障害者が自立できない「支援」法案
公聴会で批判相次ぐ
大阪 自民推薦の公述人も
「これでは自立できない」「きめ細かな配慮などとはいえない」―政府が特別国会に再提出した障害者「自立支援」法案の地方公聴会が七日、大阪市内のホテルで開かれ、自民党推薦の公述人を含めほとんどが、同法案への危ぐや反対の意見をのべました。
公聴会は同法案を審議している参院厚生労働委員会が開いたもので、障害者団体代表など五人が意見陳述。
大阪知的障害者育成会吹田支部の播本裕子事務局長は、知的障害の二十三歳の息子が親から離れて自立した自身の波乱に満ちた経験をリアルに語り、参加した議員も真剣に聞き入りました。播本氏は「現在の収入は障害基礎年金八万三千円のほかは月千円の工賃だけ。一方、法案が成立すれば八万三千円の負担になる」と指摘、「これでは自立できない法案だ」と怒りをこめて批判しました。
障害者へのサービスの内容を決める「障害程度区分」について、障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議の古田朋也事務局長は、「区分判定のモデル事業が行われているが、精神、知的障害では、コンピューターによる一次判定で、現にサービスを受けている人も『非該当』となるなど問題が大きい」とのべました。
大阪精神障害者連絡会の塚本正治事務局長は、現在自己負担が5%の精神通院が「自立支援医療」によって10%の負担になることを批判し、「精神障害者の通院を保障している公費負担医療をなぜやめる必要があるのか」とのべました。
自民党が推薦した大阪府医師会の中尾正俊理事は「一割負担の導入をすれば、障害の重い人ほど重い負担となり、自立を阻むものとなることを危ぐしている」とのべました。
質疑で日本共産党の小池晃議員は播本氏に「政府は『減免で負担が無理のないものになる』というが、実態はどうか」と聞きました。
播本氏は「減免制度で、施設入所者は少なくとも月二万五千円は生活費として残すというが、これでどうして自立できるのか」と答えました。
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