先ほど申し上げましたように、給付費の五割ということじゃなくて、医療費に対する比率でかつてやっていたわけですから、保険制度になじまないという議論は成り立たないと思いますし、やはり真剣に、国保の問題解決のためには国庫負担の引上げということを検討するべきだと、それ抜きに国庫負担を都道府県に置き換えるということでも、結局矛盾のたらい回しで何の解決にもならないというふうに思います。
最後、質問いたしませんが、大臣に申し上げたいことがあります。
先ほど、東京高裁で原爆症の認定裁判、東数男さんに対する控訴審判決が出まして、控訴取消しと、棄却という東京高裁でも勝訴判決が出ております。
この判決文見ますと、東さんの肝障害が原爆の放射線に起因するものと認めるのが相当であり、本件認定申請を却下した本件処分は取り消されるべきであると、原判決相当であるから、本件控訴を棄却するという判決が下りました。
東数男さんは、実は今年の一月二十九日に今日の判決を聞くことなく七十六歳で無念の死を遂げている。奥様から談話をいただいておりますけれども、控訴を棄却するという判決を聞いて本当にうれしい、でもこの判決は私ではなく亡き夫東数男に出されるべきだったと思う、夫にこの判決を聞かせられなかったのは本当に残念だというふうにおっしゃっています。夏に肝硬変、肝臓がんというふうになって、それでお亡くなりになったんですけれども、こういうふうに奥さんおっしゃっているんですね。私は判決を聞くことなく無念の死を遂げた夫に代わって心から訴えます。厚生労働大臣は絶対に上告はしないでください。これ以上死者にむち打つようなことはしないでください。主人は本当の最期にありがとう、ありがとうと何度も言っていました。長い間応援してくださった皆さんに心から感謝申し上げますと。
私ね、こういう裁判で御本人亡くなられた、またこれで厚生労働大臣が上告をする。これは本当に死者にむち打つような私は非人道的なものになると。こういう方向性はほとんどこの間の裁判ではもう確定してきているわけですから、私は、いたずらに政治的な理由からその紛争を長期化させるということは絶対にするべきではないというふうに思います。
よって、大臣に申し上げたいのは、一つは、東京高等裁判所の判決を受け入れて、上告は絶対に行うべきじゃないということを一つ申し上げたいと思います。それから同時に、やはりこの間、司法の場で裁かれてきたことは、被爆者の認定行政の在り方に対する本当に断罪が続いてきているわけですから、被爆者の認定制度について、これは行政の在り方を根本的に改めて抜本的な改革を図る、そういうことが司法の場からもはっきりと行政に示されたわけですから、その道を進むべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。