまう」とのべ、「救済」というのに新たな格差、矛盾が持ち込まれる問題点を指摘、経過措置を求めました。
小池議員は、改定された労災認定基準で、苦痛をともなう検査を条件としている問題点も指摘、「一定期間の職歴と画像上での診断で労災認定すべきだ」と要求しました。青木豊労働基準局長は検査について個別に検討することを明らかにしました。
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