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2004年11月4日(木)161 臨時国会
論戦ハイライト
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小池議員 特別養護老人ホームの待機者は三十二万人に激増。このままでいいのか。
尾辻秀久厚労相 放置できない。数のところからよく調べてみたい。
特別養護老人ホームは、寝たきりなど二十四時間の介護が必要な高齢者などが入所する介護施設です。施設数が足りず、介護保険スタートからの改善テーマとなっています。ところが厚生労働省は、全国にいる待機者の集計作業を保険制度になってからやめてしまいました。利用者が施設事業者と直接契約する仕組みにかわったから、行政として調べる必要がなくなったという理由です。
小池議員が示した党国会議員団の待機者調査は、一刻も放置できない実態を明らかにしました。介護保険前の十万人から今回は三十二万人の待機者。なんと三倍に激増していたのです。
担当の中村秀一厚労省老健局長の答弁は「整備状況は順調です」「(待機には)予約もある」と言い訳ばかり。
年金に続いて介護でも国民への社会保障給付を削ろうとする厚労省の姿勢を小池議員はきびしく批判。介護施設の中核となる特養ホームの整備を抑制するやり方は「介護保険への不信を招きかねない。何とかしなければならないという状況ではないのか」と食い下がりました。その熱意の前に、尾辻厚労相も、待機者の人数を調べる必要性を初めて認めました。
小池 軽度の要介護者から家事援助サービスなどを奪うのは介護保険制度の理念に反するのではないか。
中村老健局長 一律に適用しないと決めているわけではない。
厚労省は今回の見直しの重点に“介護予防の推進”をあげています。新しい予防給付として、お年寄り向けの筋力トレーニングや転倒骨折予防訓練などをはじめます。対象者は、介護の必要度で見ると「要支援」「要介護1」と認定された軽度サービスの利用者です。
問題は、新予防給付を〇六年度から始めるかわりに、これまで軽度の利用者が使っていた調理、掃除の家事援助サービスをなくそうという話がすすんでいることです。
小池議員は、軽度者への介護サービスは効果があがっていないという厚生労働省にたいし「根拠はあるのか」と質問。紹介した西宮市のアンケート調査は、81・9%が在宅サービスの利用で心身の状態に効果があったと回答し、軽度の利用者では98・5%が効果があったとしています。
政府がとりあげたデータとは逆の結果を示す小池氏の指摘に、厚生労働省も効果がないとは言いきれなくなりました。中村老健局長は、家事援助サービスを一律に切り捨てる方針ではないと説明したうえで、「どういうサービスに効果があるかもう一回検討して再編成したい」と答えました。
小池 障害者の所得保障に前進がないのに、なぜ応益負担を求めることができるのか。
尾辻厚労相 いっさい応益負担がだめとは思っていない。
障害者福祉制度との統合が検討され、介護保険制度の見直しとして二十歳からの介護保険料徴収が検討され、障害者福祉には「応益負担」が導入されようとしています。
身体・知的障害者への福祉サービスは昨年から支援費制度として利用されていますが、利用者負担は所得に応じて負担を軽くする「応能負担」となっています。これを介護保険と同じ、サービス費用の一定部分を一律に負担する「応益負担」に改悪する方針です。財務省・財界は、介護保険の一割負担を二割、三割に上げようとしています。
小池議員は、支援費制度を導入した社会福祉法の採決にあたり、障害者の所得保障と雇用確保を政府に求めた付帯決議が付されたと強調。その後、どのような検討と具体化がされたかをただしました。所得保障どころか、障害基礎年金は物価スライドで引き下げられ、厚労省も答えられません。
「関係者からは、そもそも手話通訳やガイドヘルパーは『益』なのかという指摘がある。財政削減まずありきのやり方はやめるべきだ」。小池氏は、財政優先の見直しにならないよう強く求めました。
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