「国民に痛み押しつける資格ない」
小泉首相に5700万円献金
製薬企業や医療団体から 6年で
製薬企業や医療団体から小泉純一郎首相への政治献金は、六年間で五千七百十万円に――。二日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員は、国民の医療保険料や税金で収益をあげている製薬企業や医療団体から多額の献金を受け続ける小泉首相に「国民に痛みを求める資格があるのか」とただしました。
小池氏の調べでは、医療関係の企業・団体から小泉首相への政治献金額は九八年に厚生大臣をやめたあと急増しています。(グラフ)
小池氏は、小泉首相が厚生大臣だったとき、日本共産党の志位和夫書記局長(当時)の質問に、「公金を受けている団体や企業からは厳しい制限を設けてしかるべきだ」「厚生省関係の団体等からは政治献金を自粛している」(九六年十二月、衆院予算委)と胸をはっていたことを紹介。「大臣をやめたとたんにもらい始め、しかも金額は大幅に増加している。やめていた期間の『もとを取った』と言われても仕方ない」と指摘しました。
小泉首相は「これだけ資金をいただいて、なぜ製薬企業や医療団体がいやがることをやるのか。政治献金に影響されないことを私は証明している」とのべ、多額の献金を開き直って正当化しました。
小池氏は「公的な医療保険財政で支えられている製薬企業などからの献金だけでもやめますとなぜはっきり言えないのか」「こういうやり方にはメスをいれず、一方では国民に痛みを押しつける。いままでの自民党のやり方とまったく変わらない」と批判しました。
医療改悪法案 受診抑制いっそう深刻に
参院厚労委で小池議員 3 割負担を批判
参院厚生労働委員会で二日、小泉純一郎首相が出席して医療改悪法案の審議がおこなわれ、日本共産党の小池晃議員は、患者負担が二割に引き上げられた九七年の医療改悪のあと、患者(三十五〜六十四歳)が三十五万人も減ったという厚生省調査を示し、三割負担で受診抑制がいっそう深刻になると、首相にただしました。
小泉首相は「医者にかかるのをやめようかという気持ちもあるのは否定しない」と言いつつ、根拠も示さずに「どうしても必要だという医療は確保されている」と強弁しました。
小池氏は、二割負担の政府管掌健康保険と三割負担の国民健康保険を政府統計で比較。それによると、外来の一人あたりの受診件数は国保の方が少ないのに、入院でかかった医療費はすべての年齢層で国保が高くなっており、四十五〜四十九歳の場合は二・五倍にもなっています。
小池氏は「三割負担で受診が抑制され、病気が重くなってから入院するケースが多く、入院医療費が高いのではないか」と質問しました。
坂口力厚労相は「三割になった場合、ちょっとのどが痛いとか熱があるという人は(受診を)控えるかもしれない」と受診抑制を認めつつ、「それが医療の大勢に影響することはない」と答弁。小池氏は「軽いうちに安心して病院にかかり、重症になる前に治すことが結局は医療費の節約になる。考え方が逆立ちしている」と批判しました。
医療改悪法案 坂口厚労相答弁は間違い
質問終了後 厚労省が認める
医療改悪法案の審議が始まった二日の参院厚生労働委員会。厚生労働省は、日本共産党の小池晃議員にたいする坂口力厚生労働相の受診抑制をめぐる答弁の一部に誤りがあったことを、質問終了後に認めました。
小池氏は、二割負担の政府管掌健康保険の一カ月あたりの通院の受診回数と入院の医療費を比べながら、三割負担の国保の患者に受診抑制の影響があらわれていることを、厚労省の調査をもとに指摘。
「受診が抑制されているため、病気が重くなって入院するケースが多くなっているのではないか」とただしました。
坂口厚労相は「われわれの資料、一年間の平均で見ますとあまり違いはない」と否定しました。
質問終了後、小池氏は厚労省に同相の答弁根拠資料を請求しました。担当者は「一年間でみても、国保の通院回数の方が低く、入院の医療費は高くなっている」と説明。坂口氏の答弁に根拠がないことがはっきりしました。
医療改悪法案は、国民のくらしと健康を左右する重大法案です。基本的事実さえふまえないこんな無責任答弁で負担増を求めるとは。坂口氏の担当大臣としての資格が問われます。(秋)
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