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162通常国会 参議院厚生労働委員会

  • 軽度者サービスは有効/介護保険法案審議 長崎で重度化緩和/小池議員示す(関連記事

2005年5月17日(火)


小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 今回の法案の中心というのは、これは予防重視の仕組みに変えることで、地域支援事業、それから新予防給付の導入ということが柱になっていると思うんで、この問題ちょっと議論したいんですが、軽度の要介護者に対する介護が要介護度を悪化させているんだということを、この間言われてきました。その根拠、改めて御説明願いたいと思います。

政府参考人(中村秀一君)

 介護保険がスタートをいたしまして要介護認定制度が導入され、要介護認定のデータなどがそろってまいりました。そういった中で、全国的なデータあるいは地域的なデータがございます。

 私どものデータで言いますと、平成十三年の国民生活基礎調査の結果でございますとか、そういったものがございますし、全国的に最も早く要介護認定の時系列の変化を追いましたのは島根県のデータでございますが、それらのデータに共通しておりますのは、要支援とか要介護度、要介護であった方々が一年なり、調査によって追跡している期間が一年ないし二年ということでございますが、その一定期間経過後、その要介護度状態を維持された方、また重度化された方、重度化と申しますのは要介護度が二から例えば三に上がった等を重度化と定義しておりますが、重度化された方、また改善された方、これは逆に要介護二の方が要介護一になったようなケースでございますが、そういったことを見ますと、要支援や要介護の方、要介護一の方など重度の方々は他の要介護度に比べまして改善した者の割合は低く、また悪化した者の割合が高い。あるいは、大体、要介護度、重度の方と比べてそれほど改善度に差がない、あるいは維持度に差がないと、こういうような状況でございまして、私ども、軽度者の場合につきましては、原因の疾患の状況から申し上げまして、適切な介護サービスなり予防サービスが提供した場合には改善可能性が高いのではないかと考えているにもかかわらず、実際の改善状況が思わしくないというふうに考え、委員からお話ございましたように、要介護状態の改善に必ずしもつながっていないということを申し上げてきたところでございます。

小池晃君

 まあ、いろいろとおっしゃいましたけれども、日医総研のデータですね、島根県のはね。これ七千八百七十八名対象で、施設入所者も含むわけです。それに対して、厚労省の介護給付費の実態調査報告は、これは在宅だけで百三十八万六千二百人、規模が全然違うんですね。大臣、これはもう衆議院で何度も議論あったんで大臣ももう御存じだと思いますが、この厚労省の給付費の実態調査見ても、要支援、要介護一では、大体七割から八割の人が状態を維持、維持が一番多いですが、改善している方もいらっしゃる。私、この介護給付費の実態調査報告、一番母数として大きい、この調査を見れば、やはり軽度の人に対するサービスの効果というのがこれは一定、大きなものがあるんだということがはっきり出ていると思うんですが、大臣、その点、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 ちょっと意味がよくつかみかねなかったんで、局長にまず答えさせます。

小池晃君

 端的にしゃべってください。

政府参考人(中村秀一君)

 はい、端的に申し上げまして──大変失礼いたしました。

 介護給付費実態調査で数字が出るようになってきておりますが、例えば要支援なり要介護一の方の悪化の度合いということ、例えば要支援の方などの悪化の度合いは他のグループに比べて高い状況でございます。先ほど来申し上げていますように、要支援等に対しては現行制度でも予防給付というふうにされているわけでございまして、そういった点では、もう少し成果が上がってもよいのではないかと、こういうふうに認識しているところでございます。

小池晃君

 要支援というのは下りようないんですからね、それは上がる方が、悪くなる方が多くなるというのは、これは物の道理だろうというふうに思うんですね。加齢に伴って一定悪化することはこれ避け難いと思うんですが、しかし、この給付費の実態調査見ても、これ要支援では悪化、三一・二%ですけれども、維持というのは六八・八%あるわけですよ。それから、要介護一では、悪化が一五・五%に対して改善・維持が八四・四%なんですね。大臣、これでも軽度者に対するサービスは効果が余りないと言うんですか。私は、この数字というのは、軽度者へのサービスというのは相当効果があるというふうにしか読めないんですけれども、大臣、いかがですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 お示しいただいている数字が私の手元にないものですから、その数字について特に申し上げることは……

小池晃君

 厚労省の調査ですよ、これ。

国務大臣(尾辻秀久君)

 いや、手元に今ないということで申し上げているところでございます。

 ただ、今の議論というのは衆議院の議論の中でも随分行われておりますので、その都度申し上げてまいりましたけれども、やっぱり軽度の方がもう少し改善していただいてもいいというふうに私どもは考えておりまして、その改善していただきたいなと思う数字からすると、やはりそこのところがうまくいっていないと私どもは認識しているということを再三申し上げてまいったところであります。

小池晃君

 じゃ、その改善していただきたい数字というのはどれだけなんですか。何%改善すればこれは効果があったというふうにおっしゃるんですか。

政府参考人(中村秀一君)

 要支援、要介護一の方々の原因疾患などを見ますと……

小池晃君

 そんなこと聞いていないからいいよ、もう。ちょっと質問以外のことを答えさせないでくださいよ。駄目だよ。もういいよ、いいよ。大臣、答えてください。

政府参考人(中村秀一君)

 要介護状態の変化に関するデータを調べますと……

委員長(岸宏一君)

 局長、端的な御答弁をお願いします。

政府参考人(中村秀一君)

 はい。軽度の方については、改善する割合が他のランクに比べまして高いことが望まれるわけでございまして、委員から御指摘があります他のランクと遜色がないということでは十分な効果を果たしているというふうには考えていないところでございます。

小池晃君

 私は全く説得力ないと思いますよ、それは。

 じゃ、要するに、要介護三、四、五よりも改善度が高くなければ効果がなかったと言うんですか。でも、八割の人がね、大臣、介護サービスを受けることによってその状態を維持され、あるいは改善しているというのは、これは十分胸を張っていい成果じゃないですか。私は当然そういうことだと思うんですが。

 ちょっともうここにかかわっていては進まないので更に進みますと、軽度の人に対するサービスが状態を悪化させるというふうに言うんですけれども、実際、じゃ地域で見るとどうかと。

 今日、ちょっとお配りしている資料の一枚目がこれは長崎県の数字を今日はお示しをしているんですけれども、ここはどういう特徴があるかというと、軽度の要支援、要介護一の要介護者の占める比率が全国平均より高いわけです。もしも厚労省の説明のように、今のシステムが非常にうまくいっていない、軽度の人に対するサービスが状態を悪化させるんだということであれば、私は要介護高い人が増えても当然だというふうに思うんですが、逆に、この長崎の結果なんかを見ますと、要介護二、要介護三、要介護四、要介護五というのは全部これ、全国平均よりも減っているわけですよ。

 これ、大臣、これは軽度の人に対するサービスが要介護度を悪化させるのであれば、こんなはずには、こんなことにならないはずじゃありませんか。

政府参考人(中村秀一君)

 このデータをどういうふうに見るかについてはもう少し、今日お示しいただいたデータですので、検証させていただきたいと存じますが、このデータを見ますと、長崎の場合、非常に要介護度軽い方に対する出現率が高く、それから重度のところについては全国平均との差は余りないと、こういうふうに見れるのかなと思っているところでございます。

 全国的に見ますと、要介護度四、五についての地域差は少なく、要支援、要介護一の部分についての出現率の差はかなり大きいということでございますので、長崎県はそういった意味では、特に要支援のところを見させていただきますと非常に高い状況でございますので、そういった意味では地域差が多い県の中の一つなのかなと思って拝見いたしました。

小池晃君

 もう少しこれ素直にこういう数字読んでほしいと私は思うんですけれどもね。

 これ、長崎だけの話じゃないんですよ、これね。実は、こういう現象が起こっているということは厚労省自身が国会で答弁されているんですよ。衆議院の四月六日の委員会で西副大臣が東京の品川の例を挙げられたんですよ。副大臣はこう言っているんですね。東京の品川区というのは、要支援については東京二十三区や全国の平均を上回っている一方で、要介護一から五についてはいずれも下回っているということで、重度の人が比較的少数にとどまっているという傾向が見られる、こう副大臣答弁したんですよ。

 正にこれ同じ現象が起こっているということ、あなたは認識されて答弁しているわけじゃないですか。要支援の人にサービス提供すればするほど要介護度を悪化させるんじゃなかったんですか。そうじゃなくて、副大臣が正に率直におっしゃっているように、要支援の人に対するサービス、要支援の平均が上回っているところが重度の人を比較的少数にとどめていると、全く正反対の結果を副大臣はお話しになったんじゃないですか。いかがですか。副大臣の答弁ですよ。

委員長(岸宏一君)

 副大臣ですか、尾辻大臣ですか。

国務大臣(尾辻秀久君)

 先ほど来御指摘のことが私どもによく理解できないものですから、改めて申し上げて、先生の御意見も伺いたいと思うわけでございます。

 お示しいただいておりますこのグラフは要介護度別出現率で、全国の平均の数字と長崎県の数字が並べてございます。そうしますと、これは全国平均の数字と、凸凹にいろんな県がなって平均値になるわけでございますから、この要支援、要介護一のところが長崎県が全国の平均よりも多いということを述べておられるのは分かるんですけれども、じゃ、これが何ゆえだと言って今の御指摘をしておられるのか、そこのところがよく私どもに理解できないものですからお答えできないところであります。

小池晃君

 それは何ゆえだということを主張しているんじゃなくて、現象として、正に要支援、要介護一、軽度者に対するサービス熱心にやっている。長崎、何でこうなっているかというと、被爆者の利用料の軽減なんかがあって、軽度の人が比較的利用しているということを聞いているんです、私。

 そういうことで、軽度者に対するサービスをやっているところ、逆に重度者は減っている。私、これ当然だと思うんです。介護サービスをしっかり軽度の人にすれば、それが介護の進展、要介護度の進展を抑えて、結果として重度の人を減らしていくということが私は起こってきているというふうに思うんですね。正に副大臣はそういう趣旨でおっしゃっているんです、品川では。

 別に、品川が新しいシステムで、新予防給付でやっているんだと、それだったら別ですよ。違うんですよ。今のシステムの下で品川はやっていて、品川は要支援者が全国の平均、東京二十三区の平均を上回っている、一方で要介護一から五についてはいずれも下回っている、重度の人が比較的少数にとどまっているという傾向が見られると。正に私が主張していることと同じことを副大臣言っているじゃないですか。どうなんですか。

副大臣(西博義君)

 結果として要介護の低い方から高い方に移行するのを防止するというような趣旨ではなくて、現象として、結果として要支援、要介護一レベルの軽度の人が多くて、重度の方が結果として少ないという現象を申し上げたということでございます。

小池晃君

 だから、その現象は、じゃ一体なぜ起こっているのかということを真剣に検討すべきじゃないですか。これやはり、こういう形で軽度の人に対するサービスを手厚くやっているところで重度者が減っているんだとすれば、それは正に今のシステムが有効に働いているということにもなるわけですよ。

 私は、軽度者に対するサービスは要介護度を悪化させるんだという説明はどう考えてもこれ説明不能、もう納得できないと思うんですよ。もうこういう説明の仕方は私はいい加減にやめるべきじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。

政府参考人(中村秀一君)

 委員の御指摘、長崎県の例を挙げて、長崎の要支援の状況が多い、要介護一の該当者が多いというお話と、こういう方々に対してどういうサービスが行われているかどうかというお話になるわけでございますし、他の県でも長崎のようなこういうところがあり、重度化が防止されているということになるのかどうか、そこのところはこの表だけでは、大変貴重な御提言だとは思いますけれども、何とも言えないものでございますので、今委員の方からは、原爆の問題で非常に軽い方の使われ方も多いというようなお話でございますけれども、そういうことは別として、この要支援の出現率、要支援、それから要介護一の出現率はこうであるとして、サービス利用がどういうものであるか、その辺のちょっと検証をさせていただきたいと思います。

小池晃君

 じゃ、それは各県別に統計を出してください。これ、私ども調べた範囲では、要支援認定率の増加に従って中重度の認定率が増加する、皆さんの説明によればそうなるはずなんですが、そうなっていないし、それから要支援の人が多いところに限ってみると、要支援の認定率が増加するに従って中重度の方の出現率が減っているという傾向が出ておりますので、その点はしっかり調べて報告をしていただきたいというふうに思いますが。

 しかし、私は、副大臣が説明している中身見れば、これは当然、やはり軽度の人に対するサービスをやることによって重度者が増えるんじゃなくて、むしろ減っているんだと。これが、だから軽度者に対するサービスをやればやるほど要介護度が悪化するという説明は私はもうやめるべきだというふうに思うんですが、その点どうですか、大臣、そういう説明はもはや通用しないというふうに思いますよ。

政府参考人(中村秀一君)

 その長崎県の資料では今のところ何とも申し上げられないということを申し上げました。

 それから、私ども申し上げていますのは、軽度の方に対して適切なサービスが提供されれば重度化の防止、あるいはその手前の方にサービスを提供すれば要支援、要介護に該当することの防止に資するということを申し上げているわけでございまして、その点について、そういう考え方に基づいて今回の法案も提出させていただいておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。

小池晃君

 いや、理解できません。

 私は、本当に予防重視ということは大事なことだと思うんです。今のシステムで軽度の人に対するサービスが要介護度を悪化させるのであれば根本的にシステムを見直す必要だって確かにあると思う。しかし、実態を見ればそうではないと。軽度の人に対するサービスをやればやるほど悪化しているなんという実態はないわけだから、だとすれば、今のシステムの下でどうやったら予防重視になっていくのかということを私は考えていくのが当然やるべきことであって、新しい新予防給付の導入、あるいは要支援の人に対するサービスの制限というのは正に逆行になるんだということを言いたいわけです。

 ちょっと引き続き議論したいんですけれども、介護保険の見直しというのであれば、私は、介護保険の今の制度が国民の期待にどれだけこたえてきたのか、あるいは国民がどういう問題点を持っているのかということを真剣に分析して見直すことこそ必要だというふうに思うんですが、資料の二枚目に、お配りしておりますけれども、これは三井生命が行った介護保険に対する意識調査なんですね。

 介護保険の実施前、二年前、九八年には、期待しているという人は四三・三%でした。それが、実施直前の二〇〇〇年には五一・一%まで増える、五割超えるわけです。ところが、介護保険実施後の二〇〇二年には、期待にこたえているとした人は一八・八%で、二〇〇三年は二〇・七%、二割にまで落ち込んでいる、こういう結果が出ていました。

 大臣、私は、介護保険制度に国民は一体何を期待したのか、そしてその期待にどうして、こういう結果に表れているように、こたえられていないのかということについて大臣はどうお考えですかとお聞きしたいと思います。

国務大臣(尾辻秀久君)

 国民の皆さんが何を期待されたかということもありますが、またそうした御質問ではありますけれども、今日の御質問の冒頭に清水先生が言っていただきましたように、私もこの制度をつくるときに最初から議論に参画した一人であります。

 そのころの私の思いを申し上げたいと思いますけれども、そのころ、この介護保険制度というのは日本に是非導入したい、そのことを思いました。その導入したいと思っておりました最大の理由というのは、やはり介護を必要とする方が出てくる、そうした介護が必要な方が出てくると、どうしてもその家族の方に肉体的にも精神的にも負担が掛かってくる、そうした家族の皆さんに負担を掛けているものを社会全体で介護をすると、こういう考え方にしたい、こう思いました。特に、家族の皆さんといっても、女性の皆さんに特に負担が掛かっておりましたから、そうしたものから社会全体で介護をする、こういう仕組みをつくることが必要だ、一番思ったことはそのことでございました。恐らく、ですから、国民の皆さんも御期待なさったというのは、そういう仕組みをつくることであっただろうと今改めて思うわけでございます。

小池晃君

 その点で言うと、介護保険法を始めるときは、老後の不安にこたえる、社会全体で支える、措置と違ってサービスを選択できるという説明されていたんですが、実態としては、私は全体として利用が広がったことは間違いないと思いますが、やはり低所得者中心にサービスの抑制ということは非常に重い事実として残っているんだろうというふうに思うんですね。

 内閣府に今日は来ていただいているんですが、内閣府の研究会が二〇〇二年に介護保険導入前後で訪問介護サービスというのがどう変化したかという調査をやっておりますので、全体と低所得者でどういう変化があったか、簡単に御説明願いたいと思います。

政府参考人(薄井康紀君)

 お答えを申し上げます。

 御質問は、平成十四年の八月に発表いたしました介護サービス価格に関する研究会報告書についてでございます。これは、物価政策の観点から行ったものでございますけれども、その中で、平成十三年十月ごろ、介護保険がスタートいたしまして一年半ぐらいの時点におきます介護サービス利用者のアンケートというものを行ってございます。それらの中で、全体について申し上げますと、介護保険制度の導入によりまして各サービス、非常に利用者が増えているということであるわけでございますけれども、同居世帯の世帯年収が四百万以下ということで一応低所得者を見ましてその利用状況について見ますと、例えば訪問看護、いわゆるホームヘルプサービスということでございますけれども、この利用者数につきましては、その割合が約一〇%減少しているという結果がございます。ただ、それらの低所得者層につきましても、訪問入浴であるとかあるいはショートステイと、こういったものは増加しているという部分があるのは事実でございます。

小池晃君

 介護保険導入前の九九年に比べて、全体としては二倍ぐらいの利用者の増加があるけれども、低所得者は一〇%減少したと。こうした状況を踏まえて研究会としての提案がされていると思うんですが、何と書かれているか、御紹介願います。

政府参考人(薄井康紀君)

 先ほど申し上げましたように、いろんなサービスの中で、訪問入浴とかショートステイとか、逆に増えている部分も低所得者層についてもあるわけでございますけれども、報告書の中では、低所得者の利用状況はかえって減少した可能性があるということを言っておりまして、それを受けまして、低所得者が真に必要なサービスを受けられないといったことがないよう配慮していく必要がある、こういうことを指摘をしているところでございます。

小池晃君

 私、これ非常に貴重な提言だと思うんですね。五年の見直しということであれば正にこういったことにどう対応するかということが私必要だろうというふうに思うんですが、厚労省としては、こうした低所得者のサービスが抑制されているという実態どう考えておられるのか。やはりどういう手だてが必要だと考えておられるか。

政府参考人(中村秀一君)

 まず、今の内閣府の方の報告書でそういう御報告がなされているようでございますが、例えば私どもの平成十二年当時の調査によりますと、岩手県の調査でございますけれども、保険料段階一、二、三、訪問介護の回数はいずれも二〇%、一六%、二五%と、こういうふうに伸びておりまして、必ずしも低所得者に対しまして利用が減少したというふうには考えておりません。それから、所得段階別の利用状況を見ますと、例えば支給限度額に対する利用割合も、第一段階から第五段階まで、第一段階四六・九%、第五段階四六・七%と、所得による段階の大きな差は見られません。

 そういったことを考えますと、介護保険、サービス利用者の負担能力に応じまして月々一割負担の上限や食費の負担の軽減を行うなど、低所得者にも必要なサービスを配慮しているところであります。

 また、要介護認定を受けながら居宅介護サービスを利用していない方について、その理由の調査もしているものがございますが、保険者において利用料が支払えないということを挙げている方はごく少ないと、こういったことを考えますと、介護保険の利用料負担の問題が低所得者層のサービス利用の抑制にはつながっているというふうには考えておりません。

小池晃君

 今数字、都合のいいところだけ読み上げられたようですけれども、第一段階四六・九、第二段階四二・六、第三段階四三・〇、第四段階四四・〇、第五段階四六・七ですね。第一と第五は高いです。なぜかといえば、第一というのは生活保護世帯が主ですから、これは利用料負担ない人たち。それから、第五段階の一番所得の高い人たちが利用率高いんです。そして、その第二から第五だって、相関ないと言うけれども、一応所得に従ってだんだんだんだん利用率上がっているという、厚労省の数字だってそういうのが出ているんですよ。

 私、今言われた数字というのは、正に利用料の負担というのが介護サービスの利用に大きな影響を与えている何よりのもの、証明になっているというふうに思いますけれども、いかがですか。

政府参考人(中村秀一君)

 所得段階別に見ました支給限度額に対する利用割合、合計でいきますと四三・三でございます。そういった意味では、第二段階でも四二・六でございますので、大きな差はないというふうに考えております。

小池晃君

 五年の見直しというときに、やっぱりこういう事実から目そらして、できるだけそういったところにはメス入れないというのは私はやっぱり姿勢として間違っているというふうに思いますし、これはやっぱり国民にとってみれば一番深刻な問題なんですから、見直しというのであればこういったところにしっかり目を向けるべきだということを申し上げて、まあ一回目ですので、これで終わりにします。

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