石綿救済法が成立
共産党反対「不十分な制度」
石綿(アスベスト)健康被害救済法が三日、参院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。
同法は、いままで中皮腫で死亡した約一万人に三百万円の特別遺族弔慰金を支給し、今後四十年間で十万人が発症するといわれている石綿での中皮腫患者と肺がん患者に、自己負担分の医療費と月十万円の療養手当を支給します。
本会議に先立つ参院環境委員会で、日本共産党の小池晃議員が反対討論に立ちました。小池議員は、周辺住民などに初めて救済対策が制度化されるのは一定の運動の反映としながら、(1)国と企業の責任があいまい(2)対象疾病が中皮腫と肺がんに限定されている―とし、「不十分な救済制度を認めるわけにはいかない」と反対の理由をのべました。
また、小池議員は、環境委員会に、対象疾病に石綿肺等を加えることなどを内容とする日本共産党の修正案を提出しましたが、賛成少数で否決されました。
■日本共産党の修正案ポイント
日本共産党が三日、参院環境委員会で提案した石綿健康被害救済法案の修正案のポイントは次のとおりです。
一、指定疾病に石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水を追加すること。
一、石綿健康被害給付基金への地方自治体の拠出をなくすこと。
一、石綿健康被害給付基金への中小・零細事業者の拠出を軽減すること。
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