この売却については、いろいろと地元にお聞きすると、道や県はほとんどお荷物引き受けたくないというふうに言っていて、その結果、財政力のない市町村に押し付けられていると。市町村からは悲鳴が上がっているという実態もある。年金掛金使いながらこれだけ無駄遣いをやり、赤字になったら売却だということで市町村に破綻のツケを押し付けると。非常に二重三重に無責任なやり方だということを申し上げたいと思います。
それからもう一点、目的外流用の疑惑を取り上げたいんですが、二〇〇三年三月に全国の社会保険事務所に金銭登録機というのが導入されまして、これは全国三百十二か所のすべての社会保険事務所が個別にカワグチ技研という会社と随意契約を結んでおります。カワグチ技研というのは社員七名の小さな会社です。金銭登録機というのはハンディータイプの保険料の徴収員が持ち歩く端末なんですが、一台十七万六千円、全体で二千五百七十四台購入して、総額四億四千六百万円、こういう金額が国民の年金保険料から支払われている。
配付資料の三枚目に経過が、社会保険庁からいただきましたが、これは二〇〇三年の三月十一日に事務連絡で各事務所に年度内に機器導入を終えるように指示をして、この三月十一日から三月末日までのわずかの期間で三百十二か所の社会保険事務所がすべて個別にカワグチ技研というところと随意契約を結んで、そしてすべて期限内に購入したという、そういう経過なんです。
私は、これは社会保険庁が指示でもしなけりゃこんなことになるはずがないと。ところが、社会保険庁は一切指示していないというふうに私に説明している。しかも、このカワグチ技研というのは、繰り返すけれども、社員七名、資本金一千万円の会社だと。こういうところに、社会保険庁がゴーサインもなしに、四億円ものシステム開発費が掛かっているんですが、こんなことするんだろうか。社会保険庁が組織的に関与することなしに、七名の社員でわずかな期間で稚内から石垣島までのすべての社会保険事務所と個別に随意契約を結んで契約、納品する。
大臣ね、これ常識的にはこんなことあり得ないと、思いますが、大臣、いかがですか。──ちょっと併せてお聞きしますからお答えいただきたい。
しかも、これはこれだけじゃないんです、問題。調べていくといろいろと驚くべき事実がある。カワグチ技研というのは、これは金銭登録機のほかにもパピアートという伝票類の専用のプリンター、これを社会保険庁とリース契約しています。これがやはり全国の社会保険事務所とそれから地方自治体に配置されて、これ五年間で二十二億七千万円、見積価格のまま随意契約をされております。実際にこれは使用されていないということが新聞でも取り上げられています。
しかも、このカワグチ技研という会社には関連企業がございます。カワグチ技研の代表取締役は川崎義幸さんという方です。ところが、この人はニチネン企画という会社の監査役で、フォーム印刷社という会社の取締役なんです。ニチネン企画というのは、これは社会保険庁と出版物なんかの印刷でこれはやっぱり随意契約をしていて、契約高は五年間で十億八千五百万円。それからフォーム印刷社というのは、これは単年度ですけれども一億数千万円の契約がある。年金に関する帳票の印刷までやっている。すべてこれ随意契約なんです。これを全部合わせると、この関連企業で三十九億円の費用になる。しかし、カワグチ技研の社員数七名、ニチネン企画は十四名、フォーム印刷七名、延べ二十八名で年金絡みの三十九億円の受注を受けているんですね。私は、これは一人当たりにすると一億四千万ぐらいになるんですが、これ極めてこの三企業と社会保険庁の関係、私は異常なものを感じる。
大臣、いかがですか、この関係に極めて異常なものを感じる。私はこれを徹底的に調査すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。