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2004年11月16日(火)161 臨時国会

“業者いいなり”随意契約
社保庁がNTTデータに約9千億円 小池議員追及 厚労相「調査する」

2004年11月17日(水)「しんぶん赤旗」より転載

質問する小池晃議員=16日、参院厚生労働委

 社会保険庁による年金保険料のムダ遣いの「温床」と指摘されている「随意契約」をめぐり、新たな疑惑が浮上しました。同庁が保険料徴収・年金給付を管理する社会保険オンラインシステムをNTT関連の「NTTデータ」社に「随意」で発注、これまでの支払い額が八千九百二億円にものぼっていたものです。十六日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃政策委員長の追及に、厚労省が明らかにしました。尾辻秀久厚生労働相は「これだけの指摘をいただいたから放置できない。調査して報告すべきものは報告したい」と答えました。

背景に天下りも

 問題の契約は、同システムの開発費や使用料を「データ通信サービス料」として、同庁がNTTデータに電電公社時代の七四年から、毎年支払っているもの。


 小池氏は、「あまりにも巨額な随意契約だ」としたうえで、社会保険料から全額が支払われるようになった一九九九年以降の五年間で同社への支払い額が六百三億円から八百二十五億円へと上昇し続けていることを指摘し(グラフ)、「業者の言い値でどんどんつり上げられているのではないか」と追及。その他の未払い金が二千億円も残っていることをあげ「NTTデータに入り続ける仕組みになっている。重大だ」と強調しました。

 さらに、社会保険業務センター三鷹庁舎がNTTデータのビルを間借りし、近隣と比べて二倍から四倍も高い月額一億一千九百六十五万円もの賃借料を支払っていることを指摘。こうした癒着の背景に、厚労省・社会保険庁からNTTデータ・関連会社への「天下り」があるとただしました。

 天下りについて、同庁の青柳親房運営部長は「該当者はいない」と言い逃れていましたが、小池氏が、元同庁次長の谷口正作氏が同社常務取締役に、元厚労省九州医務局長の中山和之氏がNTTデータシステム常務取締役になっているなどの事実を指摘すると、一転、「個人的には承知している」と認めました。

 小池氏は「こんな姿勢では国民の疑惑は晴れない」と批判し、巨額の随意契約と天下りに関連するすべての資料提出など徹底究明を求めました。


随意契約

 国や地方公共団体などが物品や役務を発注するさい、入札によらず、相手方を選んで契約すること。会計法は一般競争入札を原則としており、随意契約は、契約額が少額、または緊急性の認められるときの特例措置となっています。業者の言いなりの高値での発注になりやすく、汚職・腐敗の温床とされます。社保庁の金銭登録機をめぐる汚職事件では、随意契約で独占的に受注させた見返りに現金を受けとった職員が摘発されました。会計検査院の二〇〇三年度検査報告も、同庁の随契を「不当な支出」と指摘しています。


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