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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

162通常国会 参議院厚生労働委員会

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2005年5月19日(木)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今日はホテルコストの問題を中心に取り上げたいと思うんですが、これは先ほど議論あったように、十月からホテルコストそれから食費の全額徴収が始まって、これは年額、総額では三千億円になる。一人当たり平均、年三十九万円の負担増。これだけの負担が、最初に大臣にお聞きしたいんですが、一度にどんと増えるというのは、これまでの様々な社会保障制度の見直しの中でも、負担増の中でも私は前例がないんじゃないかなと思っていますし、しかも十月一日ということで、あと四か月後にこれだけの負担増が行われるという影響を大臣はどのようにお考えですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 介護保険制度は、皆さんに払っていただきます保険料と、それから税金、公費という、国民のいずれにいたしましても皆さん方により支えられておる制度でございます。そうなりますと、特に高齢者の方々にも御負担をいただいております保険料、この保険料の急激な上昇というのはどうしても抑えなければなりませんし、持続可能な制度としていくためには給付の効率化、重点化を図ることが必要である。これはもう申し上げるまでもないわけであります。

 したがいまして、今回の見直しにおきましては、負担の公平性という観点から、これはもういつも申し上げておりますけれども、施設に入っておられる方と自宅におられる方の間の正にその公平性という間で、この居住費、食費について、施設給付において看護に関する部分の給付を重点化するということで保険給付の対象外にさせていただくという見直しをしたところでございます。これはもう再三にわたって申し上げておるわけでございます。

 では、その与える影響ということでの今のお話でございますけれども、見直しに当たりましては、先ほど来これも申し上げておるところでありますけれども、所得に応じて定額の負担上限額を設けることなどにより低所得者の皆さんの負担の軽減措置を講じておるところでございまして、その皆さんにとって過重な負担にならないように配慮をしたと考えております。

小池晃君

 所得に応じた上限額があることは私も承知しておりますが、例えば新第三段階、これは本人、世帯非課税で年収八十万円から二百六十六万円、現在。この場合で、食費、居住費合わせて、厚労省の試算でも要介護五の場合は一万五千円から二万五千円の負担増になるんですね。こういう層にとってこれは深刻な影響になるんじゃないかという、その辺はどうお考えですか。

政府参考人(中村秀一君)

 第三段階、今先生御指摘のとおり、住民税非課税の、世帯が非課税のところで、年金で申しますと八十万円から二百六十万円のところでございます。引上げ幅、特別養護老人ホームで多床室の場合、四人部屋が主でございますが一・五万円、それからユニットケアの個室の場合、結論から申し上げますと一万五千円ないし二万五千円の引上げになるということでございますが、私ども、多床室の場合でも入居をしていただけるように、保険外にいたしますけれども利用者負担の上限を設定するということで、食費につきましては月二万円、四人部屋の場合は、居住費にいたしましては光熱水費相当ということで上限を打つということで入居に支障がないようにさせていただいているところでございます。

小池晃君

 制度の仕組みは私が言っているんですから、説明し直してくれなくたっていいんです。影響はどうなのかと聞いているんです。

 私は、今日資料をお配りしましたけれども、実例で、実態でどうなるのかということをちょっと考えてほしいんですね。

 例えば、東京都内の特養に入所中の六十代の男性で要介護四の方、この方は年金が月額で七万円程度ですから新第三段階になる。そうすると、この表にあるような区分でいきますと、今利用料が二万五千円、食費が一万五千円で合計四万円なんです。これが今年十月以降は利用料が二万五千円、食費が二万円、居住費が一万円ですから、合計五万五千円になる。一万五千円増えるわけですね。これ厚労省の計算のとおりだと思うんですが、実態、出費というのはこれだけではなくて、このほかにも日用品とかテレビとかあるいは理容代とか負担がある。国保料の負担がある。介護保険料の負担があると。この方は、お伺いすると、もう必ずそれは一定の金額、必ず出てくるお金があって、このままいくと十月以降は七万円程度必ず毎月出費があると。そうすると、年金七万円ですから、七万円出ていく。手元に全くお金が残らないという生活になってしまうんだと、こういうふうに聞いているんですね。憲法二十五条は健康で文化的な最低限度の生活を保障しているわけですが、私はこういう形の負担を押し付けて高齢期に尊厳ある暮らしが送れるとは思えないんです。

 このように、新三段階の人、その中には、これは非常に幅が広いですから、年金七万円ぐらいの方もいらっしゃる。こういう方にとってみると、今回の負担増というのは、負担増分だけで年金収入の二割超えるんです。結果として、年金収入の八割が特養利用料や食費やホテルコストで持っていかれる。こういう負担増が老後の生活にどういう影響を与えるのかということを真剣に検討すべきだと。こういったことも検討した上で問題ないと。局長、今それは十分払えるんだと言ったけれども、問題ないとそれでもおっしゃるんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 所得段階の御指摘がございました。年金収入でいえば、そういう収入の方ということでございますが、それぞれその利用者の方、いろんな生活状況にあり、その方の置かれておる状況、いろんな方がおられると思います。資産のある方、フローの所得はこれだけでありましても資産のある方とか、あるいは御家族からの援助がある方とか、いろんなケースがあると思いますので、個々のケースについて、あらゆるケースという想定は難しいとは思いますが、いずれにしても委員の御指摘の例でありましても、七万円で年金しかない方でもこの入居はできると、そういう状況になっているというふうに認識いたしております。

小池晃君

 八割は持っていかれるような制度にしても問題はないというふうに言うのかと。

 ちょっと大臣、どうですか、今の、こういう実態があると。これ八十万円から二百六十六万円と非常に広いわけで、二百万円以上という生活実態とかなり違うわけで、そういう意味では、こういう七万円程度の年金の方から、今回の制度でいえば四万円以上、居住費、食費、利用料で持っていかれるようなことが、私、生活実態からして許されるのかということを真剣に考えるべきだと思うんですが、大臣いかがですか。局長、何かいろいろと、仕送りがあるとか、あるいは資産があるとか言ったけれども、そんなもの全くない人だっているんですよ。そういう人に対してこういう仕打ちでいいのかということが問われているんじゃないかと思うんですが、これいいんですか、このままで。

政府参考人(中村秀一君)

 私どもの利用者負担の設定の仕方の考え方を私は申し上げまして、小池委員の方から、非常に、年金しか所得がなくてこういうことになった場合に生活が困窮すると、こういうことも考えられるのではないかと、こういう御指摘でございます。

 私どもは、今度の改正で、保険の給付の対象外に居住費、食費をするということ、それからその場合も低所得者の方に利用者負担の上限を設定すると、こういう制度を持っておりますが、もう一つ、特別養護老人ホーム、社会福祉法人でございまして、社会福祉法人の場合は、利用者負担で非常に困窮されているようなケースにつきましては減免、利用料の減免も行うと、行うことができるという制度がございます。

 この社会福祉法人が減免いたしました場合には、行政の方で、国、都道府県、市町村においては、その社会福祉法人が行った低所得者の負担減免について財政面から支援を行っているところでございますので、今先生の御指摘の方で、非常にお困りになるというようなことにつきましては、この社会福祉法人の減免制度を今度見直しをさせていただきますので、今のような事例のケースについては、この制度で利用者、利用料負担の減免も受けられるのではないかということで、そういった意味では、今度の方も、今の例の方についても更に減免が行われるということを御説明申し上げたいと思います。

小池晃君

 この社会福祉法人の減免なんですけれども、これは法人の負担が非常に大きいわけです。最初の一%までは法人の持ち出しになるし、それ以降のその減免分は、半分が国と地方で半分が社会福祉法人ということになる。例えば五%減免というふうになった場合には、法人の持ち出しが三%で国が一%で地方が一%なんですね。

 この社会福祉法人の減免をやるということ自体はもちろんいいことだとは思いますが、しかし国の制度改悪で被害を救済しようというときに、これは国の責任としてこれで責任果たしたことになるんでしょうか。余りにも国の公費負担の部分少な過ぎるんじゃないんですか、この制度は。

政府参考人(中村秀一君)

 社会福祉法人の減免制度で、先ほど国、都道府県、市町村もお手伝いをすると申し上げましたけれども、社会福祉法人の負担もあるではないかと。特に、本来減免した総額が本来徴収すべき利用者負担の額の一%までは社会福祉法人にお持ちいただくと、こういうことになっていると。それから、二から五の間は半分を……

小池晃君

 制度の説明繰り返さなくていいから。

政府参考人(中村秀一君)

 持っていただくと。これは社会福祉法人自体、社会福祉事業を任務とし、正に福祉事業をやっていただくということで、それなりの税制上の優遇措置なども講じられ、寄附などについても、寄附する方も社会福祉法人に対する寄附であれば税制上の優遇があるということで、社会福祉法人はこういうために存在している社会福祉法人であるということに性格に着目して法人の負担もお願いしているところでございます。

小池晃君

 それは都合よ過ぎる話でね、国の責任で、制度改定でこれだけ負担が増えるときに、救済の制度だっていうことでこれを上げるのであれば、私はもっと国がこの際この制度に対して責任果たそうという検討だってあっていいじゃないかと。

 大臣、いかがですか。この制度で、もし先ほど私が紹介したような人を救済するとおっしゃるのであれば、もう少し国がちょっと頑張ろうじゃないかということあっていいんじゃないですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 今、介護保険だけじゃありませんけれども、みんなで支え合う、このことをお願いをしておるわけでございます。

 したがいまして、今具体的にお述べになっておることについても、国に幾らでも金があれば国でやらせていただくということも可能でありますけれども、申し上げておりますように、介護保険そのものが大変窮屈になって、持続可能性を求めての今回の見直しでもあるわけでございますから、そうした中でみんなで支え合うということを是非お願いをしたい。そうした中で、法人にも、社会福祉法人にもお願いをしたいということを私どもとしては申し上げておるところでございます。

小池晃君

 私は、ほんの、もう本当にわずかな負担だと思うんですよ、これある程度伸ばしたとしてもね。このくらいのことをやるというのは当然のことだし、現に今この社会福祉法人の減免といっても、実施するのは法人の判断任せですし、二〇〇二年度の実施施設六割にすぎないという実態もあるわけですから、これは見直すべきだと。

 それ以前に、何よりも衆議院の参考人質疑で全国老施協の副会長がおっしゃっているんですが、八十万から二百六十六万というのは幅広いと、百万円程度の年金の方、例えば障害基礎年金一級の方あるいは国民年金と夫の遺族年金を受け取っている女性結構いると、こういう方々への配慮をお願いしたいというふうに述べておりまして、私、確かにこれ八十万円から二百六十六万円と、これ八十万円から百万円ちょっとぐらいの方の生活実態と二百万円を超える年金を受け取っている方の生活実態というのはかなり違うはずだと思うんですね。これが一緒くたになってしまっていると。

 大臣、私、ここは本当にきめ細かい負担軽減の制度をこれ考えるべきだというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか、この点は。

国務大臣(尾辻秀久君)

 まず、保険料を広く公平に負担していただくという観点がございます。それから、どうしても市町村の事務負担ということも配慮をせざるを得ません。そういうことを考えますと、今保険料については原則五段階としておるところでございますけれども、この現行の保険料第二段階、すなわち市町村民税非課税世帯について言いますと、今言っておられますように、非常に大きな被保険者の保険料の負担能力に開きがございますので、そうしたことについて所得水準の低い層の方にとっては負担が重過ぎるという御意見がございまして、そこでその御意見を踏まえて、現在の第二段階について二つに分けて、その結果が今言われたようなところにはなっておりますけれども、今先生の御意見はそれでもまだ広過ぎるということでございますけれども、私どもは第二段階を、現在の第二段階を二つに分けて、少しでも所得の低い方々のところへの負担について考慮したところでございます。

小池晃君

 だから、それは分かって言っているんです。そこを分けたことは知っているから、だから八十万円以上となったのは、それは知っているわけです。

 ただ、八十万円から二百六十六万といったって、かなりその生活実態違うじゃないかと。特に、やはり百万円前後のところにかなりやっぱり独り暮らしの女性の年金暮らしの方というのがいるんじゃないかと。やはりその点のところは切り分ける、保険料の問題でもそうだし、この保険料の区分というのが利用料の負担軽減の区分にもなってしまっているわけですから、ここのところにもう一回り、二回りの配慮があっていいんじゃないかと。このことを是非私検討してほしいと思うんですが、どうですか。──ちょっと大臣。

政府参考人(中村秀一君)

 この保険料を低所得、今まで五段階でございまして、今、小池委員から分けたこと知っているというお話がございましたけれども、従来は世帯全員が非課税のところは……

小池晃君

 ちょっと時間稼ぎやめてくださいよ、ちょっと、今の質問……

政府参考人(中村秀一君)

 所得に関係なく、時間稼ぎではありませんで、所得に関係なく、この第二段階として扱われたものをもっときめ細かな低所得者対策を取りたいという市町村の御要望に沿って、また、その実務の関係もございますので、市町村の方から、保険料のその区分のところに、どのラインが適正かという議論を重ねまして、刻み方の問題、それから年金収入という点で考えますと、やはり基礎年金ということもひとつ参考の要素になると。

 それから、旧第二段階を二つに分けたわけですが、大体その旧第二段階を均等に分けるというようなことも念頭に置いて現在の水準を設定したところでございます。このことによりまして、もし利用料負担、先ほどお話が出ましたけれども……

小池晃君

 いいから、もうそのことは議論しないんだよ。そこから先のことを聞いているんだから、答弁やめてください、もう。

政府参考人(中村秀一君)

 そういうものについては、社会福祉法人の減免制度を対象とするなどの配慮もさせていただきたいと思っております。

小池晃君

 そこから先の話聞いているんですよ。

 大臣、どうですか。だから、私が言っているのは、そこまで分けたことは、それは、それはもちろん私はいいことだと思っていますよ。そこから先だってもっと配慮があっていいんじゃないかと。このことについて検討する余地があるのかどうか、まあいい、それはもうイエスかノーかで答えてください。

国務大臣(尾辻秀久君)

 このお答えのところで冒頭に申し上げましたけれども、市町村の事務負担ということもございます。いろんなことを配慮せざるを得ない、それによってこの区分つくらなきゃいけませんので、私どもが精一杯の今ことをいたしたのが今回の区分であるということを申し上げたいと存じます。

小池晃君

 このことは真剣に検討すべきだと。私は、市町村だってやはり現場の住民のいろんな問題接しているわけだから、これやはり前向きにとらえる議論に持っていくことだって十分可能だというふうに思います。ここにはやはり検討を加えるべきだと。

 それから、先ほどの負担の関連でちょっとお聞きしたいんですが、今回の制度で準個室という区分が持ち込まれるわけですが、特養ホームでは、簡潔にお願いしたいんですが、どのようなものを想定しているんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 お答え申し上げます。

 ユニットケアになっていない個室、あるいはユニットケアに例えば転換するような場合でも、大きな部屋を二つに仕切るというようなことで、完全に二部屋になっていない、いろんな消防法上の条件などありまして、大部屋をセパレートする場合に全部仕切れないというような問題がございますので、そういった完全な個室と差があるもの。また、ユニットケアの場合は、言わばリビングは共用部門ではございますが、付いていますが、それがないというようなことを配慮しまして、そういったものを準個室と考えております。

小池晃君

 従来型の特養の個室はこれまではホテルコスト取れなかったし、従来型の特養ホームの個室でこれまで特別な負担がなかった場合でも、それが今回の扱いで準個室ということになれば、これは確認、イエスかノーかだけで結構ですが、準個室ということになれば、低所得者も含めて、すべての利用者が負担増ということになってしまいますね。

政府参考人(中村秀一君)

 簡潔にということでございますが、今度の居住費につきましてはある意味で居住性を勘案して居住費の設定をしたいと考えておりますので、そういった意味では、四人部屋なり従来の個室に比べまして居住費用ということは負担していただくということになります。

小池晃君

 これ、具体的に言うと、第一段階、新第二段階では一万五千円、新第三段階では四万円、新第四段階以上では五万円程度の料金を考えておられるようですが、実は、先ほど冒頭で紹介した東京の男性のケースというのは、現時点では個室に入っておられるんですね。ホテルコスト払っていないんですが、これが準個室というふうに扱われることになると、ホテルコストは四万円に跳ね上がる。自己負担は合計八万五千円になっちゃうんです。先ほど七万円の年金と言いましたけれども、もう年金額を上回るということになる。

 こういう、新しい準個室に入ってくるようなケースの場合は、年金額はるかに上回るような負担になってくると思うんですが、この点、大問題じゃないんですか。ちょっと局長にその点、こういう方についてどうお考えか、説明をいただきたいと思う。

政府参考人(中村秀一君)

 今の料金のというか、居住費の設定の考え方を申し上げました。今度こういう制度改正が行われますので、様々な意味で影響を受ける方がおられると思います。

 今のケースの方では、議員が七万円というケースの例で、そういうことであれば御負担が非常に重くなるということになると思いますので、そういった意味では、先ほどの社会福祉法人の減免制度ということが是非必要になるというふうに考えます。

小池晃君

 この方は社会福祉法人の減免制度を取ったとしても年金の範囲超えるような負担になっちゃうんですよ、これ、もし二分の一減免したとしても。

 従来型の個室というのは、これは認知症に対するケアとかあるいは感染症対策という点から使用する場合も多かったと思うんですね。こうした必要性があって準個室を使うような場合も、これはどう扱うんですか。こういう場合は、やはり多床室と同じ扱いをして介護報酬上も考慮するということは当然必要じゃないかと思うんですが、その点はどうお考えなんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 感染症のようなケースの場合など、ちょっと考えさせていただく必要があるかもしれませんが、基本的には居住費というのは、そこのお使いになっているその居住環境に応じてということがこれからは基本になるというふうに考えております。

小池晃君

 いや、ひどい話だと思うんですね、これは。これしかも、十月からこれ実施するというんですよ。実際、今入所されている方は、自分の部屋がこれからどういう扱いになるんだろうか。これは個室・ユニットだったら分かりますけれども、今の従来型に入っていて、今の個室に入っている、私の部屋は準個室になるんだろうか、準個室になったら一体幾らになるんだろうか、全く分からない。家族にも利用者にも知らされていない。こういうやり方は余りにひど過ぎるというふうに思います。

 しかも、先ほどから社福法人の減免制度のことをいろいろと説明をされるんですが、これ特養ホームだけでありまして、老健や療養型施設は対象外なんです。

 局長にお聞きしたいんですが、老健やあるいは療養型医療施設の場合、この入所者の場合も、一応資料でお配りしておりますので、特養ホームの入所者と全く同列になっていくんだろうと思いますが、ホテルコスト、食費が、ポイントだけで結構ですが、どのように見直されるのか。その場合、ユニット型の個室というのは、こういう施設について、特養ホームと同様な設定になるのか、お答えいただきたい。

政府参考人(中村秀一君)

 介護三施設につきましては、基本的には居住費、食費についての扱いは今回特別養護老人ホームと同様の取扱いにするということで、委員の方から表を付けていただいておりますけれども、それぞれの介護報酬が三施設で違う点がありますので、一割負担の部分などで若干の違いが出ておりますが、食費、居住費が給付外になるという点で共通の扱いといたしたいと考えております。

小池晃君

 ユニット型の個室というのは、療養型あるいは老健の場合、どういう扱いになるんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 老人保健施設や介護療養型でもユニット型の居室が出てきているところでございます。今のところ、老人保健施設、介護療養型医療施設で介護報酬上そういうユニットケアの介護報酬は設定されておりませんけれども、そういう部分があることは確かでございますので、先ほどの考え方でいえば、居住費という点で、居住環境に応じた費用負担ということは、ユニットケアであればそれなりの費用負担という設定になろうかと思います。

小池晃君

 現行の療養型、老健であれば、従来からある個室というのが、ユニット型というよりは普通の個室が圧倒的だと思うんです。こういう従来からある個室の扱いはどういうふうになるんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 特別養護老人ホームで御説明したものと同様でございまして、ユニットケアが行っていませんが、居室の構造自体個室の基準を満たすもの、ユニットケアを行っているけれども居室の構造が従来の個室の基準を満たさないものについては準個室の扱いというふうになります。

小池晃君

 老健に入っている方の実例を紹介すると、これは東京のある老健施設に入所している六十代の男性です。要介護五で、年金九万円の方です。現行制度では、利用料三万四千円、食費が二万四千円、それから日用品費が八千円、合計六万六千円です。今回の制度改悪で、利用料は三万三千円にちょっと下がりますが、食費は四万八千円になる。ホテルコストが一万円、日用品費が八千円、合計で九万九千円。六万六千円の負担が九万九千円になる。この方がもし今までの従来の個室に入っていたらば、準個室に当てはまるということになれば更に四万円の負担増ということになって、合計十四万円ということになる。大変重い負担になるんですね。

 低所得者への補足給付はあるというふうに、この部分でもあるんだとおっしゃると思いますが、特養では先ほどから説明あるように社福減免の制度ありますが、老健や療養型医療施設にはこうした負担軽減措置というのはあるんでしょうか。

政府参考人(中村秀一君)

 老人保健施設、介護療養型医療施設、基本的には医療法人の、老人保健施設は社会福祉法人がございますけれども、医療法人が基本だと思いますので、医療法人につきましてはこういう減免制度は設けておりません。

小池晃君

 これ何もないわけですね。補足給付があったとしても、新第四段階以上はもう対象外になる。

 そもそも、今回ホテルコストを取るときの説明としては、在宅とのバランスだと言っていたんです。先ほどの説明もそうでした。しかし、老健、療養型というのは、建前といいますか、皆さんの説明でいえば、これは居住施設ではなかったはずで、在宅生活を維持していることも多いわけです。家を持ちながら入っているケースもあるわけです。これでは居住費の二重取りだという問題もある。しかも、特養の社福減免のような制度すらないというのが実態としてあるわけですね。

 大臣に私問いたいんですが、私ども、ホテルコスト全体に取ることに反対です。これは撤回すべきだと思っておりますが、しかし、少なくともこうした全体の状況を見て、やはり老健や療養型施設のホテルコスト徴収については、これは見直すということは検討すべきじゃないですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 やはり、何らかの形で施設に入っておられる、そうしますと、まず一番食費の部分は、そちらで食事を取られるわけでありますから、自宅でまた帰ってもう一回食事を取るということにはならないんで、そこがダブルになるということはもう基本的にあり得ません。ただ、居住費のことをいえばいろいろまた考え方も出てくるかもしれませんけれども、基本的にやはり自宅におられる方と施設におられる方の公平感ということでいいますと、今私どもが取った見直しというのは、これは正しいものだと考えております。

小池晃君

 いや、私指摘したように、居住施設でないという性格もあるわけでしょう、療養型、老健の場合は。そういう場合、居住費の二重取りということにならないんですか。公平、公平と言うけれども、施設に入りながら居住費払い、なおかつ自分の家の家賃も払うと。それから、その食費についても公平だと言うけれども、自宅でやる場合は調理コストというのはないわけですよ。四万八千円、施設に入れば食費が掛かってくる。かなりこれバランス欠くんじゃないですか。その点、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 申し上げておりますように、施設と自宅、どちらにおられるかということで、実態でいいますと、施設におられれば正に施設の中で生活しておられる、このことでありますから、実態に着目すれば、私どもが今言っていますことというのは別に間違ってはないというふうに考えます。

小池晃君

 私、このくらいの見直し、検討すべきだと思いますよ。こういうことすらしない。これでは私、老健、療養型というのは、正に低所得者にとってみれば使えない施設にどんどんなっていくという危険が本当に強いというふうに思います。

 それから、ちょっと在宅の問題で、デイサービスにも新たな負担増ということがあるわけです。このデイサービスの食費が一回約四百円の負担増になってくると、食事加算廃止するということでありますが。これ、十日利用すれば四千円の負担増になってくると。これでは、介護予防ということでいえば、正に予防的な役割、通所介護というのは非常に果たしていると思うんですが、これは必要な利用も抑制するということになるんじゃないですか、こういう負担を押し付ければ。

副大臣(西博義君)

 御指摘のように、通所介護におきましては、食費は現在自己負担とされている食材費の相当も含めて保険給付の対象外ということで、介護に相当する部分の給付をそれによって重点化していこうと、こういうふうに考えているところでございます。

 具体的な額、先ほど委員から御提示がありましたが、最終的には個々の施設と利用者の契約ということでございますが、今現在報酬に含まれているこの食事加算、これが利用者負担というふうになりましても、一日当たり、一回当たりでございますが、四百円という水準でございまして、在宅とそれからこの施設、デイサービスの施設におけるバランスから考えてお認めいただけるものではないかというふうに考えております。

小池晃君

 いや、認められません。一回四百円、少ないと言うけれども、実態をいろいろと聞いてみると、例えば福岡県のあるデイケア施設ですが、これは一か月約八十人利用しているんですが、毎日来たいという人が三四・一%、週五日以上来たいという人が四〇・二%なんですね。非常に回数多い。現在一日六時間から八時間の利用で千百円の負担が約三百五十円増えることになると。要介護三の女性で、デイケア毎日来たいんだけれども月三万円しか払えないと、二十三日が限界だということで、そうなると利用日を四日削らなきゃいけないというふうにおっしゃっている。要介護二の男性、毎日希望しているけれども、この方は利用料払えるのは二万円まで。大体皆さんそうなんです。自分が幾ら払えるか、そこで決まってくるというのが実態としてあるわけです。そうすると、この食事加算廃止されると、今まで、例えば四月は二十三日利用していたんだけれども、そのままだと、法案が通ると食費負担八千円増える。そうすると十日間参加できなくなるんだと。そうなると在宅で暮らしていけないという、そういう話なんですね。

 大臣、これ一回四百円で小さいと言うけれども、デイサービス何度も利用している人にとってみれば、非常にこれは重い負担になってくるんじゃないか。しかも、これ低所得者対策一切ないんですよ、この部分。それはそうですね、低所得者対策はないですよね。局長、いかがですか。

政府参考人(中村秀一君)

 今の例で、毎日デイサービスをお使いになりたいとか、二十三日行っておられる方がおられるということでございますが、デイサービスの平均的な月の利用回数は八回でございまして、二十三日とか毎日というのはちょっと、むしろケアプランとかそういうのに問題があるんではないかと思って聞かしていただきまして、ちょっとその四百円のところまで頭が回らなかった状態でございますが。

 いずれにしても、デイサービスの費用にしろ、皆さんの一割を除きまして、残りの部分は若い人も含めての保険料と税で成り立っているわけでございまして、やはりそういった中で介護保険制度を持続的にいっていくために、みんなで支え合う部分と自分で負担できる部分というところの組合せでやっていかなければならないんではないかと考えて今回の御提案をしているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。

小池晃君

 あなた、実態も見ないで何で言えるんですか。二十回使ったら、それはその人の実態も見ないで、何も知らずに、ケアマネジャーが立てたプランを不適切だと。問題じゃないですか。そういう回数が必要な人だっていたっておかしくないじゃないですか。そういう機械的な一律なやり方が日本の介護をゆがめているんですよ。撤回しなさい、今みたいな発言は。

政府参考人(中村秀一君)

 私が申し上げたのは、デイサービスの、全国の要するに在宅におられる方の四割の方は、デイサービスを四割近くの方が使っておられますが、それの平均の利用回数は月八回程度だというふうに申し上げたわけで、小池委員の出された方は非常に特別な方で、不適切かどうかは、確かにおっしゃるとおり見ておりませんので訂正さしていただきますが、費用負担のことの議論をするときに非常に例外的なケースを持ち出して議論されるのも、ちょっと私ども、やっぱりそこは極端なケースではないかと。デイサービスの利用という意味では八回、九回、十回と、そういうレベルでございますので、二十三日、月に行っておられるから非常に負担になるというお話でございますが、そういった方々は極めて統計的にいうと例外的な事例ではないかと、こういう意味で申し上げました。

小池晃君

 厚生労働省というのは平均で仕事しているんじゃないですよ。国民というのは平均だけで生きているんじゃないですよ。いろんな人がいるんですよ。二十回必要な人だっているわけでしょう。そういう人にどういう施策が必要か考えずに、何で厚生行政できるんですか。私、大問題だと思いますよ、そういう考え方は。平均だけで物を見ていたら、私は切り捨てられる人が出てくるんだと。それが今の医療や介護や社会保障制で本当に大変な思いしている、落ちていっている人たちの犠牲を生んでいるんですよ、そういうやり方が。極めて重大な問題だというふうに思いますが。

 重ねて、ちょっとこの問題で私、西副大臣に確認したいことがあるんですが、衆議院の委員会で副大臣は、訪問介護の調理コストを介護保険で負担するということは通所介護で調理コストが自己負担になることと整合性が取れない、この点を踏まえて検討するというふうに答弁しています。これの検討というのは一体どういう意味ですか。まさか、ホームへルーパーが食事を作ったらその調理コストは利用者から取ろうと、保険給付から外そうと、まさかそんなことを考えているんですか。

副大臣(西博義君)

 家事援助に対する保険給付の考えについての御質問でございました。先ほど山本委員からお話がありましたように、随分いろんな議論がありまして、そのうちの一つで、私の考えを申し上げたわけではないんですが、そういうところの部分がございました。

 このことに関しましては、去る四月二十七日、最終の衆議院の厚生労働委員会で横路先生からの御質問に対して、大臣より確認答弁が行われております。内容に関しましては、新予防給付においても家事援助を一律にカットすることはなく、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められるものであるということで、具体的には、先ほどの議論もありましたように、自力では困難な行為、例えば掃除、買物、調理等、それぞれに応じての困難な行為、それから同居家族による支えや地域の支え合い、それから支援サービスやその他の福祉施策などの代替サービスが利用できない場合というようなケースについて、ケアマネジメントによる個別の判断を経た上でサービスが提供されるということに整理されたところでございます。

小池晃君

 いや、私が聞いたことは、石毛委員の質問だったと思いますが、通所介護の方では調理コストが自己負担になっている、一方で、訪問介護では調理コストは介護保険で負担していると、これは整合性が取れないから検討するというふうに言ったことの意味を聞いているんです。

副大臣(西博義君)

 様々な議論の中でそういう意見もあったということを申し上げただけで、私がそういう結論を出したわけではございません。

小池晃君

 これは本当、断じてこんなことは許されないというふうに思います。そのことは確認しておきたいというふうに思いますが。

 関係者が更に心配しているのは、本人の収入、年金額が変わらないのに税制改悪で利用者負担が大幅に増える、まあ税制改正の影響なんですが。

 最初に確認で、保険料の新第三段階、市町村民税非課税となるのは現時点では年金収入幾らの世帯か、金額だけお答えいただきたい。

政府参考人(中村秀一君)

 現行の税制度の下では二百六十六万円でございます。

小池晃君

 総務省にお聞きしますが、税制改革で年金収入幾らから市町村民税を支払うことになるのか。まず夫婦二人世帯の場合、それから次に単身世帯の場合、これでお答えいただきたいと思います。

政府参考人(板倉敏和君)

 今御指摘がございました平成十七年度の税制改正によりまして、個人住民税につきまして、六十五歳以上の一定の所得金額以下の方につきまして非課税措置を段階的に廃止をするという措置をとらせていただきました。この改正によりまして、六十五歳以上の方も一般の若い方と同じような形の非課税限度額が適用になるということでございます。

 御指摘がございました収入が公的年金のみである六十五歳以上の夫婦、例えば控除対象配偶者を有する個人について見ますと、生活保護法の規定により、一級地の場合で、収入金額ベースで二百十二万円ということになります。それと、いわゆる寡婦と言われております御婦人等を除きまして、独身者、公的年金のみである独身者の場合でございますけれども、これが十七年度の改正によりまして収入金額ベースで百五十五万円ということになります。

 以上でございます。

小池晃君

 新たに非課税から課税になる人数、概算でお示しいただきたいと思います。

政府参考人(板倉敏和君)

 新たに課税になる方の数ということでございます

けれども、非納税義務者についての統計がございませんので、私どもほかの資料等を使いまして試算をいたしたところでございますが、約百万人というふうに見込んでおります。

小池晃君

 これまで本人非課税だった人、百万人が新たに課税になる。その場合、保険料段階は新第三段階から少なくとも第五段階へ少なくとも二段階上がっていく。その結果、保険料は、基準額四千円だとすると三千円から五千円、毎月二千円、年間二万四千円の負担増になるし、利用料、ホテルコスト、食費で毎月三万円あるいはそれ以上の負担増になる。こうした大幅な、今回の税制改正に伴う大幅な負担増に対してはどのような手だてが考えられているのか、お答えいただきたいと思います。

政府参考人(中村秀一君)

 ただいまの非課税措置の廃止等により非課税から課税になる方につきましては、地方税法上でも経過措置が講ぜられるということを勘案いたしまして、介護保険につきましても保険料及びそれと連動している利用料について二年間の負担軽減措置を講ずることといたしたいと考えております。

 具体的には、保険料については、個人住民税において経過措置の対象とされた方について激変緩和措置を講ずることを検討したいと思っております。また、利用料については、税制改正で生じる影響が保険料段階と連動しておりますので、利用料負担段階が二段階上昇する方については、その上昇が一段階にとどまるように激変緩和措置を講じたいと考えております。また、利用者負担段階が一段階上昇する方につきましても、社会福祉法人による減免措置を適用し、その負担軽減を図ることを検討したいと考えております。

小池晃君

 時間なので終わりにしたいと思いますが、保険料は二年間の経過措置あっても三分の一ずつ上がって、三年目からは二千円増になってしまう、今二百六十六万円までの方が二百十二万円まで、しかも単身者の場合百五十五万円まで、こういうことになってしまう。利用料については、結局またもや社会福祉法人の減免任せになっている。しかも、この点でも、老健や介護療養型医療施設については対策がないということになるじゃないですか。

 私、この程度の激変緩和では激変緩和になっていない、極めて不十分だというふうに思います。この点でも検討を加えるべきだということを申し上げて、今日の質問は終わります。

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