食費・居住費負担「介護」では自殺も
医療へ導入やめよ
参院厚労委 小池議員が迫る
厚労省の医療「改革」試案を審議した二十七日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員は、介護保険につづき入院患者にも食費・居住費の全額自己負担を求めるのは「負担増の悪循環」だと追及しました。
十月からの介護保険施設入所者への食費・居住費負担導入で五万―六万円の負担増となるケースが出ています。
小池議員は、山口県のある施設入所者の負担が食費五万四千円、居住費(相部屋)二万一千円となり現行負担より五万円以上増えた例を指摘。厚労省基準(住民税課税世帯)では食費月四万二千円、居住費(相部屋)月一万円となっていますが、実際の支払い額は施設との契約で決まるため、“とるところからとる”という厚労省の考えを受けて、基準を上回る負担増となっています。
小池議員は「基準額を上回る料金設定で、負担は青天井だ。なぜか」と追及。磯部文雄老健局長は「施設と利用者との契約で料金が決まっている。負担能力のある人は増える」と青天井負担を容認しました。「試案」は、療養病床に長期入院する七十歳以上からの食費・居住費徴収も盛り込みました。その理由について水田邦雄保険局長は「介護と医療の両方の負担の均衡を図る」と負担増を合理化しました。
小池議員は、「介護では『在宅との公平』と言っていた。今度は『介護保険との公平』だ。『公平』をつないでいったら、どんどん負担は重いほうにいく」と批判。「介護に合わせた仕組みをとるのは当然」という尾辻秀久厚労相にたいし、負担増で自殺者が出たという小池議員に寄せられた手紙を紹介。「お金がなければ必要な医療が受けられなくなり、同じ悲劇が起きる。療養病床での食費・居住費の負担増は撤回せよ」とのべました。
小池議員が質問で紹介した男性からの手紙は次の通りです。
■紹介した手紙
十月一日から改悪介護保険法がスタートしました。大幅な負担増にみんな困っています。
改悪介護保険のスタートする日の未明、老健センターに入所していた近所の人が、利用料が高くなるため二日前に退所し、自宅に帰ってきていましたが、病気が治らないことを苦にして、奥さんに気づかれずに不自由な体を、なんとか自由がきく片手を使ってずりながら、すぐ近くの川へ投身自殺をするということがありました。こんな悲劇が起きなければいいと心配していたところですが、まさか近所で起きるとは思ってもみませんでした。
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