だから、混乱が生じるのは必至であると私は申し上げているんです、こんなやり方では。
今日はこの基盤整備の問題取り上げてまいりましたけれども、そもそもなぜ特養ホームの待機者が三十四万人にも増えたのかということを私真剣に考えるべきだと。これ、特養ホームというのは、民間の有料老人ホームの家賃が払えない低所得者でも安心して介護が受けられるからだと思うんです。
内閣府が行った高齢者介護に対する世論調査の中でどういう結果が出ているかというと、介護施設等を利用したい理由の第一というのは、家族に迷惑を掛けたくない、これが七七・一%です。施設を選ぶ際に重視したいこと、この第一というのは料金が安いこと、五四・六%なんです。可能な限り自宅で介護を受けたいという方も四四・七%いらっしゃるけれども、可能な限り自宅で介護を受けたいけれども負担の問題で家族に迷惑掛けたくない、料金が安い施設に入りたい、そういう中でやはり特養ホームに入りたいという願いが今あふれるようになっているわけです。
私は、こういう願いにこたえて計画的に整備をするということこそ必要なことだというふうに思っておりますが、今回の法案、今まで議論取り上げてきたように、前回は食費やホテルコストの徴収の問題がありました、負担大幅に増えていくんだということ。それから、今日取り上げたように、施設整備の基準もいろんな形で抑制されていく。あるいは今入っている人も、例えば要介護の一の人であれば六万五千人の人が出ていかなければいけないという問題もあるし、あるいはいろんな形での制限があるわけですね。利用者割合が引き下げられるという問題もあるし、参酌標準に有料老人ホームなどが入って、特養ホームの、三施設の部分が抑制されていくという問題もあるし、個室化の推進ということで低所得者が入りにくくなっていくという問題もあると。
こういう中で、私、大臣に最後にお伺いしたいんだけれども、こういうやり方ではますます、保険あってサービスなしとしないという介護保険制度創設時の、当時小泉厚生大臣ですが、そのときの約束にも反して、私はますます待機者を増やしていくだけの結果になっていくのではないかというふうに思うんですが、大臣、その点いかがですか。