労安法改悪案を可決
参院委 長時間労働の規制後退
共産党以外賛成
労働安全衛生法と労働時間短縮促進法など四法案を一括した改悪法案が二十五日、参院厚生労働委員会で自民、公明、民主、社民各党の賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。わずか一日、六時間の審議での採決です。
日本共産党の小池晃参院議員は反対討論で、「過労死を予防するどころか拡大し、国際公約の時間短縮目標を放棄するもの」と批判しました。
これに先立つ同委員会で小池氏は、長時間労働をさらにひどくする改悪案の問題点を指摘。労安法改悪案が、過重労働防止通達の「産業医への面接指導」の基準である「月の時間外労働が八十時間」を「月百時間を超え」、かつ「労働者本人からの申し出」があるものへと大幅に後退させることや、時短促進法を廃止して、「年間総実労働時間千八百時間」の時短目標を放棄し、閣議決定も廃止することを批判しました。
小池氏は、長時間労働をはびこらせている労働基準法第三六条の「特別条項付き協定」問題についてとりあげました。
労基法は三六条で、厚労相告示で示した範囲(年間三百六十時間)で労資協定を結ぶことを条件に時間外労働を認めています。ところが、「特別の事情」による「協定」を結べば年間三百六十時間を超え残業させることができる仕組みで、実際には恒常的に長時間残業が行われています。
小池氏は、石川島播磨重工業が年間八百時間・月二百時間など、大企業の「協定」の例をあげ、「過労死認定基準をはるかに上回る残業時間を認めないことが過労死防止にとって大切ではないか」と政府に迫りました。青木豊労基局長は「調査する」と答え、尾辻秀久厚労相は「厳しく取り締まっていきたい」と答えました。
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