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159 通常国会 予算委員会質問2004年3月9日(火)
先日、社会保険庁に勤める男性が逮捕、起訴されました。職場から離れた居住地で、土日や祝日にビラを配布した。これが国家公務員法で禁止した政治活動に当たると、そういう理由であります。これが男性の配布したしんぶん赤旗の号外であります。(資料提示)「憲法九条は日本国民の宝です」、このビラを郵便受けに入れただけで逮捕されたわけであります。 私、総理にお聞きしたい。日本国憲法も世界人権宣言も、言論、表現、思想、良心の自由を保障している。これは民主主義の基本だからであります。それなのに、このビラをまいただけで逮捕される。こんなことが民主主義社会で行われていいのか。総理。
駄目ですよ。専門家じゃないですよ、これ。総理、答えてください、これ。重大な問題ですよ。
理由じゃないですよ。こんなことがあっていいのかと。
公務員の政治活動を広く禁止する点で、そもそも憲法違反の法律です。しかし、勤務時間外に一市民としてビラを配るようなことは、今までのこの法律の運用の中でも違反ではないとしてきたんですよ。 公務員の立場を利用した政治活動という点では、これ、自民党、どうですか。今年の参議院比例代表選挙で自民党から立候補を予定している官僚 OB は、防衛庁三名、農水省三名、国土交通省三名、総務省は二名、財務省、厚労省が一名ずつ、合計十三名に上るわけですよ。そして、昨年十二月に麻生総務大臣は総務省 OB の立候補のパーティーでどういうあいさつしたか。総務省を挙げて、選挙で当選させるべく全力を挙げて頑張りますとあいさつをしたんです。 国家公安委員長ね、国家公安委員長、聞きますけれども、法律法律と言いますが、担当大臣がこのように選挙活動を奨励する発言している。もちろん調査していますね。答えてください。
大臣が公の場で自民党の候補者を省を挙げて当選させると。公務員の政治活動を省として支持しながら全く調査もしていないわけでしょう。野放しじゃありませんか。 東京の立川市でもイラク派兵反対のビラをまいた市民が逮捕されている。私、こうした弾圧というのは、民主主義のない暗闇の日本への暴走だというふうに思います。日本共産党は、民主主義への挑戦であるこうした暴挙に厳しく抗議をします。そして、起訴の取下げと無罪を求めます。民主主義守るために断固として闘うことを表明をいたします。 さて、年金問題についてお聞きをします。 今回の改革案では、保険料を引き上げる一方で給付はマクロ経済スライドによって削減をすると。これは国民年金含むすべての年金に適用されるわけです。しかも、これは既に年金もらい始めた人の例外じゃないんですね。こうした人の年金も実質価値が下がっていく。これはもう史上初めてのことであります。その結果どうなるか。(資料提示)これ、政府によれば、二〇二三年までに一五%の実質引下げになる。国民年金で見ると、今平均四万六千円の年金が三万九千円まで価値が下がっていく。今の年金ですら生活に必要な水準ではない、更にこんな引下げを行ったら生きていけないじゃないかと。総理、この声に一体どう答えるんですか。総理、答えてくださいよ。
平均値ですよ。国民年金の平均値、それも知らないんですか。
そもそも基礎年金の給付水準が低過ぎるということは問題になっていたんです。 九九年の十二月一日の衆議院の厚生委員会で、こういう質問をしている人がいるんです。国民年金、基礎年金の水準の見直し、水準への配慮というものも大事で、現在のように生活保護者にも及ばないような基礎年金は少し問題がある、ここは努力をしなければならないんじゃないか。これ、だれの質問だか分かりますか。坂口力氏です。坂口大臣、覚えていますか。
そんな二十年も三十年も昔の話じゃないんです、五年前なんです、これ。五年前の段階で既に少子化進行していたじゃありませんか。 当時の公明新聞、ここで大臣こう言っているんです。来年四月から介護保険制度が導入されます、この保険料は年金から強制的に調整されるわけで、これは年金を削減するのと同じ影響を与えることになります、国庫負担率の引上げと基礎年金の給付水準の引上げを同時に実現すべきであるというのが公明党の主張ですと、こうおっしゃっているんですよ。 それなのに、今回、基礎年金水準の引上げどころか、一五%の引下げを盛り込んだ。当時の主張は一体どこへ行ったんですか。五年前ですから、時代が変わったとは言わせませんよ。
財源の話は後でしますが、これ、五年前は与党だったんですよ。与党のときに、わずか五年前にそういう主張をしていた。本当に信用ならない。 で、九九年の年金改定後、これ、その後二〇〇〇年四月から介護保険が始まりました。保険料が天引きされるようになった。それから、二回にわたって老人医療費の引上げが行われたと。それなのに、年金額は物価スライドで減額をしてきたわけですよ。これじゃ、本当に暮らしていけないというのは当然です。 総理、私、社会保障の負担がこう次々と高齢者の場合増えてきている中で、老後の生活の基礎的な部分を担う基礎年金水準まで引き下げる。許されるのかと。低過ぎる基礎年金の水準を引き上げて安心して暮らせる水準にする、これが私、改革というなら第一歩になるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
総理の議論はいつも、もう負担を国民にどうやって押し付けるかという議論しかないんですよ。そうじゃなくて、財源があるでしょうと、国庫負担の引上げをやるべきですと言っているわけです。 で、基礎年金国庫負担引上げの財源ね、与党は増税で賄うと言っていますが、これはとんでもないと。当面の国庫負担二分の一の引上げはやはり税金の使い方の見直しでやるべきだと。私どもの提案は道路特定財源の一般財源化なんです。 そもそも、小泉総理は道路特定財源の一般財源化を主張されていましたよね。そして、〇二年度予算では、その一部を一般財源化したと、だれにもできなかったことを実現したと豪語した。ところが、その翌年から全くやっていないじゃありませんか。なぜこの主張を捨て去ったのか。
捨て去っているでしょう。
そんなこと言っていないですよ。
ごまかしていますよ。
総理は一般財源化を明らかに主張していたんですよ。 それから、言っておきますけれども、我々、年金目的税にしろと言っているんじゃないんです、一般財源にしろと言っているんです。そして、税率を変えたからといって、これは、一般財源にしたら税率下げよって法律には書いていないんですよ、これ別の法律ですから。石油連盟のアンケートでも、五割の人が特定財源の見直しを言っていて、税率の引下げを言っている人より多いんです。これが世論なんですよ。総理は明らかにこれ、一般財源化ということを主張されていますよ。 そもそも、これ、昭和二十八年に田中角栄氏が作ったと、議員立法で。そのときは道路舗装率三〇%だった。今九六%ですよ、簡易舗装を含めて。道路密度は、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの二倍から三倍だと。国土が二十五倍あるアメリカと日本の道路予算は同じだと。こんな特定財源要らないじゃありませんか。 こういう例は世界だってないわけですから、この道路特定財源、国の分だけで三兆四千億ある。これを暮らしを支えるために使ったって別にいいじゃないかと、そういうことを総理もかつては主張していた。一般財源化とはっきり言っていた。なぜその主張を捨て去ったのか、お答えいただきたい。
そんなことは、アンケートでそうは言っていないって。
今答えたでしょう。
結局、改革改革なんと言っているけれども、道路特定財源の一般財源化と言いながら口先だけですよ。そして、一方で年金改革は国民への痛みを押し付けるだけじゃありませんか。一体どこが改革なのかと。 しかも、メスを入れるべきところ、ほかにもあるでしょう。グリーンピアの問題この間やってきましたけれども、これ四千億円掛金投じて処分を決めたようだが、それで済むのか。(資料提示) これ、グリーンピア計画が打ち出されてから、この期間の歴代の厚生大臣、その地元に建設されたグリーンピアの一覧であります。十三か所のグリーンピアのうち七か所がこの期間の厚生大臣の地元で作られている。このほかにも、厚生省年金局長が衆議院選挙に立候補した。宮城県の岩沼市にも作った。偶然にしてはでき過ぎているんですよ。 小泉総理、こうした実態どう見るのか。私は、これは処分したからといって済む話じゃない、自民党の政治家の責任も含めて徹底究明する必要があると思いますが、いかがですか。
そんな四千億円もの掛金作って箱物造って、批判を浴びると慌てて二束三文で売り渡すと、売り払うと。これで責任取ったことになるんですかと私は言っているんですよ。こういう事実があるわけですよ。厚生大臣の地元になぜか多数、半分ぐらいは造られていると。 総理は口を開けば、民間民間とおっしゃいますよ。もしこれが民間だったらどういうことになるか。これだけの焦げ付き、損失を作ったらば、これは株主代表訴訟で訴えられますよ。ところが、年金では官僚も政治家もだれも責任取っていない。謝罪した者すらいないんだ。 総理ね、これ造るのやめたと、売り払うと、そんなことで国民が納得すると思いますか。それで責任取ったことになるんですか。私は全然それでは駄目だと思いますが、いかがですか。
そんなのいいよ。
答えてないんです。私は、この問題でだれも謝罪すらしていない、責任をだれも取っていない、これでいいのかと。国民、納得するのか。売り払ったらそれで済むのかと言っているんです。答えていただきたい。
そんなこと言っていないですよ。
共産党はこんなもの造れなんて一言も言ったことない。とんでもないこと言わないでほしい。年金マネーを食い物にしてきた官僚と政治家の責任、重大ですよ。徹底解明必要だと。 委員長、歴代厚生大臣、中でもこの疑惑ある田中正巳氏、それから増岡博之氏については参考人招致を求めます。
雇用問題についてお聞きをしたいと思うんです。(資料提示) これ、最近の求人の実態ですけれども、これを見ますと、昨年十二月の厚労省の調査では、求人全体のうち派遣が五%、請負が二八%もあると。これ、各地の職安の実態なんですけれども、大阪梅田の安定所では五割超えているわけです。それから、横浜職安の調査では、製造業の求人の六割以上が請負であります。 請負というのはどういうものかというと、メーカーなどの製造ラインや営業を一括して労働者を送り込むわけですね。ある雑誌によれば、リコーの御殿場事業所では製造部門七百名のうち四百名が請負だと。富士ゼロックスの海老名事業所は生産ラインはすべて請負だと。NEC 米沢工場では、生産要員百四十人のうち半数が請負だと。ソニーの生産子会社、ソニーイーエムシーエス、社員一万三千人とほぼ同数の請負社員が働いている。このように、日本の大手の電機や自動車などの工場は今や多くが業務請負。請負業界は急成長していて、規模は一万社、百万人と言われている。 総理は、昨年十一月二十六日の経済財政諮問会議でこう言っているんですね。若者の雇用は足りなくなるはず、それなのになぜ失業率が高いのか、やる気がないのか、能力がないのか、両方あるかもしれないけれどもと、こう言っている。しかし、求人の実態というのは今正に三割、四割は非正規雇用なんですよ。こういう実態があるわけです。条件が合わずに仕事に就けないという若者が出るのも、私、不思議はない。それでも総理は、これは若者のやる気や能力の問題だというふうにおっしゃるんですか。総理。
全く実態御存じない。本当にとんでもない今の発言だと思いますよ。派遣や請負の労働者の実態どうなっているか。どこで働かされるのかも、どんな働き方するのも分からない。 私が聞いた話では、若者は四年間で八か所の職場転々したという若者に話聞きました。青森で働いていたのを、明日から佐賀へ行ってくれと言われたという話も聞きました。労働条件も劣悪であります。あるチラシでは、稼げます、月収二十万円以上となっているんですが、これ、小さい字で稼働二十一日、残業六十時間、休日出勤と。そして、社会保障の加入はこれ一割以下なんです、こういう請負、派遣。若い労働者を過酷な条件で働かせて、言わばピンはねをするようなやり方が日本じゅうでこれまかり通っている。そして、日本の名立たる大企業がこういう労働者を今製造業では多数使っているわけですよ。総務省の就業構造基本調査では、この五年間に正規雇用は約四百万人減っている。その一方で、派遣、契約、嘱託、パート、アルバイトが約三百七十万人増えていると。正に四百万人ぐらいの雇用が正規雇用から非正規雇用に置き換わっていると。 総理、今こういう請負や派遣というのが日本の製造業の主流になってきている、求人の大半を占めている、これを異常なことだというふうに総理は思われませんか。私は、二十一世紀を担う日本の若者をこういう細切れのピンはねのようなやり方で働かせることが今や求人の主流になっている、私はこんなことを許してはいけないと、こんな労働の切り売りを絶対許してはいけない、そう考えますが、総理、いかがですか。
自然に増えてきたんじゃないんです。この間、法改正を繰り返して規制緩和をどんどんどんどん進めてきて、そしてこういう非正規雇用を大きな流れに政府が作ってきたんですよ。それがこういう結果になっている。そして、契約が終われば正規に雇用されるなんてとんでもない話だ。そんなの本当にごく一握りの人で、ほとんどの人は使い捨てになっているんですよ。それが実態なんです。 こういう労働を日本の若者の中にはびこらせていいのかと。私、これ、二十一世紀の日本の根本問題だと。しかも、今いろいろおっしゃいましたけれども、今主流になりつつある業務請負について監督責任持っている大臣いますか。いたら手を挙げてください。これ、いないんですよ。これね、この業務請負というのは、どこも監督官庁ないんです、法律もないんです。間違いないですね。こういう実態なんですよ。これが今の実態なんです。日本の若者がこれだけ主流になっている働き場所をだれも大臣が監督責任持っていないという実態あるわけです。こんなに激増している中で監督官庁もない、規制する法律もない、労働条件の過酷さから過労死事件まで起きている、職業能力を高めることもできない。私は、こんなことしていたら本当に日本の経済にとってだってこれはマイナスになると、日本の社会の基盤を本当に揺るがすことだと。 総理、お聞きします。監督大臣いませんから総理に答えていただくしかないんです。こういう問題について、全く野放しになっている、監督官庁もない、規制する法律もない、こんなことで総理いいと思いますか。いかがですか。総理に答えていただきたい。総理。監督大臣じゃないんだから、総理に答えていただきたい。
ちょっと大臣、総理、答えてくださいよ。監督官庁じゃない。総理、総理、答えてくださいよ。 私言ったように、今答えたけれども、監督官庁じゃないんですよ。これは、請負業というのは業として規制する法律もないんです。こういう実態でいいんですかと。一般的な労働者というのじゃなくて、これだけ百万人の労働者が働いている業界が全く何の規制もない、野放しになっている、これが実態なんです。そのことについてどうなのかと一点お聞きしているんです。
EU ではその派遣に対する指令案が提案されています。派遣先労働者との均等待遇原則が明記されている。一方では、日本ではこういう労働者に対する規制は本当にルールがないんです。これは日本社会の二十一世紀にとって非常に重大な問題だということを申し上げて、私、質問を終わります。
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