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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

163特別国会 参議院厚生労働委員会

  • 食費・居住費負担「介護」では自殺も/医療へ導入やめよ/参院厚労委 小池議員が迫る(関連記事

2005年10月27日(木)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 前々回に続いて今日はホテルコストのことをお聞きしたいんですが、介護保険施設入所者の食費、居住費、十月から全額自己負担で負担増になって、しかも基準費用額を超える料金の徴収という事態が起こっています。要介護五、利用料四段階の場合、食費の基準は四万二千円、相部屋については一か月の居住費一万円が基準費用額というふうにされていますが、山口県のある施設では、相部屋の居住費が二万一千円、さらに食費は五万四千円、これまで五万六千四百円の負担が十一万五千円に、五万円以上上がっているんですね。それから、栃木県のある施設では、居住費一万五千円、食費は五万六千四百円。

 このように基準費用額を上回る料金設定がされるのはなぜか、これは自由に決めていいのか、簡単にちょっと御説明ください。

政府参考人(磯部文雄君)

 食費、居住費につきましては、将来的な保険料の上昇を抑え、また在宅との負担の公平ということから、御指摘のとおり十月一日から保険給付の対象外となりました。それに伴いまして、その個々の利用者の具体的な居住費、食費につきましては、当該施設における建設費用、光熱水費等や、あるいは近隣の類似施設の家賃等の平均的な水準などを勘案しつつ、具体的には各施設と利用者との契約によって定められるものでありますことから、負担能力のある方につきましてはこれまでよりも負担が増えるということがあると考えております。

小池晃君

 これは、基準額どおりに徴収しても減収になる、利用者には負担増で。どうすればいいのかという事業者の声に対しては、取れるところから取ればいいんだというふうに厚労省は説明をされておるようです。

 共産党の議員団として九月に実態調査を申し入れましたが、こういう契約料金がどのように、青天井みたいな実態が出てきているんじゃないかと心配しているんですが、この調査はされていますか。

政府参考人(磯部文雄君)

 介護保険施設等におきます食費、居住費に関しまして、現在介護保険施設あるいはショートステイ、通所サービス等の事業所を対象として調査を行っているところでございます。具体的には、要介護度別、利用者負担段階別に居住費、食費等の実態を抽出調査によって行っておりまして、現在データの集計中であり、まとまり次第できるだけ早急に公表したいと考えております。

小池晃君

 そこで、今回の医療改革試案なんですが、療養病床に入院する七十歳以上の高齢者について、介護施設と同様に食費、居住費の負担を見直すということが出されている。介護のときには、たしか施設と在宅の公平ということが理由だったと思うんですね。今回の療養病床で、在宅と施設の公平という議論は、これは成り立たないと思うんですが、食費、居住費導入する理由は何なんでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 お答え申し上げます。

 医療保険適用の療養病床と介護保険適用の療養病床、二つあるわけでありますけれども、両者ともに、主として長期にわたり療養を必要とする患者が入院しているということでございまして、医療機能のほかに日常生活上必要となる食事の提供など、住まいとしての機能を併せ持っているということは共通でございます。また、同じ病院におきまして介護保険適用の病床と医療保険適用の病床、両方を持つ場合もあるということで、この両者の均衡、負担の均衡ということを図る観点から、低所得者には配慮を行いながら、食費及び居住費に係る負担の見直しということを提案させていただいているところでございます。

小池晃君

 介護のときには在宅と施設の公平ってつないで、今度は介護と医療の公平というのでつないで、この公平というのでどんどんつないでいったら、どんどんどんどんその負担は重い方に行かざるを得ないと私は思うんです。

 それから、すべての患者にこれ、負担を求めるということになるのか。今、百八十日以上の長期入院の場合のいろんな病状による配慮というのありますが、病状による除外というのは考えているんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 詳細はこれからでございますけれども、この入院時の食費、居住費の負担の見直しということを療養病床について行うことといたしました場合には、低所得者でありますとか、難病等で入院医療の必要性の高い患者につきましては、所得とか病状に応じた適切な配慮をすべきであると、このように考えてございます。

小池晃君

 重ねて。こういう医療施設で居住費を徴収している国は世界にあるんでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 諸外国の事例についてのお尋ねでございますけれども、医療施設、介護施設、それぞれの区分の仕方について各国違います。また、保険給付の範囲についても相違がございます。

 そういうことを踏まえた上ででございますけれども、一般的に諸外国の介護系の施設、医療施設も含めて介護系の施設では、食費、居住費の自己負担が原則となっているところでございます。諸外国の医療施設そのもの、介護系でないところがどうかという点につきましては、申し上げましたような相違点を含めて今後把握に努めていきたいと、このように考えております。

小池晃君

 医療施設で居住費取っている国なんかないですよ、それは。

 介護施設と同様に、先ほどの契約による青天井というような、そういう契約による料金の設定ということもこの医療の病棟では考えるんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 私どもの今回の提案におきましては、基本的に食事療養費の現在取っておりますけれども、仕組みを導入しておりますけれども、それに即したものとして考えてございます。

小池晃君

 だから、一定以上の所得の場合に契約による料金の設定のようなことは、介護のような、介護施設で出ているような、そういう契約料金みたいなものはないんですか、あるんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 今回の試案におきましては、そういった給付から外すという概念ではございませんで、療養費という構成で対応したいと考えております。

小池晃君

 以上の議論を踏まえて大臣にお聞きをしたいと思うんですが、介護施設で大変な負担増になっている実態があります。

 私は、ファクスをいただきまして、ちょっと紹介したいんですけれども、十月一日に、改悪介護保険のスタートする日の未明、老健センターに入所していた近所の人が、料金が高くなるため、利用料が高くなるため、二日前に退所をし自宅に帰ってきていましたが、病気が治らないことを苦にして、奥さんに気付かれずに、不自由な体を何とか自由が利く片手を使ってずりながら脱出し、すぐ近くの川へ投身自殺をするということがありました。こんな悲劇が起きなければいいがと心配していたところですが、まさか近所で起こるとは思ってもみませんでしたと。

 正に介護保険の改悪で、居住費の徴収、それを心配して自分ではいずりながら投身自殺すると、こういうことが起こったというんですね。私、本当これ見てショック受けました。

 これは、是非議員の皆さんにもお聞きをいただきたいんですが、ここで決めた法律でそういうことが起こっているんですよ、現実、実態としてね。私は、今度のこういうやり方で、正にそれが更に広がる。しかも、これが医療という命にかかわる問題にこの居住費という負担がのし掛かってくる。私は、本当にこれでは金の切れ目が命の切れ目ということになりかねないというふうに思いますし、療養病床における食費、居住費の負担増というのは、これは断じて許されない、撤回するべきだというふうに思いますが、大臣いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 これは、介護保険のときにも申し上げましたけれども、施設におられても自宅におられてもやはり食事は取られるわけでありますから、その食事を当然取る、家にいても取る、そうしたら、施設にいても取るその食事代を払っていただくというのは、これはやはり、先ほど公平というふうに申し上げておりましたけれども、正に公平ということで、そうしていただくことが必要なことだというふうに思って、介護保険の仕組みも変えました。

 そうしますと、先ほど局長よりお答え申し上げましたけれども、医療保険適用の療養病床、それから介護保険適用の療養病床、これは主として長期にわたり療養を必要とする皆さんが入っておられる住まいであるという意味においてほとんど同じ機能を持っておるわけでございますから、そうした中でまたこれは公平という意味で、併せて仕組みをつくるということは、これは当然のことだと思っております。先ほどの公平、公平をつないでいけばというお話もありましたけれども、やはりそれは公平と公平はある意味イコールでつなぐべきだと思っておるところでございます。

小池晃君

 食費については既に一部自己負担あるわけですよ。それから、ついの住みかじゃないでしょう、医療機関は。特別養護老人ホームだったら百歩譲ってそういう議論成り立つかもしれないけれども、自宅はちゃんと残して、そして療養病棟に入院している人、これが本当に多いと思うんですね。そういう意味では、その居住費、二重取りということになる。公平と公平つなげばと言うけど、そういう議論でつないでいったら、どんどんどんどん高い方へ、負担は高い方へ給付は低い方へとならざるを得ない。こういう議論は本当に、私は正に負担増の悪循環になっていくということを指摘したいというふうに思います。撤回を求めて、質問を終わります。

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