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162通常国会 参議院厚生労働委員会

  • 石綿危険 71年に通達/小池議員 被害広げた国責任追及(関連記事

2005年8月3日(水)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 先ほど、今の議論をお聞きしていて、非常に私どうかなというふうに思ったのは、対策は打ち出しましたと、責任問題の検証はこの後ですという議論なんですけれども、私これは順序が逆じゃないかというふうに思っていまして、対策を打ち出すからには今までの厚労省の対応、政府の対応に何が問題があったのかということが土台になければ本当の意味での正しい対策打ち出せるはずがないわけですよね。その点で、大臣に、私は、労災認定数少ないとはいえども、二〇〇四年度百八十六人ということで、十年前に比べると約九倍です。中皮腫で亡くなられた方は六千人であります。家族や周辺住民への被害も広がっている。

 やはり、基本的な認識として、いつどこでどう間違ってこれが原因だという細かい検証は、それはこれからあるかもしれない。しかし、基本的な認識として、やはりこういう被害が生まれたのはやむを得なかったということなのか、それとも厚生労働省の対応にやはりこれは問題があったということなのか、そこがやっぱり基本的な認識をまずお示しいただかないと、私、議論始まらないと思うんですね、そういうことは後の検証ですというふうになっちゃうと。

 その点で率直に、私、最初に尾辻大臣に、やはりこの間の対応について、これははっきり言って問題あったのかどうかと、その点についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今、私どもは、順番としてはこう考えております。まず、緊急にやらなきゃならぬことをやろうと、緊急にやらなきゃならぬことは相当ありますので、まずそれやりたい。これ、申し上げておりますように、西副大臣をキャップとしてチームをつくりましたけれども、毎日議論をいたしております。議論いたしておりますというのは、どういうことをやるべきか、もう今日やることは何なのかということで、毎日毎日かなりの時間掛けてそれをやっておるわけでございまして、緊急にやることをまずやろうということがまず最初にやるべきことというふうに思っております。

  〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕

 その後で、これは本当に逃げるつもりはありません、しっかりと検証をいたします。そして、まずかった点も洗いざらい出して、そして検証をして、反省すべきことがあれば当然反省もして、その上で今度は長期にわたってやるべき対応が出てくる、それをしっかりやろうというふうに考えておるところでございます。

 したがいまして、今検証をいたしておりますので、そしてそんなに長い時間お待ちくださいということを申し上げるつもりはありませんので、検証の時間をしばらくおかしくださるようにお願いを申し上げます。

小池晃君

 間違っていたからこそ検証しなければいけないということになっているわけで、そのところのやはり基本的な認識というのははっきり私は示すべきだと、それが議論の前提だというふうに思いますが、ちょっとそこで押し問答しても進まないので、じゃ具体的にどういう問題があったのか、ちょっと個別にお伺いしていきたいと思うんです。

 細田官房長官は、より早く禁止措置がとれればよかったというふうに述べているんですが、青木局長にお聞きしたいんですが、アスベストによる発がんの危険性について、一番早い時点で厚生労働省として、当時の労働省も含めて、把握していたのはいつのことかお答えください。

政府参考人(青木豊君)

 これ、昭和四十六年一月一日付けの通達において、最近、石綿粉じんを多量に吸入するときは石綿肺を起こすほか、肺がんが発生することが判明し、また特殊な石綿によって胸膜などに中皮腫という悪性腫瘍が発生するというふうにされておりますので、この時点、昭和四十六年当時にはもう既に把握していたものと思います。

  〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕

 なお、昭和四十五年にも学会等での報告ということがあったということも記録をされておりますが、それについては更に詳細に、これ以前につきましては記録等がございませんので、確かなことは分からないということでございます。

小池晃君

 昭和四十六年、三十年前なんですね。その通達は、そういう発がんの可能性指摘して、しかし需要は急速に増加していると。だから、注意して使うという方向が打ち出されているわけです。これが実際、その後、よりその発がん性ということが確定していく中でどう変わっていったのかと。私自身は本当にもう、昭和四十六年の時点で発がん性まで指摘していたということ本当に驚きなんですが、一九八〇年にWHOが石綿を発がん性物質と断定したという報道があります。

 局長、八〇年前後にILOやWHOが発がん性を断定した事実を把握されていますか。

政府参考人(青木豊君)

 今、委員が御指摘になりました、一九八〇年にWHOが発がん物質と断定したということは、私どもとしては承知をしておりません。むしろそれより前の一九七二年、昭和四十七年にWHO、ILOの専門家会議等で石綿ががん原性物質であるということが公表されているということを承知しております。

小池晃君

 しかし、これ、私、ここに持ってまいりましたのは、一九八七年に産業医学振興財団が発行した「産業医学シリーズ」の「石綿」という資料です。この資料の中に、旧労働省労働基準局の化学物質調査課が、我が国の法規制とILOの動きと題した文章を書いております。その中でかなり、かなりというか、はっきり断定しております。ILOは、一九八〇年六月の総会で、職業性疾病の一覧表に石綿によって生じる肺がん又は中皮腫を加え、ILOがアスベストを肺がん物質と断定したという記述がございます。それから、WHOの下部組織、下部機関でありますIARC、国際がん研究機関が、一九七七年及び一九八二年の再評価で、石綿が人間にとってがん原性物質であるとするに足る十分な疫学的証拠が存在するという結論を確認している、そして、石綿の労働者に対する影響は国の内外を問わず認識されているというふうにしているんです。産業医学振興財団というのは、これは旧労働省の外郭団体だと思います。

 これ、私は正に、旧労働省が一九八〇年前後にILOやWHOがアスベストによる発がん性の断定を行っていたということを把握していた、私、動かぬ証拠だと思いますが、この点いかがですか。

政府参考人(青木豊君)

 ちょっとその点は承知しておりませんので、確認をしたいと思います。ただ、それより以前に承知をしていたというふうに理解をいたしております。

小池晃君

 以前に承知していたとすれば、こういうILOやWHOが、それまではがん原性物質という可能性を指摘していたのが断定しているという動きの中で、ヨーロッパはこれを受けて八〇年代に次々と、アイスランド、ノルウェー、スイス、デンマーク、スウェーデン、禁止措置をとっていったわけです。ところが、厚生労働省はこの時期に、八〇年代、石綿対策の経緯を見ても、ほとんど対策取ってないわけですね。私、国際的にこの発がん性が断定されていった時期に、厚生労働省がそれにふさわしい対応を取らなかったということが決定的に今の問題点引き起こしているんだということを申し上げたいと。

 それから、加えて、当時、業界団体にどういう対応をしていたのかということも聞きたいんですが、これ、私、今日ここに石綿スレート協会というところが出しているパンフレットを持ってまいりましたけれども、この中に一体何と書いてあるかといいますと、「くらしに役立つ石綿スレート アスベストQ & A」というのがありまして、その中で、パンフレットに、現在使用されている石綿スレートが破損しても、また古くなっても危険はないでしょうかという質問が載っているんですね。その質問に対して、危険ありません、破損しても古くなっても石綿繊維が飛散することはありませんと。このパンフレット、ほかにもいろいろとちょっと御紹介したいような物すごいこと書いてあるんですが、破損しても危なくない、これ、石綿スレート協会が一九八七年に出しているんですね。

 破損すれば危ないというのは、これ常識だと思うんですよ。ところが、業界団体はこういう宣伝していた。こういう、当時八〇年代、厚生労働省としては業界団体に何らかの指導をされましたか。

政府参考人(青木豊君)

 まず、先ほど申し上げましたように、昭和四十六、七年から既にその危険性を認識しておりましたので、昭和四十六年一月に作業環境の改善等についての指導、あるいは特定化学物質等障害予防規則などを制定いたしまして健康被害の防止に努めてきたところですが、その後も、昭和五十年にその特定化学物質等障害予防規則を改正いたしまして、事業者の責務としての代替物の使用を明記したり、あるいは石綿の吹き付け作業の原則禁止だとか、あるいは特定作業についての湿潤化を義務付けいたしまして、代替措置の促進として、さらに新たな分野での石綿製製品の導入を避けるように指導などもしてまいりまして、石綿の有害性の情報についても提供してまいりました。

 今お触れになりましたように、昭和五十年代後半から昭和六十年代、昭和六十三年には建築物の解体等の作業、あるいは平成四年には建設材料の切断等の施工作業における暴露防止対策について指導いたしまして、平成七年には、有害性の多い、高い茶石綿とか青石綿について製造、使用の禁止などを行って、その徹底を図ってまいりました。

小池晃君

 徹底を図っているって、その時期に正に、壊したって大丈夫ですと、破損しても危険はありませんと、こんなパンフレットを業界団体出している。これが実態なんですね。

 それから、ちょっと別の問題でお聞きしたいんですが、一九八六年にILO総会で石綿の使用における安全に関する条約が採択されて、これがようやく今国会で批准されたわけですが、承認されたわけですが、外務省に、採択してから二十年近く掛かった理由を端的に御説明願いたいと思います。

政府参考人(神余隆博君)

 お答え申し上げます。

 我が国は、一九七〇年代以来、石綿の使用における労働者の安全対策に積極的に取り組み、条約の求める規制のかなりの部分は国内法令により実施されてきておりました。しかし、条約の規定とは完全に整合していないというところもございました。

 また、労働者の安全を図るというこの条約の趣旨を踏まえれば、単に一部の種類の石綿の使用を禁止するのみではなく、国内で最も広く流通しておりますクリソタイル、いわゆる白石綿の規制が必要であり、そのために安全かつ低コストの代替品の開発を待つ必要があったという事情がございました。

 他方、近年ようやく代替品の開発が進み、昨年十月に施行されました労働安全衛生法施行令によりまして国内で流通するクリソタイルを含む石綿含有製品の大部分が規制されるということになりまして、さらに、本年七月一日に施行されました石綿障害予防規則、厚生労働省令でございますけれども、この制定によって条約上の義務を完全に果たすことが可能となりましたことから、本条約を国会に提出し、先般、御承認をいただいたところでございます。

小池晃君

 結局、つまり、厚生労働省対応をしていなかったから、国内法を整備できなかったから、これだけ時間掛かって、厚生労働省の対応を待って条約を承認したということになるわけです。批准がこれだけ二十年遅れた原因も、正に私は厚労省の対応の遅れにあったことは明らかだというふうに思うんです。

 加えて、国土交通省にお聞きしたいんですが、二〇〇四年に建築基準法施行令の規制で石綿規定を削除していますが、その理由を教えてください。

政府参考人(山本繁太郎君)

 建築基準法令では、例えば施行令で、いろいろな建材を使いました場合の使用規定を設けております。それから、例えば建物の耐火構造につきまして、構造方法については国土交通大臣の定めるところによるとしておりまして、これを告示に任せているわけでございます。

 昨年、労働安全衛生法施行令の一部を改正して、石綿含有建材の製造、輸入、譲渡、提供又は使用が原則禁止となるというタイミングに合わせまして、これをすべて削除しまして、例えば建物の耐火構造については、石綿含有製品を使ったものは構造方法として認められないという形で措置したところでございます。

小池晃君

 先ほどの条約もそうですが、建築基準法施行令も、厚生労働省の対応を待って、で、石綿の規定を削除した。この点でも、厚労省の対応の遅れが他省庁の対応を遅らせているということになっているわけです。

 国土交通省に更にお聞きしたいんですが、今回、規定を削除しましたが、これは在庫にも適用されるんでしょうか、この禁止規定は。

政府参考人(山本繁太郎君)

 建築基準法令におきましても、改正後の労働安全衛生法施行令と同様に経過措置を設けておりまして、施行以前に輸入、製造等されたものについては適用されないということになっております。

小池晃君

 しかし、これが使われると、駆け込み的にやられるという危険も報道されている。私は、これ、在庫も含めて直ちに国土交通省、禁止すべきだと思いますが、なぜそれをやらないんですか。

政府参考人(山本繁太郎君)

 労働安全衛生法施行令で経過措置を設けたと同じ考え方で、経過措置が必要であると判断したものでございます。

小池晃君

 結局これも、やはり厚労省の対応で、在庫をまだ使えるというふうになっているからこういうことになっているわけです。大臣、これやはり、二〇〇八年までに全面禁止ということはありますけれども、直ちにこれやはり使用禁止にするということに、他省庁が厚労省眺めで止まっているわけですから、ここは踏み込むべきじゃないですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 ただいまの件でございますが、在庫品につきましては、七月の二十六日に既に関係業界に販売の即時停止を要請いたしたところでございます。

小池晃君

 いや、要請だけじゃなくて、これ直ちにやはり法律的使用禁止という措置をとるべきじゃないですか。

政府参考人(青木豊君)

 これは、今委員もお触れになりましたけれども、在庫だけではなくて全面禁止の問題も同様でありますけれども、これは罰則を持っている規制法令でございますので、所要の手続等も必要でありますし、WTO等への手続等々もございまして、そういう方針を含めて早急に検討したいと思っておりますけれども、いずれにしても、そういう手続を経た上、あるいは一定の周知期間というようなものも必要でございますので、そういったこともできるだけ早期に結論を得て、そのための検討作業は既に着手をいたしております。

小池晃君

 大臣、私、いろんな角度から問題取り上げましたけれども、やはり厚労省が基本的に、昭和四十六年の通達の時点から発がん性を指摘しながら、使い方気を付けますと、言わば管理して使えばいいんだというところからスタートした。この時点から更にその発がん性ということが医学的にもかなり確立してきたにもかかわらず、基本的には、管理して使えば安全なんだと、できるだけ管理して管理してという立場でやってきたことが、私は、条約の批准も遅らせたし、あるいは各省庁の対応も影響を与えてきたという面は否定できないだろうというふうに思うんですよ。

 やっぱりこのアスベストの危険性というのを一番知り得る立場にあったのは厚生省なんです。そういう省庁が、管理して使えば安全だという立場にしがみついて、やはり機敏な対応を取らなかったということが政府全体の対策を遅らせる私は大本にあったのではないかというふうに思うんですが、大臣、その点での見解、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今の、これは世界的にも管理使用か全面禁止かという議論はあったようでございます。当然我が国の中でもそうした議論がございました。そうした中で厚生労働省として取ってきたことについては今局長からも御説明申し上げたとおりでございます。したがいまして、こうしたことが果たして検証してみて、今日検証してみてどうであったかということは、再三申し上げておりますように、この際私どもはしっかりと検証したいというふうに考えております。

小池晃君

 じゃ、大臣、その検証という意味は、正に九月に出される緊急対策というのは、やはり管理して使用すれば安全なんだという一種の基本的な安全神話といいますか、安全だと言っているわけじゃないですけれども、管理して使えばいいんだという考え方にしがみついてきた。検証という中には、そういう考え方にやはりしがみついてきたということについての責任ということも含めて私は検証されると、それが重要だというふうに思いますが、大臣はいかがお考えですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 これは各省それぞれの立場がございますので、それぞれの立場で今日までの対策を取ってきた。そうした中で、政府全体で検証しなきゃいかぬということで今政府全体で検証しておるところでございますから、これは決して逃げるつもりは全くありません。しっかりと、しっかりとという言葉の、まあ私が申し上げていることを是非御理解いただきたいと思いますけれども、検証を政府全体でいたしたいと存じております。

小池晃君

 私が聞いたことにお答えになっていないんですけれども、私が言ったのは、やはりこの間の考え方として、管理して使用すれば安全だというところにやはり厚労省の対応の基本を置いてきたこと、このこと自体をやっぱり見直すような検証が必要なのではないかと、その点についてお伺いしたんです。

国務大臣(尾辻秀久君)

 この件につきましては、もう平成二十年までの全面禁止、そしてできるだけ前倒しをする、このことを今言っておるところでございますから、全面禁止の方向である、方向といいますか、全面禁止であるということはもう間違いのないところでございます。

小池晃君

 それでは、これからそうするというのは、それはいいんですよ。これまでの対応にやっぱりそういう問題点があったということをやはり検証なり反省なりの土台にするべきではないかと私は申し上げているんです。もう一回、どうですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 再三申し上げておりますように、そこの部分を検証をいたします。

小池晃君

 国とアスベストを製造し続けた企業の責任というのがはっきりすれば、今後の対策や被害者の救済策、あるいは解体工事の安全対策などでの対応もはっきりしてくるというふうに思うんです。私は、関係者や小規模事業者に責任を転嫁するというのではなくて、やはり国の責任明確にして、制度面、財政面も含めてこれは新法も必要となってくるというふうに考えますが、その点では大臣、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今政府全体で取り組んでおるところでございますから、今御指摘いただきましたようなことを含めまして政府全体で取り組みます。

小池晃君

 是非それをしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 前回、労災認定の問題も私取り上げまして、簡素化という点では一定の方向も出されて、ちょっともっともっとやはり、私は、基本的には医学的に石綿による肺がんあるいは中皮腫ということであって、建材の九割にアスベスト使われているわけですから、建築現場で働いていたということさえあれば、その従事期間が幾らかとか、実際に吸引したかどうかの証明抜きに、やはり建設現場で働いているというのは基本的にはすくい上げるという立場で救済をしていくという考え方が重要だというふうに思うんですが、その点はいかがですか。

政府参考人(青木豊君)

 これは使用者の損害賠償責任というものに基本を置いている労災補償制度でありますので、やはり事業、業務上の災害という一点はやっぱり必要だと思います。ただ、非常に長い潜伏期間でありますし、そういったことについての証明等について非常に難しいというのが事実でございますし、御指摘もございまして、できる限り迅速に認定するような取扱いというものをいたしたところで、今後もそういうことでこれらについては対応していきたいというふうに思っております。

小池晃君

 最後に、先ほど岸本参考人からも御指摘がありました抗がん剤の承認の問題なんですが、アリムタ、ペメトレキセドですね、一般名。岸本参考人はそれよりも早期発見だとおっしゃって、それは私もそのとおりだというふうに思うんですが、既にアメリカやEUでは承認されているわけです。やはり患者、家族の皆さんからは要望も出ておるというふうにお聞きをしておりまして、やはりこのペメトレキセドの早期承認ということについては、こういう事態も踏んまえて格段の配慮をする必要があるのではないか、日本でも早期承認の道を開くべきでないかというふうに考えますが、大臣、最後にこの点についてお伺いして、私の質問を終わりたいというふうに思います。

国務大臣(尾辻秀久君)

 御指摘のペメトレキセドでございますけれども、これは、抗がん剤でありますシスプラチンとの併用薬剤として、悪性胸膜中皮腫の効能、効果で欧米において既に承認されておるものでございます。したがいまして、本剤についてでございますけれども、国内ではまだ未承認でございますけれども、本年一月の第一回未承認薬使用問題検討会議において国内で治験を早急に開始すべき旨の結論を得て、三月にシスプラチンとの併用療法に係る治験が開始されたところでございます。

 このように、抗がん剤など欧米で承認されている国内未承認の薬剤につきましては、さきに申し上げました未承認薬使用問題検討会議を設置して、国内での迅速な治験に結び付けるべく取り組んでおるところでございます。本剤につきましても、こうした取組に加えまして、薬事法上の承認申請がなされた際には、臨床試験成績などの提出データに基づき、有効性、安全性について迅速に審査をいたします。

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