先ほど大阪での集会等々御紹介したんですけれども、東京でも、皆さん御承知のように、五月十二日には六千六百人、七月の五日には一万一千人の多くの障害者や家族、関係者、そこには御指摘もあった事業者も含めてたくさんの方が来られて、この法案を慎重に審議してほしいという、この一致点で大きな集会が行われたというふうに思います。
私ども大阪からもこういう東京の集会なんかに本当にたくさんの方が参加されましたが、その中には、本当に苦労を抱えて、重い障害であるにもかかわらず相当な苦労をして上京されるという方もおられます。私の知っている方では、朝の四時に起きて、そこで朝の身支度を一時間半ヘルパーさんに来てもらってやって、そして早朝の新幹線に乗って、そしてやってくる。それで、体温調節もできないですし、本当に暑い中での取組でしたので、本当に命にもかかわるということも起こり得るようなそういう状況の中で、それでも行くんだということで来られた方。こういうような人たちは本当に、何というんでしょう、それぞれ思いが本当にあるんですね。その方が言っておられたのは、自分は作業所に行っている、そこで働くということにお金が取られるということが何かこう、本当にこう納得できない、許されへんのやというようなことをおっしゃっておりました。
本当に障害者というのは、障害者基本法では本当に「個人の尊厳が重んぜられ、」というようなことで書かれてあるんですけれども、私たちは、この自立支援法案ではこういう尊厳ということが、何というんですか、保障できない。ある意味では、そういうふうな取組に参加されてこられた方というのは、本当に自分の尊厳を懸けてそこへ行って、私の立場、思いを強く訴えたいという、そういう願いで来られている方が大勢おられるんではないかというふうに思います。
〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
それと、事業者の抱える心配ですけれども、これは非常にたくさんあります。私どもの法人でもたくさんの事業者会員を抱えておりますけれども、そこの事業者さんというのは、多くの場合は、障害者の社会資源というのは圧倒的に不足している中で障害者の運動などによってその資源が生み出されてきている、そういうふうにして法人を立ち上げ、事業を展開してきているという事業者さんがほとんどなんですね。
そういう事業者にとってまず何より一番大きな心配は何なのかというと、これまでサービスを提供してきた方たちに今までどおりのサービスを提供することが、継続することができるのかどうかというこの心配が非常にあります。これは、先ほど申し上げましたように、障害程度区分が一定以上一定以下ということでそのサービスが途絶えたりする。あるいは、何よりも応益負担ですね、そういったものが導入されることで、これだけの利用料を払うんだったらあきらめないといけないという人が生まれるんではないかということであるとか、あるいは自立訓練とか就労移行支援を選択すると期限が区切られてしまうというようなことで、本当にまだまだ必要なのにというような人にそのサービスが継続できないんじゃないかとか、そんなことを本当に考えながら、今ある人々にサービス、このサービスをどう継続していけばいいのかということに本当に腐心をされているということなんですね。
あわせて、そういうふうにサービスの、継続ももちろんそうなんですけれども、質が本当に維持できるのか。あるいは、この中でいうと、例えば食事が規制緩和されていく問題であるとか、あるいは事業の評価、あるいは報酬体系がどうなっていくのかとか、あるいはそんな中で職員が本当に今のまま働き続けることができるんであるかとか、そういうような事業を維持していく、あるいはその質を継続する、あるいはそれを更に向上させていく上で、様々な不明な点が多い中で本当に心配をされているというふうに聞いております。
何よりも、今そういう大事なことが全部政省令事項にゆだねられているということで、なかなか情報が伝わってこない中での不安ということも随分あるわけでして、そういう意味でも、もっともっと丁寧な議論というのをこの委員会の中で展開していただくということをお願いしたいというふうに思います。