「自立支援」法案
社会復帰阻むもの
精神通院公費制度廃止を批判
小池議員質問
十三日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員は、障害者「自立支援」法案で、通院公費負担制度が廃止される問題を取り上げました。
精神通院公費制度は、現在5%の本人負担です。「自立支援」法案で一割負担になり、さらに所得税三十万円以上の世帯(障害者とその両親の三人世帯で年収八百万円程度)であれば、三割負担になります。
小池議員は、「負担増により、通院中断すれば、症状悪化は明確。精神障害者の社会復帰という制度の趣旨に反するのではないか」とただしました。
厚労省は、「重度かつ継続」的に医療がかかる患者については負担を軽減するとしていますが、対象者を統合失調症、狭義のそううつ病、難治性てんかんの三疾患に限定しようとしています。小池議員は、日本精神科病院協会などの調査結果を示し「三疾患に限定する合理性はない」と追及しました。
さらに小池議員は、同法案で改悪される更生医療について質問。心臓手術で二十日入院し三百万円の医療費がかかった場合、現在の制度では所得税課税世帯の最低ランクの場合は二千三百円の負担です。改悪されると、合計九十万以上を窓口で支払うことになります。高額医療費自己限度額を超える分は申請で戻りますが、最終的な負担は約五十倍の十一万五千四百九十円になります。
小池議員は「十八歳未満の育成医療の激変緩和措置のように更生医療にも同様の措置が必要ではないか。せめて窓口での支払い猶予をすべきだ」とただしました。
厚労省の中谷比呂樹障害保健福祉部長は「検討する」と答えました。
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