「偽装請負」調査を約束
建設労働者雇用改善法「改正」
小池議員に政府
参院委
日本共産党の小池晃議員は七日の参院厚生労働委員会で、建設労働者雇用改善法「改正」案について質問しました。この法案は、建設業内に限って労働者派遣を認める労働者就業機会確保事業等を創設するものです。
小池氏はまず、請負を装って人を派遣する「偽装請負」について質問。建設業界紙上で「マルソ」という会社は「どこでも迅速に人材派遣。作業員八百人をエリアごとに点在する宿舎に分散させ、連絡があれば、いつどこにでも人材を提供する点がわが社の強み」とPRしていることを示し、これは「労働者派遣法に違反するのではないか」とただしたのに対し、厚生労働省の青木功職業安定局長は「実態はつかんでいない。調査する」と約束しました。
小池氏は、こうした偽装請負業者や人材派遣会社が、建設業の許可を取得したり、建設会社を買収して新設される事業に参入することも可能になると指摘。「これでは事実上の派遣解禁であり、労働者の権利が守られる保障はない」と強調しました。
さらにこうした「偽装請負」は労働災害などをきっかけに発覚するのが実態で、その取り締まりを専門に扱う需給調整指導官が、全国に二百七十三人しか配置されていないとし、人員の大幅増と労働基準監督官並みの権限の強化を要求しました。
尾辻秀久厚労相は「専門職員の配置など必要な対応はとる」と答弁しました。
偽装請負
仕事の完成を目的に、発注元企業から業務の一部を請け負うことが「業務請負」です。請け負った企業は労務管理の全面的な責任を負う必要があり、発注元企業が労働者を指揮命令することはできません。事業者に対するルールを派遣法で定めている派遣に対し、請負には特別の法も監督官庁もありません。そのため、派遣法の規制を免れようと、実際は発注企業が労働者を指揮命令する派遣なのに、請負を装って労働者を「貸し出す」、違法な「偽装請負」が横行しています。
|