私は、やはり地域の六百人近くのこういう高齢者のマネジメントを、わざわざせっかく定着してきた在宅介護支援センターとはまた別に新しいものをつくって、そこで六百人の管理をしていくなんというのは本当に机上の空論、絵にかいたもち、そういうふうに思います。これは、実際問題としては大変な事態になるのではないか、先ほどのお話じゃないけれども大混乱になるんじゃないかというふうに思います。
併せて、ここを、その中心を担うのは保健師だというんですが、これは、今日は資料でお配りしましたけれども、実態として、新卒の保健師の就職先というのは、自治体を選ぶ人というのは急激に減ってきているわけです。赤い線で示しましたが、一九九九年千四百二十二人だったのが二〇〇三年で七百九十七人。
現場の保健師さんに話聞くと、今でさえ本当にいろんな業務があって、ヘルス事業、保健事業、あるいは精神医療の問題などの相談、様々な課題があって大変なときに、地域包括支援センターに大量に異動するようなことになればどうなるのかという声も出てきている。
しかも、実態としては何が起こっているかというと、同じグラフで示しましたが、老人保健事業で重要な役割を果たしている訪問指導がどんどん減ってきているわけです。これ、延べ人数で見ますと、一九九九年には二百五十一万七千回だったのが二〇〇三年度には百六十四万三千回まで落ち込んでいて、四十歳から六十四歳の年齢層に限っても四十六万回から三十四万回に、三分の二になっている。
本当にある意味では、介護予防という点では団塊の世代の健康づくりの上で訪問指導というのは一番大事だというのは厚労省自身がおっしゃってきたこと。保健師の数が自治体では減っているし、訪問指導の回数減っているんですよ。こういう実態は、訪問指導がこれだけ減っている理由はどういうふうに考えているんですか。