石綿危険 71年に通達
小池議員 被害広げた国責任追及
アスベスト(石綿)健康被害をめぐって、旧労働省が「肺がんを発生する」「中皮腫という悪性腫瘍(しゅよう)が発生する」と危険性を指摘する通達を三十四年も前の一九七一年一月にだしていたことが、三日の参院厚生労働委員会で明らかになりました。日本共産党の小池晃議員の質問に、厚生労働省が答えたもの。
小池議員は、政府・業界が「管理して使えば安全だ」との立場に固執し、八〇年代に海外で使用禁止が広がっても日本では禁止が遅れ、健康被害を広げたと、国の責任を追及。尾辻秀久厚労相は、「八月中に政府のこれまでの対策を検証する。反省すべきことは反省する」と答えました。
通達は、労働省労働基準局長名で各都道府県の労働基準局長に出されたもの。肺がん、中皮腫について「石綿によるこの種の疾病を予防するため」の監督指導を求めたものです。厚労省の青木豊労働基準局長は「七〇年に学会の報告もあったという記録があるが、それ(七一年の通達)以前の文書はわからない」と説明しました。
小池議員は、八六年の労働者を保護するためのILO石綿安全条約の批准も二十年後の今国会となったとのべ、「管理して使えば安全だ」という国の立場があったためだと批判。二〇〇八年までの使用禁止ではなく、「ただちに使用禁止すべきだ」「国の責任を明確にして対策をうちだすべきだ」と、新法も含めた総合的な被害者の救済・補償を求めました。
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