福祉は商品と違う
「自立支援」法案 参考人が批判
参院厚生労働委員会は十二日、障害者「自立支援」法案の参考人質疑を開き、五氏が意見をのべました。与党推薦の参考人も同法案にたいする不安や要望を語りました。
大阪障害者センターの塩見洋介事務局長は、(1)応益負担や食費等の全額自己負担が導入されること(2)これまで受けていたサービスが継続できなくなること――をあげ、「制度を持続可能なものにつくりかえると称して、必死の思いで自立に向けた努力をしている障害者のくらしを自立不可能とすることはやめてください」と訴えました。
日本難病・疾病団体協議会の伊藤建雄代表は、「重い障害、病気であるほどサービス負担が大きくなるのは逆だ。重い負担の人ほど軽くしてほしい」と批判しました。
人工呼吸器をつけ、ヘルパーの介助を受けながら発言した日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会の橋本操会長(与党推薦)は、「生存のために二十四時間介護が必要な場合は、十分な介護が保障されるように、国庫補助の仕組みを整えてください」と訴えました。
日本共産党の小池晃議員は、「審議で厚労省の中村秀一社会・援護局長が『サービスは買うものだ』と答弁した。どう思うか」と質問しました。
塩見氏は「福祉サービスは、スーパーで買う商品とは違う。『買う福祉』の押し付けは、買うことができない人をつくるだけでなく、サービスの質を低下させる」と政府の姿勢を批判しました。
小池氏は、橋本氏に「重度障害者への包括支援がどの程度保障されるかが示されていない。法律の枠組みだけが先行して作られることに不安はないか」と質問。橋本氏は「まさにそれが一番不安が残るところだ」と答えました。同席した同協会の金沢公明事務局長は、「具体的なものを提示してもらわないと、賛成か反対かは言えない。言えないまま決めるのは残念だ」とのべました。
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